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第75話 タナカさんは私が守ります

 異世界転送後214日目、目が覚める。体が大分軽い。立ち上がる。痛みも薄れてきている。屈伸運動を行うとまだ痛むが移動する分ならきっと大丈夫であろうと判断してみる、実際歩いてみないとわからないが。荷物を漁り服を着替え、防弾チョッキをつけ準備完了である。後はS3に弾を7発込め、S2にマガジンを挿し隣に寝ているリズを起こす

「リズ起きてるか、リズ」

「………おはようございますタナカさん」

「おうおはよう」

 リズの準備があるだろうと部屋から出て食べられそうなものを探す。スライムと会い話し掛けられる。

『タナカ様何をやさっているのですか』

『いや食べ物ないかなって、後移動中食べられる物も』

『以前食べられていた物ならすぐにご用意できますか』

『じゃあそれで』

 スライムに案内され、倉庫の様な所に案内される。中には何もない。

『何もないんだが』

『こちらになります』

 壁の一部が開き、その中にはチューブが多数ありそのせいで銀色にしか見えない。

『取っていっても』

『構いません、いくらでも補充出来ますので』

 適当に何本か取る。

『補充って』

『さらに地下に生産工場がありそちらで植物を作り、それを元にして作っています』

『なるほど』

 壁が戻っていく。倉庫を後にして、寝ていた部屋に戻る。戻るとリズの準備が終わっていた。

「おかえりなさいタナカさん」

「じゃあ行こうか」

「わかりました、けどダメならすぐに戻りますからね」

「わかってるよ」


 自分からしてみたら数日ぶりに外に出る。生憎の雨であった。

「タナカさんこちらを」

「ありがとう、ってこれは」

「動物の毛皮で作ったマントです」

 マントを纏う。フードもついていたので被る。

「こんなの何時作ってたんだ」

「タナカさんが寝ている時に、使っていただければと思い」

「そうか、本当にありがとう、行くか」


 雨のなか移動する初めはリズのいた村に向かい1泊してその後街に向かうと言うルートだ。初めはよかったのだがだんだん地面がぬかるみ足をとられそうになる。ただ靴はブーツなので中まで濡れたりはしなかったが。

「タナカさん大丈夫ですか」

「ああ、少し痛むけど問題ない」

「そうですか無理ならすぐ言ってくださいね」

「ああ」

 雨がだんだんと強くなっていく。バケツをひっくり返した様な雨になりもう前が見えないところまで達している。

「タナカさんひとまずここで雨やむまで休みましょう」

 近くの洞窟に入る雨水は流れてくるが乾いてるところもありそこに、腰を下ろし体を休める。

「雨降りすぎだな、こんなに降るの」

「いえ私が知る限りでは」

「そうか、ならここで休んで明日街に行こうか」

「わかりました」

 そこまで話すと食事を取る。味は変わらない。すぐに食べきる。することがなくなる。

「さすがに寒いな」

 さすがに薪がないし、 薪を取りに行きたくても外に出たくても雨が強くて出れそうもない。

「なら一緒にマントにくるまりませんか」

「えっと、いいのか」

「はい、構いませんよ」

 リズと一緒にマントにくるまる。なんだか恥ずかしいが、リズの温もりが心地よく眠気が襲ってくる。

「寝られても大丈夫ですよタナカさん」

 意識を手放す。その手放される意識のなかで声が聞こえる。

「タナカさんは私が守ります、死んでも」

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