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第88話 なら刺せよ

 新しい銃、S3はポンプアクションのショットガンである。つまり撃つごとに下のポンプを動かす必要がある。だから非常に疲れる。

「だから使いたくないんだよ、くそっ」

 陰から少し銃口を出す、撃つ、隠れる、ポンプを動かすを繰り返す。また1発1発手作業で込めなければならないためにポンプを動かした後にすぐ新しい弾を込める。

「メリベルまだ」

「………もう少し」

「了解」

 少しずつ敵が近づいてくる、さすがに倒しきれない。と言うか当たっているかも分からない、だがやめるわけにはいかない。

「それはそうとリズは大丈夫なのか」

 陰に隠れていると見えない、音は聞こえるのだがどの音が何かは分からない。出れば見えるのかもしれないが、死にたくはない。

「………終わった」

 隠れている遮蔽物にメリベルが飛び込んでくる。

「たすか、うわっ」

 血塗れであった。

「………大丈夫殆ど返り血」

「そっそう」

 殆どと言っているので怪我をしてるのだろうが時間がない。

「メリベル突っ込めるか」

「………大丈夫けどちょっと待って」

 メリベルが小さなビンを開け、飲む。多分ポーションだろう。

「………これで大丈夫」

 血を拭う。その間も撃ち続ける、止まるわけにはいけない。

「行けるか」

「………うん」

「じゃあ撃ちまくるから後はよろしく」

「………タナカも気を付けて」

 陰から飛び出て撃ちまくる。撃つ、ポンプを動かす、撃つ、ポンプを動かす、撃つ、ポンプを動かす。

「………後は任せて」

 メリベルが盾を構え突っ込む。もうこれ以上撃つわけにはいかない、間違えてメリベルを撃つ危険があるからだ。だからこう叫ぶ。

「後は頼んだ」


 弾を込め直し、リズの方に向かう。

「リズ大丈夫か」

 銃を構え支援に向かったのだが、ナイフで切りあっているので近すぎて狙えない。しかし叫んだことで隙ができる。リズに。

「タナカさん」

「余所見をするな」

 ナイフが弾かれ、倒される。そして倒れこんだリズの腹に蹴りを。

「うっ」

「リズ」

「お前か」

 リズの父が詰め寄る、撃つ。横に動いたかと思うと突っ込んでくる。そしてポンプを動かす前に詰め寄られる。銃を弾かれる。

「はやっ」

「お前がリズをここまでつれてきたのか」

「ああ、リズが家族に会いたいって言ってたからな」

「それだけのために」

「それ以外に理由がいるか」

「お前は人だろ、なぜ差別をしない」

「逆に聞くがなぜ差別をするんだ、面倒臭い」

「さっきも言ったがまとまるためには必要なんだ」

「そうかよ、なら刺せよ、どうせ世界を滅ぼすんだ少し早く差別される対象になっても問題ないだろ」

「言われなくても」

 腹に衝撃。

「なに」

「今」

 ナイフを持っている手を掴み内側にためらいなく捻る。中学の時、安全教室で習った護身術で手に持ったナイフを落とすと言うものだ、あの時は使うとは思っても見なかったが。リズの父がナイフを落とす。

「だが甘い」

 腹に再度衝撃、手を離す。首を捕まれ持ち上げられる。

「ぐっ」

 苦しい、息が出来ない。

「もう止められない、どうせ世界はこれで終わりだお前らを退ければこの“ビーニジュウキュウ”が出撃する、その後わた」

 さらに横からの衝撃、倒れる。

「………タナカ大丈夫」

「ゲホ、ゲホ、ああ大丈夫」

 メリベルがリズの父に体当たりしたようだった。リズの父を見る、頭を強く打ち付けたようだ気を失っている。リズに近寄り起こす。

「リズ大丈夫か」

「はい大丈夫ですタナカさん」

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