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第66話 どうやって呼んでくるのですか

「いやなんだそんな大声で叫んで」

「いやいるとは思わなくて」

「そうかそれでか、でみんなは何処にいってたんだ」

「いやリズを探しに、で何であんな所に」

「いえ……………すみませんでした」

「いや家族の事が気になるのはわかるけど急にいなくなるのは」

「はい本当に申し訳ございません」

「タナカ家族の事って」

「えっと、リズ説明してもらっても」

「はいわかりました」


 リズが自分と居た時に見た手紙を見せつつ家族のことを説明する。

「そうだったの私も協力するわ」

「…………私も」

「俺も構わないぜ」

「皆さんありがとうございます」

 リズは涙ながらになりながら頭を下げた。

「それでリズ、さっきは誰に捕まってたんだ」

「あれは山賊かと」

「山賊か」

「ええ多分ですが」

「ならいいや」

 捕まっていたように見えて、違っていたらどうしたらいいかわからなくなってしまっていたが、関係なければ割り切る。

「で話は戻すがどうやって助け出す」

「どうやって忍び込んで助けるじゃ無理なのか」

「それは無理じゃないかしら、街にいる人全員を助けなきゃ意味ないでしょ、だからどうしても時間かかっちゃうし」

「なら時間を稼ぐしかない」

「………けどどうやって」

 それはひとつしかない。

「魔王と戦ってしかなくないか」

 沈黙。そして声をあげる。

「無理よ、戦いなんかしたらすぐにやられちゃう」

「だよな、1人2人逃がすなら忍び込んでできるかもしれないけど逃げられない人が騒ぎ出すかもしれないし、かといって全員逃がすとしたら時間が足りないし」

「だからって直接戦ったら勝てない、と言うか殺されてしまうわよ」

 こんな命がかかった場面でもチートさえあればこんな場面でも正面から行けるかもしれないが持っていない、ならば。

「直接戦わないで時間稼げないか」

「例えば」

「逃げ回ったりしたらどうかな」

「それは無理だな」

「何でさアルフ」

「その街に詳しい人がいないからだよ、行き止まりになんて逃げたら簡単に殺されちまう」

「リズは詳しくないの」

「すみませんあまり」

 正面からも無理、逃げ回ったりするのも無理、ならば。

「後は罠にはめるくらいか」

「…………罠って何かあるの」

 なにも思いつかない。

「なんにも思いつかない」

「………だよね」

 罠も無理であった。


 大分日が傾いてきた、自分のお腹がなる。

「暗くなってきたので食事の準備しますね」

「ああお願い」

 アルフにイリアにメリベルの方も空腹ぎみに見える。それでひとつ考えが浮かぶ。

「なあ、食料を溜め込んでるところ襲って時間稼ぐのは」

「無理じゃないかしら、それですむならもう助け出されてない」

 言われてみればそうである。しかしもう何も思いつかない。

「考えても思いつかないし食事できるまで待たないか」

「そうしようか」


 リズの食事ができる。

「スープですけどできましたよ」

 ここ最近の定番であるチューブとスープを食べる。すぐに食べ終わる。

「で食べ終わったわけだが何か考えついた人はいるか」

「………なら勇者は」

「メリベル」

「………勇者なら倒せるんじゃない」

「それだ」

 魔王を勇者であるユーリに押し付け、で自分達で捕らえられてる人を助ける。これならかなりの確率で助けられるだろ。

「そうよそれよ」

「頭いいなメリベル」

「………それほどでもない」

「あの」

 リズが会話に加わる。

「ユーリさんをどうやって呼んでくるのですか」

 そうだそれを忘れていた。ユーリと連絡する手段がない。また沈黙。

「ひとまずもう寝ようか何も考え付かない」

「そうだな」

「そう、ですね」

 何ももう考え付かないためにまた大分遅くなっていたために眠りについた。


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