第47話 また借金持ちになっていた
「おうタナカ目が覚めたか」
「いやちょっと前に目は覚めてたんだけど」
「ごめん、タナカ」
「あのお水お持ちしましたタナカさん」
「ありがとうリズ、で何日くらい寝てたんだ」
「あーーー2日ぐらいだ、でタナカ新しい問題が」
「何かしたのか」
「金がない」
「…………………………はあ、ドラゴン倒したから金なら大量に」
「いやあれは共同で倒したことになったからほとんど入ってこない。お前が病院で寝てたから」
「寝てたから」
「『怪我してるやつは仕方ないとして、意識失った位で寝てるやつからは金をとらないとな』だそうだ」
「はあ、なんだよそれ」
「でタナカ体動くな」
「無理そうですかタナカさん」
「いや動くけど」
「なら準備はしてある、今すぐ行くぞ借金してるようなもんだこっちは。『一応街を救った英雄だなら待つし利子も発生しないけど早めに返してくれ、じゃないと経営が……………』とこの病院の長もいってたしな」
「いやいや、ダンジョンなんてこのそばにあるのか」
「あるわ、アルフあなた私がタナカ達に出会う理由になった遺跡に潜る気でしょ」
「ああそうだな、何もなくても簡易転送陣がある。あれを取れれば一攫千金だ」
「それは私の仲間の」
「まあ、売らなくても遺跡だ何かあるだろう」
異世界生活22日目、また借金持ちになっていた。
「で借金の額いくらなの」
「5000G」
「………………あれ返せそうな」
「悪い使った武器と飲み代に」
「私もギルドの方に支払いに」
「私は使ってないけど2000Gほどしかないから無理よ、今から遺跡潜るからさらにここから使うし」
「いや大丈夫なんだかんだと買ってきた、行くぞ今すぐに」
「まあ、いいんだけどさ」
西門からの出発である。西門の方は岩が転がっており馬車などは使いづらい。
「タナカ遅いぞ」
「いやいや病み上がりだしなれてないよこんな道」
いつも通り遅れていた。
「タナカさん持ちましょうか」
「いや前回もいったけど大丈夫」
「でも」
「前の2人はモンスター倒しながら進んですからすごいよな」
ゴブリン等が出ているようなのだが、時間もかけずに倒しているようであった。
「はっはっはっ新しい剣の切れ味はいいな、よく切れる。タナカ頑張ろうぜ日が暮れちまう」
アルフは返り血で真っ赤だった。
「タナカ持とうか」
「いやリズにもいってるけど大丈夫だから」
日も傾きかけたときやっとのことで遺跡についた。見た目は横穴だったが。
「なあイリヤここなのか」
「……………ええ」
荷物を下ろしてキャンプの準備をしようとしたが、アルフに止められる。
「タナカちょっと待て、イリヤここの中は広いか」
「ええ、広いわよ」
「じゃあ道具はすべて持ってかないとな」
明日からも荷物をすべてもっての移動が決まったのであった。
「まあ、ひとまずここで飯食べて休んでから明日入りますか」
そしていつも通り食事をとり、火の番をして寝た。




