第24話 自分はこの世界の人じゃない
ひとまずリズに包帯を巻かせた。終わると同時に話しかけてくる。
「それで本当にタナカ様が勇者様なのですか、本当の本当に」
「いやそれはだな」
「つまり、アルフ様は勇者様のお仲間様……………大変失礼なことはありませんでしたでしょうか」
「いやないし少し待って」
「ああけどあのダンジョンに潜られた時一緒に付いていきこの身を盾がわりにした方が良かったのでは」
「タナカまだ終わらないのか、自警団の奴らもあきてきてるんだが」
「あなた勇者なの、なら」
「はぁタナカお前勇者なのかそれならそうと言ってくれよ」
「って事は俺達勇者捕らえたのかやったぜ」
「ひとまず静かにしろ!!」
大声で叫んだおかげか全員が静かになる。
「説明してやるが先に武器と金は返せ」
「…………………はい」
武器と金は返させ、中身も確認するが減っている様子はない。そして、自警団に囲まれ話をしていたところで自分が何者であるかを説明する。
「まず、落ち着いて聞いて欲しいのは自分はこの世界の人じゃない」
「ということは勇者様なのですかタナカ様」
「けどまあ、自分をここに連れてきた自称女神は村人としてタナカを送るとか言ってたから多分勇者じゃない」
「でその女神さまはなんとおっしゃられたのですかタナカ様」
「確か、魔王なんてどうでもいいから生き抜けみたいな事だな、でなんでそんなに気にしてるんだ」
「いえ…なんでもありません……………あの先に休ませてもらっても」
「別にいいけど休めるところなんて」
「それぐらいは任せろ、おい案内してやれ」
「はいわかったよアルフの兄ちゃん」
「あれアルフお前兄弟なんかいたのか」
「いないよ、まあなんやかんやあってあんな呼ばれ方に」
「なんやかんやの部分がすごく気になるのだが」
「ああそれはな」
「ちょっとその前にタナカの話が気になるんだけど、でなんで生き抜きなさいなんて言われたか聞いてないの」
「それもそうだなここはイリヤさんが正しい、でなんでそんな事言われたんだ」
「いやそれが何と言うか、この世界に来る勇者に対して力を与えすぎなのではないか、みたいな話があってどれくらいの力を与えるかの基準として、自分が送り込まれたみたいだな」
「そうなの、けどなんとなくわかるような前にこの世界に来た勇者様もすごい力を持っていたみたいだし」
「前の勇者ってどんな感じなんだ」
「確か100年前に来た勇者ササキはたった1人で100万のモンスターを全滅させたや、その時は下火になっていた銃の地位を『機関銃』と呼ばれているもので押し上げたりしたけどその後行われたパーティー以降何かした記録がないから、暗殺されたのではないかと言われてるわね」
「へぇー詳しいんだなどこかで習うの」
「ええ魔法・魔術学校で」
「なるほど、で今来てる勇者はいるの」
「いるらしいんだけど何も国からのおふれはないね、というか本当に来てるの」
「いや来てるみたいだぞ、2ヵ月くらい前に腕のいい冒険者招集してたから勇者のパーティー集めでもしてたんだろ」
「なるほどな、さらに聞くとして女神に銃は廃れてきてるって言う話を聞いたんだが、武器屋に多くの銃あったよねなんでかわかる」
「ああそれはね、5年くらい前に魔術の影響を受けにくい銃弾がどこからともなく出回り始めて、今銃の地位が上がり始めてるみたいなのね」
「そうなのか」
ふと外を見るともう暗くなっていた。
「なあタナカもう暗いから寝ようぜ寝る所は自警団の奴らに準備させたし」
「そうだな」
そうして外に出ようとするが、イリヤに掴まれる。
「ねぇタナカ聞きたいことがあるけどいいかな」




