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第59話 僕が勇者だ

「おいタナカ何があった」

「わからない」

 悲鳴やら銃声が響き渡っている。その声や音がする方に向かい、リズを除いた5人で走る。

「くっそたれ武器を持ってきてくれ早く」

「急げ急げ急げ」

 リズのおじさんが叫んでいた。話しかける。

「魔王に気づかれた、頼む手を貸してくれ」

「はあっ」

「おい冒険者の皆さんが助けてくれるらしい、ひとまずここはしのぐぞ」

「「「「「おーーーー」」」」」


 魔王がいるとされる方へと進んでいく。近くにいる人に話しかける。

「なあ魔王って」

「何そんなことも、まあいいあれだ」

 着いたらしい。指された先を見ると、そこにはS5を改造して片手に持てるようにして、両手に1丁ずつ持った男が1人いた。それをためらいなく連射している。

「なんだよあれ、無理だろ」

 はっきりいってあり得ない、あんなものを軽々と的確に命中させるなんて。と言うか手で持って撃ててる地点でおかしい。

「おいタナカ仕留められるか」

「いや狙ってみるけどさ」

 体を固定させて狙おうとするのだが、魔王が気付き、自分に対して集中砲火をしようとするので即隠れることに。

「無理無理無理無理、魔法じゃ狙えないの」

「今やってみキャァ」

 イリアも集中砲火に狙われ出した。

「ごめん無理そう」

「おいアルフどうする攻められそうにない」

「…………私が行く」

「それ無理だろ」

 鎧なんか12.7mmなんかでは即貫通してしまう。

「…………大丈夫私が故郷を離れるときにもらった特別製あれくらい防げる」

 メリベルが物陰からでる。見ていられず自分も飛び出す。

 銃声。

「……………えっ」

 メリベルに向けて下から体当たり。何かが当たる。気にせず押し倒しぎみに通路を挟んだ反対側の物陰へと滑り込む。

「………ごめん助かった」

「いやいい、そして打つ手なしか」

「………そうかも盾壊れたし」

 盾は欠け割れかけていた。押し倒したときに当たった何かはこれの欠片だったのだろう。

「………鎧着てなかったし本当に危なかった」

「メリベル、タナカ大丈夫」

「ああ大丈夫」

「……………大丈夫ってタナカ」

「何かした」

「……………血が」

「ちょっとくらいなら大丈夫だろ」

 男の様子をうかがう。動きはない。

「打つ手はないな、なあ聞きたいんだが」

「どうしたタナカ」

「ユーリは」

「ちょっと離れて吐いてる、死体見るのはじめてなんだろう」

 男と自分達の間には多数の死体が転がっていることに今気づく。変に慣れてしまったのかあまり気にならなくなっていた。意識すると気持ちは多少悪くなるが。

「もう放って送って言うのは」

「無理だろ出口あそこだけだし」

 通路越しに大きな声で話し合っているが男に動きはないからもう放置しておきたいのだが場所が場所で無理である。

「おいそこにいる者達に告げる」

 男が何か言い出した。

「勇者を引き渡せば今回の件は見逃してやろう、警告はこれ1度きりだ」

「勇者ってだれ」

「タナカお前じゃ……………ないな」

「だよな、なあ今まであんな要求は」

「なかった、あんたたちが来てからだ」

「じゃあ誰が」

「何があったんですが」

 ユーリが青い顔で来る。

「勇者を要求してる」

「…………… 」

 黙る。こいつがたぶん勇者だろう。

「仕方ないか」

 飛び出る。銃を向けられるのと同時に体を横に動かしながらどこからともなく刀を出す。あり得ない早さで近づきS5を刀で破壊する。

「僕が勇者だ」

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