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第64話 協力してやるから

「協力って」

「私の、私の家族を救うために協力してください」

 リズは必死にそう言う。

「協力してくださいお願いします」

 自分から少し離れ、うつ向く。

「協力してくださいと言ってるじゃないですか何か答えてくださいよ」

 こちらを向く。手にS4を持っている。

「協力してくれますかタナカさん」

「協力してやるからひとまず落ち着け、な」

 リズの手からS4を離させようとする。しかしどうすればいいのかわからない、なのでなだめる。

「ひとまず銃下ろそうな、それしない限りおちおち相談もできないから」

 なかなか下ろさない。よく見ると引き金に指がかかっている。少しでも慌てさせたり驚かせたら、撃たれる。

「今はこんな事してるよりも、どうすればいいか話し合った方がいいだろう」

 返事はない。

「リズ、どうした」

 近寄るがリズは動かない。リズが後ろに倒れる。

「おい、大丈夫かよ」

 支える。

「……………よかった」

 そう言うとリズは目を閉じた。

「おいリズどうした」

 見よう見まねで脈をとる。ある。手を鼻や口の辺りに近付け呼吸をしてるかどうかの確認。している。それをした後、床に寝せて何か掛けるものがないか探してみる。この部屋にはない。部屋から出て隣の部屋を見る。ない。なさそうなので下に降り、荷物から布のようなものを探すがない。仕方ないので寝袋を持っていき、そのまま掛ける。額に触れ熱の確認。問題なし。最後になってしまったが彼女の持っていた銃を確認する。弾は込められていたのだが安全装置がかかっていた。


 リズのそばにいるのだが、なかなか目を覚まさない。なので離れて狼煙を上げることにした。下に降り暖炉らしきもののそばから薪を集め、外に重ねる。それを何度か繰り返す。十分に集めたところでふと思う。

「どうやって火をつけたらいいんだ」

 暖炉のそばに戻り探す。

「ないな」

 持ってきた荷物も漁るが見つからない。

「まあ火付け石なんかが見つかっても困るんだが」

 もしかしたら、濡らすと不味いのかもしれないものであることも考えられるため、リズの所に戻る。そして思う。

「漁るってどこを」

 漁るとなるとどうすればいいんだろうか、触ってもいいものだろうか、けど触らないと探せないよな、けど寝てる所を男が触ってたってなったらいやがるよな。しかし触らないと見つけられないよな。いやはやどうすれば火をつけるものを。

「あのタナカさん火をつけるものなら下の袋に」

「いや入ってなかったよだから体を………」

「体を」

 今さら気づく今誰と話しているんだ。

「……………なんでもないなんでもない。でもさ入ってなかったよ」

「………そうですか、いえ入れてあったは、いえタナカさんは使えない品でした、申し訳ございません」

「ああそう言うこと、それはそうと落ち着いた」

「はい落ち着きました、重ね重ね申し訳ないです」

「まあ助けたい気持ちもわかるけどひとまずアルフたちと合流してから決めないと、2人じゃ何がなんでも無理だよ」

「ですよね、それでは火をつけましょうか」

 リズに続き下に降りる。下で荷物をあさり1本の杖を取り出す。

「ありましたこれです、それで火をつけるものは」

「外に」

「わかりました」

 外に出る。

「これですね、ではつけます」

 魔術でつけていた。これでは自分ではつけられない。

「では来るまで何か作って食べましょうか」

「それはいいけど材料は」

「畑に何かあるかもしれません」


 畑に行くとそこには青々と植物が繁っていた。

「では少しばかりいただいていきましょう」

「勝手に採っていっていいのか」

「ええ、ここは父が耕していた畑なので」

「そうか」

 適当に掘ったりして採っていく。

「そろそろ大丈夫かと」

「そうか」

「では戻りましょうか」


 リズの家に戻る。

「じゃあ座って待っていてください」

「わかった」

 のんびりと待つ。そのうちにいい匂いが漂ってくる。

「そろそろできますよ 」

「ああわかった」

 食べた食事はスープとチューブであったがあいかわらずおいしかった。

「さすがに疲れたから寝るよ」

「わかりました、お休みなさい」

「おやすみ」

 初めに待たされた所に寝袋を広げ横になると、すぐに眠ってしまった。

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