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第25話 ありがと、ありがとうございます

 イリヤが真剣な顔をして聞く

「私の顔見た途端きれいだなんて言ったのはなんで」

「………いや普通に綺麗だったからだけど」

「私の顔が綺麗なわけ無いじゃん、左側爛れてるんだよ、ねえ本当の事言ってよ」

 泣きながら彼女が叫ぶ。

「遺跡でモンスターに襲われて、怖くなって仲間見捨てて逃げてきたのよ私は、綺麗なわけ無いじゃん。本当のこと言いなさいよ」

「…………いや仲間見捨てたってモンスターに襲われたら仕方ないよ、それに仲間だって逃げてるさ。後綺麗なのは本当だよ」

「そんなわけ無い私は…………私は……………」

「泣きたい時は泣いてもいいと思うよ」

 彼女は自分に顔を押し付け、大きな声をあげ泣き始める。

「ごめんねみんな…………………ごめんね……………」


 かれこれ十数分泣いていただろうか。

「ごめんいきなり泣き出したり服を汚したりしちゃって」

「ああ大丈夫大丈夫予備が……………って預けっぱなしだ明日取りにいかないとな」

「ごめんタナカ」

「聞き方は悪いかもしれないけど、お詫びするのなら代わりに替わりにちょっと聞きたいんだけどいいかな」

「いいけど何」

「どうしてここに逃げ延びれたのかなって思って」

「どうしてって当たり前、ってタナカはほかの世界から来たんだったか。それは学校とか魔法ギルドが売ってる持ち運び式帰還陣のおかげね」

「持ち運び式帰還陣って」

「詳しい説明は難しいから置いとくとしてその陣があると大きな街にある移動陣に戻れるって物ね」

「何だそれそれなら安全じゃん」

「それがこれ高いし、1人ずつしか使えないし、安定するまで時間かかるし、連続使用することはできないの」

「全部説明してくれないか」

「高いのは値段ね本体が、2万Gからで1回の移動に必要な魔力を込めた石が1万Gするからね。しかもどっちも使い捨て」

「使い捨てって……………ああ全員使ったら最後にそれ持ち帰る人がいないからか」

「そうねタナカ、で安定するっていうのは陣は布に書かれてるんだけどその場においてから数時間置いとかないと、どこの陣に飛ばされるか分からないの、それが街の移動陣ならいいけどもし他のダンジョンなんかで捨てられた陣に飛ばされたら意味ないからね」

「なるほどな」

「最後の連続使用不可も似たような理由ね、だから私の仲間も」

「……………ごめんイリヤ」

「……………大丈夫…………タナカと話せて少し落ち着いたありがと、先に休むねタナカ」

「ああおやすみ」

 彼女は自警団が用意した寝床に向かうために早足で出て行こうとした。がドアから出る前に振り向く。

「…………………ねぇタナカもし私が……………………………なんでもないおやすみなさいタナカ」

 彼女が出ていった。それを見送り荷物をまとめ外に出る。

「服汚れたから洗いたいけど替えないし、まぁ少しくらい大丈夫か。と言うか服作ってもらうんだけどどれくらいかかるのかな」

「簡単な物なら数時間で作れますよタナカ様」

「うおっ」

「すいませんタナカ様」

「大丈夫大丈夫、と言うかリズのほうが大丈夫なのか」

「はい大丈夫ですタナカ様」

「そうかなら良かったよ」

「あのタナカ様聞いていただきことがあるのですがよろしいですか」

「まあいいけど何」

「あのいつかでいいので私が育った村に行きたいのですが連れて行ってくれませんか」

「それくらいならいいけどどこら辺、って地名聞いてもわからないか、どれくらい時間かかるの。と言うかアルフとも相談しないとためかもしれないけど、話せばわかってくれるよな」

「それが前線のさらに先、今は魔王領と呼ばれる地区なのです」

「……………………逃げてから奴隷に」

「いえ奴隷になってから魔王領になったのですが、見に行く手段がなく、また逃げ出せた人も少なかったとの噂しか聞けなかったので、勇者様であるタナカ様のお力が借りられたらと思っていたのですが」

「そうだったのか、ごめん」

「そうですよねタナカ様」

「けどさ、今すぐは行けないけどいつか連れてくよ」

「………………………ありがとうございますタナカ様、先に戻ってます」

 そう言うとリズは去ろうとした。

「ちょっと待ってくれリズ」

「なんでしょうタナカ様」

「寝床ってどこ」

「……………案内します」

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