第48話 スライム
遺跡の中もダンジョンと同じで洞窟だった。
「イリヤこっちでいいのか」
「ええあってるはずよ」
「そうか、タナカ後ろは」
「何も来てない………はず」
4人で列をなして歩いているのだがなにも出てこなくてはっきり言って暇である。一応順番はアルフ、イリヤ、リズ、自分と言う順番である。アルフが前を警戒、イリヤが道案内、リズが松明をもって、自分が後ろを警戒である。アルフが止まり、みんな止まる。
「タナカこの部屋の確認するからこっち来てくれ」
「了解」
「1、2の3で入るぞ」
「気を付けてよ、この部屋私が来たときは確認してない部屋なんだから」
「1、2の3」
部屋に入る。何もない。ただ血の跡らしきものがあるだけだ。少し気分が悪くなるが気にしないことにする。
「何もないな、死体もない」
「もう少し探してみるか」
その部屋には結局何もなかった。
どんどんと進んでいくが何もない。
「タナカさん、少し荷物持ちましょうか」
「いや大丈夫。って休まず歩きっぱなしだよな、アルフ休まないのか」
「まだほとんど歩いてないけどな、まあいいか」
荷物を下ろし休む。
「で自分にはまだダンジョンと遺跡の違いがわからないんだが何が違うんだ」
「もう少し先に進めばわかるわタナカ」
「簡単につまめるものを作ったので食べてください」
「ありがとうリズ」
「あんがと………………でイリヤ後どれくらいなんだ」
「正確なのはわからないわよあのときはモンスターを倒しながら進んでったんだから」
「そうかならいこうか」
荷物を再度持ち移動を再開する。
歩いても歩いても何もでない、強いて言うならしたに降りてるような感じがするだけだ。
「おかしいわね」
「何がおかしいんだイリヤ」
「いえ、私が探索したときはモンスターは解体しただけで、亡骸は処理してないもの」
「他のモンスターに喰われたんじゃないか」
「それなら骨やらの残りかすがあるはずよ、それに血の臭いに引き寄せられてなおかつ運んで巣に運んだなら血が引きずられた後があるはずだし」
「なら血が固まった後で運んだとかは」
「それはあるかもしれないね」
「そこまで気にすることはないんじゃないかな」
そう話すと後は歩き続けるだけの作業は続いた。
「みんなついたぞ」
大分歩いただろうか、時計などがないために時間はわからないがかなり歩いた気がする。
「ここが奥なのか」
そこにはなにもなかった。あるとしたら金属製の壁があるだけである。
「いえその壁の先が遺跡よ」
「壁の先が」
「ええ、古代文明の遺跡だとか色々言われているけどいまだによくわからないわ」
「なるほど」
金属製の壁をよく見る。一部にボタンの様なものがあり上にはなにか書かれている。
『*********』
読めない。が何となくだが分かりそうである。
「なあイリヤこれで開けるのか」
「ええそうよ、よくわかったわね」
「何となくだよなんとなく」
「みなさん食事の準備ができました」
「タナカにイリヤ、今日はここで休んで明日から遺跡に入ろう」
「わかった」
今日の食事は黒パンにスープであった。黒パンはともかくスープはポトフのようなものであった。食事中イリヤからこの遺跡について話される。
「でみんなに言いたいんだけど、あの壁を開くと音が響き渡るから、きっとモンスターが現れるはずよ」
「聞きたいんだがあれはいるのか」
「あれはいなかったわ、あまり探索できなかったから入り口付近だけになっちゃうけど」
「それで………」
リズに耳打ちして聞く。
「なあ、あれってなんだ」
「タナカさんは知らなくて当然ですね、遺跡にたまにいるスライムと言うモンスターがいるのですが」
「スライム」
「ええ、そのスライム剣も効かない、魔法も効かない、銃も効かないので遺跡に関わっているもの全ての驚異となっているらしいのですが、実際に見たことはないです」
「ありがとう、リズ」
「どういたしまして、タナカさん」
「よし後はいつも通り火の番をして寝よう」
後はいつも通り火の番をして寝た。




