第49話 タナカミツオ様ですか
異世界転送後多分24日目、今から遺跡に潜るために色々と準備をしている。
「ひとまずここに色々おいて行くぞ、この先何が襲ってくるかわかんないしな」
「了解アルフ」
マガジンに弾を込める。上下二連銃やソードオフショットガンの方にも込める。他の3人も装備の点検をしている。準備ができる。
「じゃあいきますか、リズは待っていてくれ」
「ここで待ってもらうのは危なくないかアルフ」
「けど荷物全てとられたら破産だぞ破産」
「わかりましたアルフさん」
「危なくなったら逃げてきてくれ」
と言うわけで3人で入って行く。
「よし押すぞ」
開閉ボタンらしきものを押すと、金属の壁が横にスライドして開いていく。赤いランプと謎の音を出して。
『**************************』
「みんな警戒してくれ」
なにも来ない。先は階段であった。アルフを先頭に降りていく。
「みなさんお気をつけて」
少し降りていくと、これはエスカレーターの様な物であることに気づいた。
「なあこれ」
「タナカ静かに」
静かにする。なにかが近づいてくる。
「ジャイアントラットだ、これくらいならどうにかする」
「撃たなくていいのか」
「ああ、イリヤの魔法も大丈夫だ」
「ええわかったわ」
ジャイアントラットが近づいてくる。アルフが剣を抜く。
見えた、と思った時にはアルフは駆け降りて行った。剣を振る、首を切る。剣を刺す、胴体や頭に刺さる。よく見る機会がなかったので見ると、アルフは一撃必殺を意識して戦っているようであった。
すぐに勝負がついた。アルフに傷ひとつなく7匹ほどのジャイアントラットを倒していた。
「よし進むぞ」
進んでいく。下の方から声がし、明かりが見える。足音を忍ばせ中を覗き込む。
「スライム」「メリベル」
多くの人がおりその中心には、銀色の何かと1人の少女がいた。
「どうしてメリベルがあんな所に」
「いやメリベルって」
「私の仲間よ」
「ああ彼女が、でスライムって言うのは」
「あの真ん中のがスライムだ、くそここはにげるか」
「何でよ、メリベルがあそこにいるのに」
「スライムの攻撃対象になってみろよ、死ぬぞ」
「じゃあ私の仲間は見捨てろって言うの」
「仕方ないだろ」
小声であるがどちらの意見もわかる。自分としても死にたくはないが、目の前でイリヤの仲間が殺されるのは嫌だ。考えているうちに何かの視線を感じた。ふとスライムの方を見る。
「「でタナカどうする(の)」」
「…………………ひとまず助けよう、まずイリヤがスライム以外を魔法で牽制、自分が銃を撃ちながら彼女、メリベルさんを拾って逃げる。でアルフはあたふたしている所に斬り込んでくれ」
「危ないがそれでいいのか、タナカ」
「ああ」
危ないのはわかる、助けられない理由もあるが、イリヤと約束したのだ仲間を探すと、なら目の前にいて見捨てるわけにはいかない。ついでに言えば誰かを守るために銃をまた握ったのだ、ここでメリベルを助けられなければ意味はない。
最後の確認をする。今回は牽制だ、連射出来るようにする。弾も全弾入っているかを再度確認。イリヤに合図を出す。
「メリベル」
イリヤが叫ぶと同時に魔法を放つ。放たれたのを見ると、メリベルに向けて走っていく。適当に弾を放ちながら。
「イリヤ」
メリベルがこちらを向く。S2の弾が切れる。投げ捨てる。メリベルの手を掴む。
「逃げるぞ」
「けど」
なにか言いかけるが、気にせず行こうとする。メリベルが転ぶ、つられて自分も転ぶ。
「足に鎖があって」
起き上がり抱えて逃げようとするが、囲んでいた人の1人と目が合う。杖を向ける。上下二連銃を構え撃つ。外れる。撃つ。外れる。ソードオフショットガンを抜くため、上下二連銃を捨てる。だがそれまでだった。火の玉が飛んでくる。
「タナカ」
誰かの叫び声が聞こえる。諦めて目をつぶる。
何も起きない。目を開く。銀色の何かが目の前にいる。
『タナカミツオ様ですか』
日本語であった。こちらに魔法が飛んでくる。そのたびに盾になるスライム。
『驚異度低、専守防御モードに入ります』
「守ってくれてる」
メリベルさんが呟いている。いつの間にか戦闘は終わっていた。
「タナカ大丈夫か」
アルフが警戒しながら駆け寄ってくる。
『********』
「いやちょ」
少し意識する。
『ちょっと待ってくれ』
『………………わかりました』
「アルフも剣を納めてくれ」
「わかった」
「イリヤも頼む」
「わかったわ」
『で何で日本語話せるのと言うか何』
『』は日本語やら理解不能な言語と言うことでお願いします。




