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第22話 ああ貴族じゃないね

 クロスボウを多くの人から向けられ、目の前のガキもこちらにクロスボウを向けている。

「もう一回言わないとダメか、一緒に来てくれないか」

 その言葉を聞くとリズが腰につけていたナイフを抜きながら話しかけてくる。

「タナカ様どうしますか」

「いや、これ無理でしょ、自分武器ないし」

「えっけど背負われてる銃が」

「いや弾込められてないし」

 リズに対しても言ったが背負ってる銃には弾が込められていない。なぜならおもちゃの銃を撃ち合う、サバイバルゲームの規則を守っているためである。

 サバイバルゲームの規則としてはフィールド以外では銃の中に弾を入れておかないことと言う物がある。これはみんなが無防備なりやすい休憩室などで暴発が起こった場合、怪我する可能性がかなり高まるからだ。その規則をここに来て銃を持ってから守っており、街中では弾を抜いているためだ。

「そうですか、私もナイフが得意な訳じゃないので目の前の少年を倒すことしかできそうもありません、なのでその好きに逃げていただければ」

「いやいや、倒すとか倒さないとかの話より今は投降しないひとまず逃げられないでしょこの状況」

「タナカ様がそういうのであれば」

 そう言うとリズは持っていたナイフを捨てる。

「こちらは投降するからそっちも武器下ろしてくれないか」

「初めっからそうしてればいいんだ、オラついて来い。そして武器なんかおろしたら逃げそうだから却下だ」

 そう言って武器を向けられながらスラム街をどんどん進んでいく。スラム街は、何と言うかボロ屋が多くあり痩せている人が多く、なんとなくであるが小説とかと似たような雰囲気でであった。

「でどこまで連れていく気だ」

「喋るな、黙ってついて来い」

 そして黙々と歩き続け1件のボロ屋の前に辿り着く。外から見ても周りの建物と比較しようがなく、何と言うか普通のボロい1軒屋であった。

「武器を渡して、さっさっとこの中には入れ」

「わかりましたよ、入りますよ入ればいいんでしょ」

 武器を渡した後中に入ったが、中は真っ暗であった。

「だっだれ」

 中には先客がいたようだった。

「いや誰って言われても捕まっちゃった人」

「とその奴隷ですが何か」

「そうなの、あなたも捕まったの」

「あなたもって君も」

「そう私も、パーティーが遺跡に潜ってモンスターに襲われて、命からがら逃げ出して疲れきって倒れ込んだらいつの間にかここに。あなた達は」

「サイフすられて、追い掛けてたら捕まった」

「私もタナカ様と同じですね」

「タナカ様ってあなた貴族なの」

「………………いやただの冒険者」

「そうなのえっともう1人の奴隷の方の」

「リズですね、そして本当に冒険者ですね」

「じゃあなんで様付なんかされてるの」

「そのようにお願いしたのでそのように」

「本当に」

「その前に名前を聞いておきたかったんだが、まあその通りで様付の方がいいらしいから結局そのままに」

「そうなの、後私はイリヤよ、よろしく」

「よろしくイリヤ、自分はタナカだ。で一応聞いておきたいんだがこの後どうなるんだ」

「さあ知らない貴族だと思われてるなら本名聞かれて身代金交渉に移るんじゃない」

「誰も知ってる貴族いないよ、冒険者の場合は」

「奴隷として奴隷商人に売られるんじゃないの、でそのままどこかの貴族の慰みものに」

「………………えっ」

「男のあんたはそういった趣味の貴族に売られるか、鉱山に放り込まれて強制労働かもしれないね。と言うかあなたの奴隷に聞いた方が早いんじゃない」

「……………いやリズに聞いたらそんな話はしてないし、奴隷にする時ってどうなってるのリズ」

「私の場合ですが、借金を返すために身を売ったのですが形としては私にお金を渡した後私の手から借金した所にお金が渡った形になるので私自身を担保にお金を借りた形になりますね。後もしそういった問題行為が明らかになると貴族でも訴えられて信用が地に落ちますますね」

「だそうなんだが」

「私が聞いてる奴隷と違う私が聞いたのは」

 外から声がかかる。

「おい男以外壁に手をついておけ」

 ドアが開き、さっきのガキがこちらにクロスボウを向けている。

「男出て来い」

「分かりましたよ、全く入ったり出たり忙しいな」

「無駄口をたたくな、黙れ」

 そうして連れてこられてのはまた違うボロ屋だ。

「中には入れ」

 中には椅子が1脚と後同じようにクロスボウを持った少年が2人だけであった。

「座れ」

「はいはい」

「黙って座れ」

 椅子に座る。中にいた2人の少年が、こちらに武器を向けており後ろから来たガキが話しかける。

「であんたはどこの貴族なんだ」

「いやそのな何と言うか」

「早く答えろ」

「貴族じゃないんだが」

「…………………はぁ何を言ってるあんな所にいたのに貴族じゃないというのか」

 少年が詰め寄ってくる。ここで何らかの力があれば反撃できるかもしれないが生憎と(チート)はない。

「ああ貴族じゃないね」

「こいつ」

 少年が殴りかかる、が寸前で止まる。

「ここまでやっても正直に言わないか」

 考えてみるがここで適当な貴族の名前を言って外れても殴られる、当ててしまうとこいつらが身代金交渉をするも関係ない赤の他人であるため、自分も貴族に目をつけられる危険性がある。という訳で正直に言って殴られよう、奴隷の問題はその時考えようと思い口を開く。

「いや本当にぼ」

 ドアが開く。

「何やってるんだお前らそのひ…………………タナカ何やってんだ」

「お前こそ何やってるんだアルフ」

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