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第53話 そうですね、そうですよね

 異世界転送後26日目、誰かにたたき起こされる。

「おい起きろ」

 いやいやながら目を覚ます。

「何ですかユーリ様」

 ユーリであった。

「話がある」

「断ります」

『ならお前が異世界に来たことばらすぞ』

『やっぱりか、結構ですよそれくらいもう話してますし』

『ちっ、ならこの街で活動できなくしてやろうか』

『わかりました、話なら聞きます。どうぞ』

『まずお前のステータスはなんだ、なにか偽造してないか』

『してません、後せっかくもらった鑑定能力なんだからちゃんと信じてやればいい』

『それくらい気づくか同じだしな、じゃあさらに聞こうあんたこっちに来てからどれくらいたった』

『まだ26日目、そう言うあんたは8年目か見た目8歳くらいだもんな。で実年齢は23~40位』

『くそそこまで検討ついてるのかよ』

『まあ、ある程度は。これからは鑑定するときはなにか呪文作るといいぞ初見では分からなくなる』

『……………まあそれはいい、でだ用件は1つあの4人を譲れ』

 何をいっているんだこいつは。

『理由は』

『この世界に平和をもたらすために魔王でも倒して来ようかと思ってな、であいつらNPCにしてはステータス高いしな』

 見当がついた、こいつはここをゲームだと思っているのだ。それで色々な考えがよぎる。貴族なのに弱いのは、多分高レベルを生かして魔術でそこら辺の雑魚を蹴散らしたのだ。それならばアルフに睨まれたとき怯むだろう。戦っているとわかるのだが、モンスターでも睨んでくるのもいて初めはすごく怖かった。

『ついでにお前も雇ってやろうドラゴン倒した一員だしな』

 しかも警戒心もない。自分のステータスに慢心してなにも持っていないし護衛もいない。自分だって銃に弾を込めてはいないが大抵の時は持ち歩いていたし、ないときでも誰か戦える人と一緒にいた。多分こいつはゲームだからホームであるここは安全とか思っているのだろう。

『金にすると1人につき10000Gでどうだ』

 まだこいつは何か言っている。しかもアルフたちを金で。

『彼らを………………彼らを……………』

『んどうした』

「金で売るわけないだろがこの糞ガキがーーー」

 腰に刺していたソードオブショットガンを抜きガキの押し付ける。その声を聞き付けて外にいた護衛が慌てて剣を抜き入ってくるが、いきなりだったためか遅い。同じ部屋にいたアルフが入ってきた護衛の喉元に剣を。

「動くな、剣を離せ」

 隣の部屋からリズやイリヤ、メリベルが来た。

「タナカさんどうしたんですかこれは」

「いやこのガキがリズ達を奴隷にしないかと脅してきた」

「なっなにを」

「タナカそれ本当」

「ああ、売らないとこの街にいられなくするだってさ」

「………………最低」

 誰かの足音がする。べネットさんだ。

「やはりか…………冒険者の皆さん武器を下ろしてくれないか」


 べネットさんに案内されて食堂にいく。そこには、鳥の丸焼きやらの豪華な食事が。

 席にそれぞれつき食事が始まった。その食事は大変美味しいかった。

「冒険者の皆さん朝は愚息が大変申し訳ない事をした」

「いえ」

「大変申し訳ない」

 深々と頭を下げる。

「もう気にしてないですよ」

「それでさらに依頼したいことがあります」

「何ですか」

「愚息をパーティーに入れて鍛えてやってくれませんか」

 すごい依頼が来た。

「おい人を売ろうとしたやつに背中を任せるなんて無理だ」

 アルフが怒る。

「それはわかっております、それでも依頼したいのです」

「なっふざ」

「アルフさんひとまず落ち着いてください」

 リズがアルフを抑える。

「なぜか聞いても」

「愚息は幼いときから神童と呼ばれ、2歳でちゃんと話ができ3歳で新たな銃弾を開発したりしていたので構ってやれず、他者を見下すようになっていってしまいました」

「あなたがしかってやればいいじゃないですか」

「それが、大変申し訳ないのですが財政が傾き愚息のお陰で建て直したと言う負い目があり」

 あほらしすぎてため息もでない。

「ふざけないでよ、それでも親なの」

 イリヤが大声をあげる。

「どれだけすごくても気味悪くても、子どもを誉め叱り育てていくのが親じゃない。私はエルフの村で生まれたハーフエルフよ」

 自分以外全員が驚く。

「それでも母親はちゃんと私を育ててくれた、それが親ってものじゃないの。ねえ」

「そうですね、そうですよね」

 べネットさんが嗚咽をこぼす。

「私がしっかりとあの子を育てていかないといけないですよね、すみません依頼のことは忘れてください」

「わかりました」

「後今回の依頼料はギルドに渡してあるので受け取ってください」


 そうしてヘイクス邸を後にした。

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