第36話 つきましたよ皆さん
異世界転送後12日目、移動2日目残り火で朝食を作っていたらしく、昨日と同じメニューであったが美味しくいただき、移動を再開した。
今日も今日とて似たような風景、狭い乗り場、流石に飽きてきた。
「なあ飽きてこないか」
「なんだタナカもう飽きたのか、なら向こうだともっと飽きると思うぞ」
「何で」
「何も無い村で何も無い風景に向かって永遠と警戒し続けるって言うお仕事だしな」
「………………すごく暇そうだな」
「兵士とかなら交代要員多いし楽なんだろうけど俺たち4人しかいないからな」
「…………………………なんじゃそりゃ」
「だから2人1組4交代かな」
「午前6時間午後6時間の仕事だな」
「まあそうだろうけど、めんどくさいし適当にやろうぜタナカ」
「それでいいのか」
「大丈夫大丈夫なんにも来ねえよ、日にち決まってないし、今まで来なかったんだろ」
「大丈夫なのかな」
「まあ向こうもそう期待してないだろ、期待してるならどんなに変な状況でもギルドに依頼書出すからな」
「なるほど」
「ああ俺が見た1番変な依頼は、ドラゴンの捕獲だな」
「はあ、ドラゴンなんているのか」
「タナカの世界にはいないのか」
「いないな、けどまあ伝説上の生き物扱いだな」
「そうか、ドラゴンの説明しとくか」
「それなら私に任せなさい」
「イリヤどういう生き物なの」
「人が倒せる火を吐き飛ぶ生き物ね、そのウロコは剣や魔法を弾くから、異常な冒険者か大軍で倒すしかないって習ったわね」
「なるほど、倒すとなんか呼ばれ方変わったりするの『ドラゴンキラー』とかって」
「それはないわね、その冒険者が倒したか確認する手段がないもの」
「そう呼んで欲しいのですかタナカさん」
「いやいやリズ、向こうの世界ではドラゴン倒すと『ドラゴンキラー』とかの称号手に入れるみたいな設定が多いからさ」
「なるほどな、ドラゴン倒したら俺もその称号で呼ばさせるようにしとくかな」
「ドラゴンキラーアルフってか」
「なんかかっこよくないか」
「ないな」「ないですね」「ない」
「そうか」
その後少し行くと、野営の時間になった為に野営地を作り食事し、火の番をして寝た。今回は手伝った、多少は。
異世界転送後13日目、移動3日目も残り火で食事を作り、野営地を撤去し移動を再開した。
今日も今日とて似たような風景。
「……………………する事ないな」
「そう言えば、タナカは元の世界で暇なとき何してたの」
「こういう時は、携帯使ってゲームとか」
「ケイタイ何それ」
「携帯って言うのは、携帯電話って言って遠くの人と話をしたり、手紙送ったり、遊んだりする道具かな」
「何それ、便利そうじゃない」
「便利だよ、他にも馬のいらない馬車とか食べ物を冷やしておける箱とか」
「へぇ便利そうじゃない、作れないの」
そう言われるが、物は分かるし形なんかはすぐ出る。しかし仕組みが分からない。
「ごめん、作れない」
「そうなの」
「そう言えば、100年前の勇者って何か残したの」
「習ったのは銃と魔法式水洗トイレだね、どこからともかく出したから、多くの人が解体して研究して、量産できるようにしたそうよ」
「そうなのか」
「タナカも異世界から来たんでしょ何かそういったことできないの」
「出来ないな」
「そうなの」
「出来ればいいのかもしれないけど送った人にも考えがあるみたいで」
「そうなんだ」
その後野営時間になり、野営地を作り食事し火の番をして寝た。今回は大分手伝えた。
異世界転送後14日目、移動4日目もこれまで通り食事をして移動。
「ひっ暇だ」
「流石にな」
「ではタナカさん暇ならなにかお話しましょうか」
「ぜひ頼むよ」
「では、一昨日ドラゴンの話をしていたようなのでそれに関した話を。大きな街には移動陣がありますよね」
「あああるね」
初日にこの世界に転送された時に見たあの場所である
「あの移動陣の魔力はどうやって供給してるか知ってますか」
「いや分からない」
「それは地下にテイマーがドラゴンを入れて供給しているらしいですよ」
「そうなのか」
「リズまだその話を信じてるのかよ」
「どういう事でしょうアルフさん」
「あれは街の子供を寝かすために作った空想『夜早く寝ないとドラゴンが襲ってくるぞ』みたいな感じ」
「そうなのですか」
「そうそう、そう言えばタナカもそういった面白い話ないの」
「あることはあるけどわかりづらいからちょっと変えて『お菓子が怖い』」
ただの饅頭怖いの饅頭をお菓子に変えたバージョンである。
そんな感じで時間を潰しているといつの間にか時間になり、野営地を作り食事し火の番をして寝た。
異世界転送後15日目、移動5日目。いつも通りの行動をして移動再開。
「ひっ暇だ」
「だな」
「予定では今日つくよな」
「着くはず」
と言う話を延々としていたらいつの間にか時間たっており。
「つきましたよ皆さん、これからおねがいします」




