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第28話 ケルベロスかよ

「撃てーーー撃て撃て撃て」

 自分の叫び声の後に始まった戦いであるが、一方的な展開を見せた。敵の出現地点から出て来るのは、ジャイアントラッドやら人骨のようなものが剣を持ったものやらが出てくるのだが、蜂の巣やら消滅やらしておりこちらに攻撃が届くことがなさそうであった。

「あのタナカ様そんなこと言わずとも皆さん撃ち続けてますよ、弾も自警団の人が走り回って届けているみたいですので切れそうにありませんし」

「そうだけど何となく叫びたかったんだよ」

「そう言えばどうしてこの場所にも多数の弾が届いているのでしょうか」

「この大音量だから誰がどれだけ撃ったか分かんないんじゃないか」

 撃つ前はどれだけ撃つことになるかわからず、大量に運んでくるように頼んでいたのだか、撃ったのは始まりの単射での1発のみであり、後は他の皆さんが撃っている銃、主にS5とS1のおかげで一方的な戦いになっているようなのだ。


「いやもうなんだか一方的だなタナカ」

「何やってんだアルフ」

「流石に暇になってこっちに来てみたんだがタナカも暇そうだな」

「暇だけど耳が聞こえなくなりそうだ、この戦いが終わったら耳栓を買いに行きたい」

「それが良さそうだけど、ダンジョンとか潜るとき邪魔にならないか」

「何と言うか大きな音だけ聴こえ」

「タナカ様あれ見てください」

「えっリズ何かした」

 リズに言われて外を見る。そこにはジャイアントラッドでも人骨が剣などを持っているものでもなく、3つの首を持った一軒家サイズの犬がいた。

「犬、と言うかあれケルベロスかよ」

「タナカよく知ってるな、タナカの世界にもいたのか」

「空想の世界にはいたけど、実際対面するのは初めてだな、アルフは」

「俺は噂できいたぐらいだな」

「じゃあリズは」

「私も噂ぐらいですねタナカ様」

「俺が切りかかるから援護よろしくタナカ」

「…………はぁいやなんか逃げるの普通じゃないか周りも逃げ出したみたいだし」

 今更気付いたのだが、銃声が何1つ聞こえていなかった。

「よしタナカは適当に撃ってこっちを支援してくれ、でリズはイリヤさんを呼んできてくれ」

「ですが私はタナカ様などをおいて逃げるわけには」

「それはわかるような気がするんだが最大火力持ってるのが彼女なんだよね、で今戦えるのはオレとタナカだけだ」

「……………ですが」

「いやひとまず待と、なんで自分まで戦うことになってるのねぇ」

「いや何でって言うか火薬の匂いでどうにかこうにか誤魔化せていたみたいだけど、もう気付かれたみたいだから逃げられないと言うか」

「はぁ」

 外を伺うと、ケルベロスと目が合った。

「ヴオーーーーーーーン」

「うぎゃーーーーーーーー」

「タナカ戦闘開始だ、リズが彼女呼んでくるまでどうにか耐えるぞ」

「……………………すぐにでも呼んできますご武運を」

 リズが走っていく。

「いやこの騒ぎなら気付くよねイリヤも、ってこっち来たーーー」

 ケルベロスがこちらに迫る。それに気付くと即座に逃げ出したのだがアルフは剣を構えている。しかし声をかける暇はなくその場を離れ振り返ると、アルフとケルベロスが戦っていた。

「マンガかよ、クソこんな豆鉄砲効くのかよ」

 他のまだ壊れていない建物に入り込みセレクターを単射に合わせ、銃を構え、頬をつけて狙いを定めて引き金を引く、引く、引く。反動で銃が上に跳ねるが無理やり押さえ込み、更に引く、引く、引く。全弾ケルベロス当たるが特に痛がる様子はなく、ただこちらに気付き振り向くだけであった。

「タナカナイスだ、その調子で支援してくれ」

 振り向いた隙をつき、アルフが斬りかかり、ケルベロスがそちらを向く。更に支援するために引き金を引く。が弾は出て来ない。

「ちくしょうジャムった」

 S2を投げ捨てる。一応と持って来ていた、元折単身銃を構え撃つ。当たるとケルベロス少し痛がるくらいで、こちらを振り向かない。次弾を装填するためにポケットに手を入れるが、弾がない。反対のポケットにもなく付近にも落ちていない。落ちてる銃を探すがさっき捨てたばかりのジャムったS2のみだ。外に出て探し始めるとその隣の建物から銃身が出ている。その建物に飛び込みその銃S5を構える。引き金を引く。爆音と共に弾丸が放たれるが反動もひどくちゃんと狙えたのは最初の1、2発だ。ケルベロスがこちらを向き突っ込んで来る。速すぎたから体が逃げ出そうとしない。そして死を覚悟した時、上から光が降って来て爆発した。

「はぁ」

 そして気を失った。

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