第7話 パーティーを組んでもらいたい
という訳でアルフに連れられて食事できる所に案内されることに。
「でどうして、タナカは俺の後ろを歩いてるんだ」
「なんとなくですね」
「まぁいいか」
変な所に連れられそうに叫んで逃げるつもりで後ろにいるのだがそんなことをする様に見えない。
だから街中やギルドで聞いたお金について思い出すことにした。
この世界では基本的な通貨はゴールドつまり金貨でる、単位はGである。昼間街中をうろついていた時にわかったのだが日本の円と比較して多分1G=100円ほどであるみたいだ。つまり指輪の再度支給にかかる費用は1000Gであるために日本円にして10万円程である。ではじめから持っていた金貨であるが200枚ほどである。
「とここがおすすめの店だ」
「ここですか」
着いたのは宿屋である。
「って宿屋じゃないですか」
「いやいやこの宿屋の食事がうまいんだよ。それにタナカはどうせまだ宿とってないたろ」
「とってないですけど」
「やっぱりな、街に入ったら早めに宿取らないと止まれないぞ。まぁ田舎は違うかもしれないが」
「そうなのか」
「まぁいいか入るぞ」
そこにはマンガやアニメ、ゲームなどでありきたりな中世風の光景が広がっていた。
酒を飲んで騒いでいる冒険者らしき人達やその人らに料理を運ぶウエイトレスがいたりかなり賑やかだった。
「いらっしゃい…ってあんたか」
「なんだよせっかく止まってやってんだから感謝しろよ。後新しい客も連れてきたし」
「あああんたの後ろのやつか。いらっしゃい泊まりか食事か両方か」
「えっと泊まりで」
「食事は大丈夫か?」
「ええこの人におごってもらうので」
「そうかいじゃあ何泊する」
「ひとまず一泊してみてから連泊するか考えます」
「じゃあ10Gだな先払いで頼む」
「はいこれで」
「…………よし確認したけどな今度から早めに宿取れよ今日空いてたからよかったが」
「はい気をつけます」
「まぁいい食事はすぐ食うか」
「ぜひ」
「したの食堂で待っていてくれ、冒険者が集まっているところだ」
「分かりました」
「でアルフはどうするんだ」
「ああ俺もタナカと同じでただ泊まりは5日で頼む食事込みだ」
「はいよじゃあ75Gだかがお前がおごる分も含め80Gだな」
「じゃあこれで」
「…………………はいよほら二人とも鍵だ2階だからな」
「おいタナカ食堂いくぞ。そこで聞いてもらいたい話がある」
「わかったわかった聞くだけな」
「率直に言えばパーティーを組んでもらいたい」
「……………………はぁ?」
「いや何をいいたいのかはわかるし、自分が言われたら同じ事を言うだろ」
「じゃあ何でだよ」
「パーティーを組んでくれる相手がいないからだ」
「………………………部屋で休む」
「まっ待ってくれよタナカ。俺はパーティーを組めない理由があるんだ」
「……………………理由は?」
「冒険者でソロをやってるのはあのギルドでは自分しかいないから入れる場所がない」
「……………………なんで自分?」
「大抵の新人冒険者は集団でやって来て登録してそのままパーティーを組むのが常識で、俺やタナカみたく個人で登録するのは少ない。そしてたいていの場合パーティーを変えたりするのはほぼない。なぜならパーティーと言うのは自分の命を預ける相手だから前々から知ってる相手の方がいいからな。そこで俺と同じように1人で冒険者になったタナカに声をかけたわけだ」
「じゃあ何で1年も冒険者やってて、パーティー組めるくらい知り合った相手はいないのか」
「そりゃ初めのうちはモンスターにやられたりダンジョンや遺跡で仲間を失ったりした新人のパーティーに加えてもらおうと思っていたんだが、大半が半年ぐらいで死んだり冒険者出来なくなるくらいの傷を負ったりで親友をなくしたりしてるわけだから大抵は冒険者を辞めてしまうから混ざれないし、逆に長いと貴族の私兵なんかになるとかで辞めてくな」
「じゃあ相手がいないから俺にと…………………って新人の大半が半年でリタイヤ!!」
「ああそうだ大抵はモンスター、後はダンジョンや遺跡の罠、冒険者同士のいざこざだな」
「冒険者同士のいざこざ?」
「お宝の奪い合いやら依頼品の奪い合い、数は少ないが貴族の依頼の時は妨害工作とかだな」
「…………………このパーティーを組む利点は」
「おっ何だ乗ってくれるのか」
「いや一応そう言う事も聞いておかないと」
「まぁ1人より安全度はますな、なにせ二人だ警戒出来る範囲が単純に2倍だからな。他にもダンジョンや遺跡から持ち出せる物が増えたり持ち込めるものが増えたり色々だな」
「………わかった。けど初めのうちはダンジョンや遺跡に潜らず近場だけにしたいそれでいいだろ」
「ああそれぐらいは当たり前だよな。じゃあ後は明日話し合おう」
「わかったお休み」
そうして怒涛の一日目が終わった…………あっ後食事はパンとスープと鶏肉のようなものだったが普通にうまかった。