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第11話 ってまた待つのかよ!!

 異世界へと転送されて3日目の朝は、二日酔いから始まった。

「あっ頭の頭痛が痛い………イテテテ」

「おはようございますタナカ様、酔い覚まし用のお水でございます」

「ああありがと…………ってうぉい」

「どうかされましたかタナカ様。後どうでもよろしいことかもしれませんが『頭の頭痛が痛い』だと頭と頭痛、頭痛と痛いの意味が同じになっており大変おかしな文章になると思うのですが」

「いいんだよそれだけ痛いという事を言いたかったしほぼ独り言だったし」

「そうでございましたか、大変差し出がましい事を申してしまい申し訳ありませんでした」

「いやそれは別にいいんだけどなんでこの部屋にいるの」

「いえ昨夜お酒を大量に飲まれたアルフ様がお眠りになってしまったのを、タナカ様が見捨てまして、ふらつきながら歩くタナカ様を支えつつこちらの宿に到着しました」

「そうなのかアルフ拾いに行かないとな」

「そしてこの宿で部屋で休もうとした時に満室で私が取れる部屋がなく外で寝ると言った時にタナカ様『別に一緒の部屋でいいんじゃない』と申されましたので同室にて休ませていただきました」

「…………何やってんだよ自分。でその後は」

「で今に至るのですが何か問題でもあったでしょうか」

「いやないんだけどさ、で今日の予定とか何かあるのか」

「はい私事で申し訳ございませんが奴隷ギルドに行かなければならないのですよろしいですが」

「奴隷ギルドか一緒に行くか、どうせアルフもいないからモンスター狩りに1人で行く気もおきないし」

「よろしいのですか」

「ああいいよいいよどうせこっちに来たのは3日目だから何できるかわかんないし」

「そうでしたかではご一緒に行きましょうタナカ様」

「ああけどその前に宿追加でとっておかないと」

 そう言って更に追加一泊と彼女の部屋で合計30Gを払い宿屋を後にした。


「で歩いていくのはいいんだけど道間違えてないか」

「いえ合ってますよ。ああタナカ様はこの街に来て3日目でしたね元いた街はもっと豪華な所にあって勘違いされてるんですね。けどこの街の奴隷ギルドはこちらにあります」

「いや奴隷ギルドだからもっとスラム街ぽい所にあるものかと」

「いえそちらにあるのは国の認可を受けてない奴隷商の集まりですね。タナカ様は奴隷ギルドに行くのは初めてで」

「ああいや前いたのが小さな村で着の身着のまま飛び出してきたからギルドとか詳しく無いんだよね」

「そうでしたか」

「そう言えば昨日の話聞いてちょっと聞きたいんだけど、後3万G近く払わないといけないけどリズの場合だと誰に払うことになるの」

「この場合は新しい主人を得た上でギルドに元の値段で払うかそれともギルドに戻り新しい主人に買われるかを待つかのどちらかですね、そうしないとお金がない人が奴隷が払うお金目当てに主人を殺してしまって奪うと言ったような犯罪が増えかねませんし」

「なるほどでさ、今まで会話してきて思ったんだけど」

「はいなんでしょうか」

「なんで言葉遣いとかがメイドっぽいんだよ、奴隷でしょ力仕事とか何と言うか…………あっちのお仕事とかが中心じゃないの」

「………………ああタナカ様は元農民なので貴族様や奴隷と接する機会がなかったのですね。それはですね大抵の貴族様は経費の削減のためにメイド1人を雇いそのメイドをリーダーとして多く雇った奴隷を教育させメイドとして使うため、私もその例に漏れずメイドとして働いてきたためです」

「なるほど」

「なのでこの言葉遣いなのですが変えた方がよろしいですか」

「いやリズが話しやすい方でいいよ」

「ではこの方が楽なのでこのままだ話しますね。と着きましたここが奴隷ギルドです」

そこには小さな一軒家があり入口のそばには全身鎧を着た人が1人立っているだけであり、看板などがなく初めて来る人なら絶対に入らないようなところであった。

「えっと本当にここ」

「ええここですね奴隷を買いに来るのは基本貴族様だけなので宣伝よりも安全性を重視した作りになっているそうですよ、では中に入りましょうか」

 中に入るとそこは何と言うか質素に見える様で高級感を醸し出しているような、何とも言えないが自分に対して庶民は早く帰れと訴えかけてるような。ただわかることは果てしなく場違いであるということである。

「ようこそお越しくださってありがとうございます本日の御用はなんでしょうか」

「えっとあのその」

「今日はわたしの主人が亡くなってしまったので新しい主人との契約とギルドに対する支払い契約を結びに来ました」

「ではお名前を名乗ってからこちらの水晶に手を載せてください」

「はい、リズで奴隷ギルドの指輪はこちらになります」

「………………はい確認しました、あなたの元の主人であったお方の死亡が冒険者ギルドの者より報告がなされています。では新しい主人になられる方はそちらの方でよろしいのですね、もし違われるのであれば後日こちらに来ていただくことになりますが」

「いえこの人とこの人のお仲間になるのですが」

「分かりましたではそちらの方なにか身分を証明できるものをだしその上でこちらの水晶に手を載せていただけますか」

「えっと身分の証明になりそうなのは何かあるんですかね」

「そちらの冒険者ギルドの指輪で大丈夫ですよ」

「あっはいじゃあこれで」

「はいでは水晶の上に手を載せていただけますか」

「はい」

「………………………あれ反応しない、申し訳ございません他の水晶をお持ちするので少々お待ちを」

「……………はい」

「はいお持ちしましたでは手を載せていただけますか」

「はい」

「…………………………………えっとタナカ様こちらでお待ちいただいてよろしいですかね」

「はいってまた待つのかよ!!」

 また暇な時間が始まる。

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