第44話 あれを倒しますか
「いやいやいや何あれ本当にドラゴン」
「ドラゴンだろうタナカ、子供の時聞かされていたのに似ている」
「だと思うよタナカ、学校で習った通りの姿だし」
「それでどうしますタナカさん皆さん」
どうするそれが一番の問題である。
「と言うか兵士はこう言うときのためにいるんじゃないの」
屋根の上を通り兵舎に向かう、急いではいるがゆっくり丁寧と。ドラゴンはまだ街の上を浮遊しており動きを見せていない。走り続けやっとのことで兵舎にたどり着く。しかしそこは凄まじいことになっていた。
「……………兵士が死んでる」
そこには兵士の死体が転がっていた。それを見たとたん吐き気が襲ってくる。それを必死にこらえる。
「おいタナカ中調べるぞ」
腰にさしていたソードオフショットガンを抜き構える。ドアに張り付きアルフとタイミングをとる。アルフがドアを開けると同時に銃を中に向けながら突入する。そこには誰もいなかった。ただ中も兵士やら犬の死体で一杯であった。
「戦闘用の犬じゃないか、何があったんだこの場所で」
アルフが話しかける。
「タナカとリズは2階を俺とイリヤは1階を調べるぞ」
そう言われて階段を上る、2階は比較的きれいだった。死体は転がってないからか。1つずつ確認していく。そして最後の部屋を確認する。そこには血まみれの少佐さんが。
「大丈夫ですか」
駆け寄ろうとする。
「タナカさん待って」
止められる。リズがS4を構えながら、少佐さんに聞く。
「何を持っていますか、その手に隠し持っているのを捨ててください」
「………………いやはやお嬢さん鼻がいいね」
「獣人なので、あなたがそれでこの被害を」
「ああ戦闘用の犬で倒せなかった兵士をね」
なにかを捨てる。ナイフだ。
「なにあのナイフ」
「毒が塗ってありますタナカさん」
「そこのお嬢さんの言うことが正解さほとんど無臭の毒が塗ってある、この街に獣人は少ないからやれるかと思ったんだがな」
「…………でなぜこの街を」
「復讐だよ、前線でテイマーがどんな扱いを受けているか知っているか」
「知らないし興味ない」
「使い捨ての消耗品だよ、魔王軍から捕まえたモンスターを無理矢理テイムさせたり、無理矢理甦らせて兵士に使ったり、犬何匹かで突入させられたりさ。それでテイマーやネクロマンサーの数が減ったら、罪を適当に擦り付けテイマーやネクロマンサー捕らえて前線に送る、だから教団いや我々は我々の自由を得るために国を作るのだ」
「ってこんな所に国作ってもすぐに敵が来ないか」
「前線のやつらは、補給を止めれば乾上がる、魔王軍は協力体制を結べばいい、実際にそういった村もあるようだしな。ここならば、無血開放すれば向こうの出血も押さえられいい条約を結べるだろうな」
「でなんのために自分達にこんな話を」
「お礼だよ、この街に少佐として入り込むためには誰か無関係の証人が欲しかった、しかも事件に巻き込まれる形が1番いい、こいつらに信用を持たせられるしな。しかも多くの兵士を外へ出すことができた、後はこのドラゴンでだめ押しをするだけだ」
ドラゴンが自分達と少佐の間に降りる。
「ではな、見逃すのはこの1回だけだ」
ドラゴンが去っていく。少佐はそれに乗っていったのか居なくなっていた。建物が崩れそうなので慌てて外に出た。
「おいタナカなんだあのドラゴン」
「いやあの少佐が」
街中に声が響き渡る。少佐の声だ。なにか自由がどうとか言っているようである。
「少佐が敵だった」
「なるほどな、兵士は」
「前線に輸送物資を送るために大半がいない、教団が襲うことを信じてるから仕方ない」
「なるほどな、俺たちは利用されただけか」
「でこれからとうする」
「いやどうするもなにも、倒すよあれをスラムにはあいつらいるし」
「私もまだここに仲間が探しに来るかもしれないし」
「私はタナカさんのいいように」
「自分は……………」
少し悩む、がすぐに答えが出る。
「あれを倒しますか、この街には知り合いいるしスラムには家あるし」
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