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第79話 全員出撃

 異世界転送後217日目、目が覚める。寝れたかはよくわからないが。

「おうタナカおは、目が死んでるな」

 アルフが起こしに来たのだが、目がよほどひどいのか心配そうに聞いてくる。

「やっぱりか」

「それと隈がひどいぞ」

「すごく眠いけど」

「寝ろ寝ろどうせ出発は昼だ」

「そうなのか、けど寝られないんだよ」

 そうなのだ、横になって眠れそうになっても昨日のことが思い出されてしまい目が覚めるの繰り返していた。

「なんだ緊張か」

「それならよかったんだけどな」

「それかあれか、あの3人の誰かに結婚の約束させられてるけど、故郷に婚約者とかがいてどうやって断ろうか悩んでるのか」

「うっ」

 ほぼぴったりだった。唯一の間違いは婚約者は居ないことだけであるが。

「俺も似たような経験があるからな」

「は」

「俺だって故郷に戻れば婚約者位いるさ」

「は」

「タナカはいないのか」

 驚きだったあのアルフでさえ婚約者がいるなんて。

「いない」

「そうか」

「と言うかなんでお前が婚約者いるんだよ」

「そりゃあいるだろう、故郷は農村だぞ、結婚して子供作らなきゃすぐに廃れちまう。だからなんと言うかある程度年重ねたら結婚する感じだな」

「ならなんで冒険者やってんだよ」

「それは、そのう、聞くな」

 本当に聞かれたくないような雰囲気だったのでやめる。

「それでタナカどうするんだ」

「どうするもなにも、先伸ばす、決められないし、どうなるかわかんないし」

「どうなるかわかんないから聞いたと思うんだが」

 それはそうなのだが、どうなるかわからないから先伸ばす。後のことは後に考えようと思う。

「まあタナカがそう決めたならいいか、広場に集まって魔王城に向かいますか」


 広場に集まる。リズたちは先に行っていたのか待っていた。

「タナカ遅い」

「ああごめん、ごめん」

 広場の人たちは中央にいるユーリを見ている。ユーリが話始める。

「ここにいるみんな聞いてくれ、魔王はこの世界すべてを滅ぼそうとしている、その手段はわからない、だがそんなことを見逃していいのか、いや見逃すわけにはいかない。ここには卑怯にも足止めされているために正規の兵士はいない、だがこの街を取り戻したのは誰だ」

 集まった人たちが声をあげる。大きすぎて音としてしかとらえられない。

「そうだ、その通りだ、自分達がやったんだ、ならどうするいつまでも来ない兵士たちを待つのか」

 また声がするが、聞き取れない。

「そうだその通りだ、ならばここにいる人たちで魔王を倒す英雄となろう、全員出撃」

 声をあげ、全員が一ヶ所に向けて歩いて行く。

「よし俺たちも行きますか」

 自分達もそれについて行く。がすぐに止められる。イリアだ。

「で昨日の」

「それなんだけど、全てが終わってからにしないか」

「そ、そうよね」

「それじゃあ、行こうか」

「うん」

 そうして自分達も列になっているレジスタンスについていく。

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