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第20話 盗まれてる

 異世界転送6日目の朝を迎えた。今回は宿の部屋に1人である。いつもの服に着替えながらふと思う。

「あれ、自分常に同じ服着てないか」

 今日はせめて服を買いに行くことを誓いながら一回の食堂まで降りていった。


「おはよう」

「おはようございますタナカ様」

「リズだけか、アルフは」

「アルフ様はまだお休みのようですよ」

「そうかじゃあ朝飯でも食べながら待ちますか」

 朝食はトースト2枚に何かの卵で作った目玉焼き、コーヒーのようなものである。

「そうだ、リズ服買いに行きたいんだけど一緒に買いに行かないか」

「服ですか、布と針、糸を買っていただけたなら私が作りますが」

「服作れるの、じゃあそれだけ買いに行こう」

そんな話をしている内にアルフが降りてきた。

「イテテテ、お前らあれだけ飲んでよく普通にしてられるな」

「そうか、5、6杯飲んだだけなんだが」

「私は1、2杯ぐらいですね」

「リズはともかくタナカはおかしいあれ一応かなり強い酒なんだがな」

「まあ飲んだ量的にはお前には負けるよ」

「飲んだ量なんて、3、4杯じゃないの」

「いえアルフ様が飲んだのは15杯ほどです」

「…………そうなのか」

「そうですね」

「そうだな、最後の方なんか水を飲むかのごとく飲んでたし」

「それで頭が痛いのかよ、痛いからもう一度寝なおす」

「その前に今回のダンジョン攻略の報酬だけど昨日宝石換金しといたから640Gあるわけだから、俺とタナカは220G、リズは200Gでいいか」

「自分は構わないぞ」

「私もいいですよ、それでアルフ様ちょっと来て欲しいところが」

「そうかなら良かった、それとリズ俺あそこ苦手だから行きたくない、タナカに付いてやってくれ。それじゃあおやすみ」

そう言うとアルフはふらつきながら2階の方へと戻っていった。

「じゃあアルフさんもあのように行ってましたしタナカ様奴隷ギルドに行きましょう」

「いいけど、アルフがさん付けになってるんだが」

「本当は元のままでいいのですが一応主人ではないので様付は誤っていると思いまして」

「そうか、そのついでに自分の事も様付やめてくれないか」

「すいません奴隷には1人でも主人が必要なのでできません」

「えっとなに、奴隷には主人を様付する規則でもあるの」

「ありますね」

「あるのか、仕方ないな。ひとまず布と針、糸を買いに行ってギルドに行くでいいか」

「はいそれでよろしいかと」

「じゃあ行きますか」


 まず初めに訪れたのは生活雑貨を売るお店である。そこでリズが布と針、糸を適量買い込んでいたのだが、適量がわからないためにあの一抱えする量が多いのか少ないのか分からない。自分がしていたことは、リズに好きな色を伝えることと店の商品を眺めることだけであった。

「なあそれだけの量でどれだけ作れるんだ」

「6、7着位ですかね、お金の方は自分が」

「いやいや半分自分のだし作ってもらうわけだから出すよ」

 値段としては50Gであり半分の額の25Gを払っておいた。


 その足で服屋ものぞいたのだが1着100Gと高価であることがわかっただけであった。


 そして奴隷ギルドへと向かった。

「しかしアルフがここを嫌うのはなんとなくわかるな」

「そうですか、私は特に何も思いませんが」

「いやなんとなく敷居が高すぎるし、視線が怖いし」

「そうですかあっ順番が来たみたいですね」

 受付にいたのは前回と同じ人であった。

「本日の御用はなんでしょうか」

「えっとですね」

「はいアルフさんが主にならなくても良いとのことで書き換えに」

「はいわかりました、それではそれぞれ指輪を出していただけますか」

「「はい」」


 指輪を渡し少しすると。

「はい終わりました、またの御利用を」


 外に出る。外はまだ日が高くにあり、時間はわからないがまだお昼ぐらいであることが考えられたので。

「リズなにか食べに行かないか」

「いいですよ、何をいただきましょうか」

「そうだな、何か」

何かがぶつかる。

「いてっ」

「ごめん」

 そこにいたのは子供だったが、謝るとすぐに去っていった。

「前向いてないから仕方ないか、で何か食べるのはいいけどお財布と相談だな」

「そうですね、高いものは食べられないですしね」

「ああけど少しは食べてみたいんだけどな」

 と言って財布替わりにしている小袋を取り出すためにポケットに手を入れる。が空を切るばかり、反対の方も入れてみるがこっちには、一応持ってきている弾が数発ばかり。

「ぬ、盗まれてる」

「本当ですかタナカ様」

「あのガキか追いかける」

「ついていきます」

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