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第73話 規模が大きすぎるよ

「へ、もう一回言ってくれないか」

「ですから、魔王が世界を滅ぼすことだといっていたので」

 聞き間違いなど手はなかった。できれば聞き間違いであってほしかったのだが。

「つまりアルフ達は」

「はい、世界を守るために」

「規模が大きすぎるよ、ってこんなのんびりしてていいの世界滅んだら自分達も死なないか」

「ですがそれよりもタナカさんの方が」

「それは嬉しいけどさ、ああ早く動けるようにならないと」

 無理矢理に立ち上がる、まだ体が痛いが立てる。歩く。非常に遅いが歩ける。

「タナカさん無理なさらない方が」

「いやいやいや、今無理しないで何時無理するんだよここにいたって死ぬなら多少は歯向かいたい」

 しゃべることに意識が集中し体が支えられなくなる。

「っ、タナカさん」

 リズが駆け寄るが支えきれず倒れる。リズが起き上がるのを手伝ってくれる。

「ごめん、けど死にたく無いんだよなら少し位無理してでも生きたい」

『失礼します』

 ドアの方を見るとスライムが入ってくる。

『タナカ様の荷物の方から異音がしたために確認したらこのようなものが』

『荷物は後で確認する、今は世界が滅ぶかもしれない方が大事だ』

 リズの方が向き直す。

『あのその件ですが、ここにいる限りは問題ないと思われます』

『へ』

『ご説明させていただきます』

『訳した方がいいか』

『お手数でなければ、リズさんには安全だとしか伝えられていませんので』

『わかった』


 リズに手伝ってもらいながらベッドに腰かける。

『それでは説明させていただきます、まずこの施設ですが世界滅亡の危機が発生したさい、人類を生き残らせる為に作られたノアの箱船です』

「ノアの箱船って」

「向こうの世界にある伝説のひとつで、簡単に言うと生き物を生き残らせる為にノアと言う人物が作った舟だな」

『続けますね、そうして完成して何年かたった後何処かから発射された反応弾を皮切りに世界各国が反応弾を撃ち合う1時間戦争が起こりました』

『反応弾ってなんだ』

『分かりやすく言いますと核兵器ですね、但し核兵器とは比べ物にならないほど威力は上がっておりますが』

『なるほど』

『その1時間の間に人類の98%が死滅、生き残りはこの施設にこれた人のみだったのですが、そのような状態でも対立が起こり人類は滅びました』

『それと今回の件の関わりは』

『はいこれが本題なのですが、そのような攻撃を受けたのですがこの施設の被害はほぼなく、正常に稼働しております。また今回の件で問題なのは世界を滅ぼす方法なのですが、反応弾以上の破壊力を持ちそうもないためにこの場にいれば安全かと』

『他の方法はウイルスをばらまくとか』

「ウイルス」

「病気の原因だな」

『はいそのような場合でも空調は施設内で循環出来ているために問題なく、入り込んだ場合でもそこを隔離してしまえば問題ありません』

「では食事はなくなったりしないのですか」

『はい食事の方も無理に消費しなければ1000人が100年ほど食べられるだけあり、ほぼすべての施設で新たに食料を生産しているので問題ありません』

 問題はなさそうであった、ここにいれば安全である事が証明され的が抜ける。

「そうかなら少しはのんびり行けそうだ」

「安全なのでしたら寝ていてもいいのでは」

「それでもアルフ達を迎えにいかないとダメじゃないか、と言うわけでリハビリ手伝ってくれ」

「………わかりました」

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