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第32話 動くな黙ってついて来い

 異世界転送後10日目は、徹夜明けから始まる。

「眠みー」

「おうタナカ昨日は遅くまで起きてたんだが何こそこそやってたんだ」

「アルフおはよう、いやねこれ作ってて」

そう言って昨日作った、革製品を見せる。

「何だこれ…………カバンか」

「似てるようだけど違う、これはマガジンポーチと弾のホルダー、ホルスターを合わせたオリジナルの品。リズに協力して作ってもらった」

 革製品で作ったのはオリジナルのマガジンポーチである。見た目は肩掛け式バッグであり箱状のマガジンポーチに斜めがけ出来るだけ長い紐と腰に巻ける用に紐を通せるような物にし、ポーチの部分が左に来るようにした時、前面に予備の弾用に加工し、後面に下をすぼめた筒を付けた物である。

「すごく便利そうだなこれ」

「便利なんだけどこれつけてS2を縦にして背負うと大分重いし肩に紐が食い込むしまだまだ改良できそうなんだよね」

「なるほどな、これ真似たの作ってもいいか」

「いやいいんだが、お前銃使わないだろ」

「いや、何と言うか…………」

 アルフが何かを思いつめている。そして何かを決意すると話を始める。

「…………ここのさ環境悪いだろ、しかも貧乏ぞろいだ。だからジャイアントラッドが住み着きやすいんだ」

「……………うん、でこの話関係あるのか」

「ソロだった俺はほかの冒険者みたくダンジョンに潜る勇気がなくてちょくちょくスラム街から依頼を受けてたんだ」

「それで」

「それであいつらに会った、あいつらはあの時はスリや物乞いでしかなかった。が何度も何度も会う度になんとかしてやりたいと思うようになって、武器の使い方や敵の追い詰め方を教えていった」

「……………」

「そいつらも少しずつ戦えるようになっていつの間にか少年少女自衛団を名乗っていった、けどそうできたのは彼らだけだ、まだまだここには職につけずにスリや物乞いにしかなれないのがいる。だからさスラム街から何か新しいものを作り出していければそいつらもそんな生活送らなくて良くなるんじゃないかって思ってさ」

「けどさそれって」

「ああ分かってる身勝手な親切の押しつけだって、だからこそ、分かってるからこそ無理やりに押し付けられるほどの何かが欲しい。だからタナカそのカバンの作り方を」

「……………リズに聞いてくれ」

「サンキュータナカ」

 アルフは部屋から出て隣の部屋へ。壁が薄いから声が聞こえる。

「リズ話を」

「勝手に部屋に」

「えっ、イリヤさん着替えの」

「は い る なーーー」

 爆発音が響く。家が揺れる。

「……………………………耳栓買ってくるの忘れた」


 耳栓と合鍵を買ったり貰ったりするために1人で商店が多い通りを歩く。なんだかんだと来ているところだが1人で来るのは1日目にちょっと通っただけで、品物をじっくり眺めながらに歩くのは初だったりするためにかなり新鮮である。

 鍵を受け取った後、表通りを通ったり裏通りに入ってみたりしながら耳栓を探していた。

 なかなか良さそうなのが見つからず彷徨いていると2人の男に絡まれている女性が、それを確認すると振り返り立ち去ろうとした。

「おいおい兄ちゃん、どこ行こうとしてるんだ」

「なんだなんだその背負ってるのはおもちゃか」

「何だいい大人が冒険者ごっこか」

「はっはっはっ何だそれ笑えるんですけど」

「…………………………見なかったことにするのでのでどうぞ続けてください」

 振り向くってそう言うと、駆け寄ってくる脅されてたっぽい女性がナイフを構えて近づいてくる光景が。とっさに回避しようとするが向こうの方が早い。ナイフを首に突き付けられる。

「動くな黙ってついて来い」

「はい」

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