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第68話 元勇者で現魔王のササキさ

「燃えて…る」

 リズがそう呟く。

「なあ、まだ遠くからみてるだけし詳しいことがわからないから近づいて見ないか」

「そうよね、それがいいと思うわリズ」

「…はい」

 それは慰めにならないことは気づいていた。なぜなら街全体から黒煙が上がっていたからだ。


 恐る恐る街に近づいて行く。そうすると、黒煙が見える他に門が壊れているのが見え、また怒声やら悲鳴やらが聞こえてきた。その声が聞こえて来るとリズが思い立ってもいられなくなったのか走り出す。

「おいタナカ俺達も走るぞ」

 アルフが剣を抜き、走り出す。イリアもメリベルもだ。自分もS2を構え駆け出す。

「速いんだよみんな」


 壊れた門から街に入る。他の4人は先に行っているかと思いきやまだ入り口そばにいた、それだけではなく他のものがあった。死体だ。これで黒煙が上がっているのに目星が着いた、この街で戦争が起こっているのだ。

「早く、早く探さないと」

 慌てているリズをアルフが押さえている。

「なあ、どうする」

「ひとまず何と何が戦ってるはっきりさせないか」

「そうだな」

「………なら私が前に出る」

「俺はその後ろだな」

「なら次にリズ、イリア、自分でいいか」

「………でどっちの方に向かうの」

「街の中心なら分かりやすいんじゃないかな」


 その並び順で周囲を警戒しながら街の中心に向かう。色々と燃えていたりしたために大分時間がたってしまったがやっとのことでたどり着く。

「おいタナカ何もないじゃないか」

 何もないのだ。いや大分いい服を着ていると見られる死体があったり、その回りに死体があったりとするのだが戦闘が続いているわけでもなく静けさが漂っていた。

「だな」

「私の家族は何処に」

 リズが呆然としている。

「辺りを探してみようか」

「はい」

「その必要はない」

「アルフ何か言ったか」

「いや」

「イリアは」

「なにも言ってないわよ」

「メリベル」

「………何も」

「リズは、言ってないな」

 呆然としており、言える様子はない。と言うか声は別の方からしていたのでそちらを向く。

「ようこそ、アルフさんにリズさん、イリアさん、メリベルさんそしてタナカさん」

 1人の青年が立っていた。なんと言うか引きずるくらい長い黒いコートを纏い、その中はどこかの特殊部隊のような服が見えると言う向こうの世界ではおろかこっちの世界でもなかなか見ない姿をしている。話しかけてみる。

「えっとあなたは」

「ああ、申し遅れたね。元勇者で現魔王のササキさ」

 回りは驚いている、が気にせず話を続ける。

「そうですか、で何のようで」

「…………はっはっはっ、やはり面白いよ君は、私の鑑定スキルを無力化するほどの力を持っているからかな」

「はあ、で」

「まあいい、君達が1番私のなかでわからない人達だからねだから顔見せかつここで潰そうかと思って」

 どこからともなく、S5を出現させる。片手に1丁ずつだ。

「潰されたくなかったら君の力を見せてくれよタナカーーー」

「にげろーーー」

 ここ最近で一番の全力で物陰に飛び込む。

「はっはっはっ、あんたは狡猾なやつだよまったくあのユーリとか言うやつにこの前線基地となるこの街を潰させ力を見せないでおくとはな。だがなその手には乗らない、そのためにわざわざ出てきてやったんだ感謝しろよ」

 何か言っているがはっきり言ってすべて勘違いである。だが勘違いであっても何であっても命の危機であることは変わらない。ミスれば死ぬ、と言うかこの状況ミスらなくても死にそうな気がしてくる。

「どうするタナカ」

「どうするもこうするもこれ勝てなくないか」

「だからって逃げられそうにもないぞ」

「だよな」

 イリアが魔術でも使ったのか魔弾が魔王に飛んでいく。

「なんだこれだけか」

 何かしたのか直前で消える。

「勝てなくないかあれ」

「ではタナカお前が本気を出せるようにこちらから行くぞ」

「来るなよ、これが全力だよ。アルフ」

「ああ」

「リズ」

「はい」

「イリア」

「ええ」

「メリベル」

「………うん」

「逃げるぞ」

 命懸けの逃走劇と言うか鬼ごっこの開始である。

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