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第70話 今度死んだら私の助手にしてやる

「なんだタナカ死んだのか、けど大分いいデータがとれたな。おい聞いてるのかおい」

 声に気づき目を開く。そこは異世界に来る前にいた白い部屋と自称女神がいた。

「自称女神はひどいな、まあ名乗ってないから仕方ないか」

「で一体どうなったんだ」

「いやタナカ君は死んだよ、ほぼゼロ距離の爆発とその衝撃で地面に頭を叩きつけて」

「はあ」

「信じてないのか、それならその様子見せようか」

「いやそんなことよりも魔王は、魔王はどうなったんだ」

「えっ、ああ魔王ね魔王。えっと彼は…………ああ君の自爆で傷付いて撤退したよ」

「そうか」

「しかし君はすごいな、チートを与えずにあの異世界に送り込んだ他の人らは2、3日で死んで帰ってくるのに、1ヶ月近く生き残る上に魔王に傷を与えるなんて」

「他の人なんていたのか」

「ああいたね、けどまあ大分離れて配置したから遭遇することはなかったはずだ」

「いやユーリには遭遇したんだが」

「ああ彼は別さ、彼は私じゃない他の観測者が送り込んだ人材だろう、私はあんな向こうで成長するまで待つとか言う長いスパンの研究は面倒臭いと思ってるそれに」

「それに」

「力を与えようと自分で辿り着こうと結局はある一定までにしか到達しない、なら力を与えた方が早い」

「けどそれだと力の使い方が、その力に頼りきった一点押しになるんじゃないのか」

「それならば単純に力押しだけじゃ勝てない敵がいる所に出現させて力の使い方を学習させればいい」

「けど、自分で考え身に付けていくことで少しの力で強さを、って何を話してるんだ」

「ああ、そうだなこんな話を君にしてもしょうがないか。だが君の意見は考えさせられる意見だったぞ。まあいいで行く前に約束したことを覚えてるな」

「たしか、もとの場所に戻して二度と関わらないだったかな。後は望むチートをひとつ与える」

「よく覚えてるな」

「まあね」

「で何がいい」

「何がいいって、他の人は何を」

「他の人は本当は与えるつもりだったが君の活躍を見て気が変わって与えてない」

「気が変わって」

「仕方ないだろあいつら魔物に突っ込んで死ぬか、死んでから貰えるチートに期待してさっさと死ぬだから、研究にもならないさ。だから記憶を消してもとの居場所に戻した」

「………なるほど」

「だからあれほど活躍した君にはどんな高難易度のチートでも設定してやろう、不老不死でもハーレムの作れる能力でもいいさ」

「何でもか」

「ああなんでもだ」

「先にこっちの問題を片付けるか、もとの世界は異世界の方でもいいのか」

「ああいいだろ、そっちも今の君からしてみればもとの世界だ」

「ならもう少し考えさせてくれ」

「ああ構わないさ時間はある、のんびり考えてくれ出来たら呼んでくれ」

 そう言うと彼女はノートパソコンの様な物を何処からか取りだし何かを打ち始めた。


 考える。どちらの世界で生きるか、どんなチートをもらうかを。

「なんなら助手にしてやろうか、いやダメだな何か他の言い方を」

 自称女神も何か考え事をしているようだ。だが気にしない。すごいチートを持って現代を生きてもいいし、その逆でもいい。そこでふと思い付く。

「それはダメだ」

「ダメですか、世界の移動能力を得るは」

「それだと私クラスの力を与えてしまうからな無理だ」

 なら考える。そして決まる。

「決めました、なら異世界で生きます、チートとしては弱いけど弾をください」

「弾って言うのは無限に出せるようにすればいいのか」

「いえ、いつも持っていた鞄にはいるだけのたまで十分です」

「それはもうチートじゃないぞ」

「ならもとの体をそのまま」

「それも…………ああ大丈夫だ」

「ならチートなしでいいです、決意が鈍る前に異世界転送してください」

「いいのか、本当にいいんだな」

「構いません、と言うか今思うにチートなしで送り込まれたのに一度生き返れるってチートですよね」

「ああ…………それはまあいいやそれじゃあもう送るぞ、後悔はないな」

「ええ」

 そして光に包まれる。女神の声がかすかに聞こえる。

「今度死んだら私の助手にしてやる」

 そうして意識を失った。

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