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第10話 タナカ様とアルフ様に使えさせて頂きます

「痛ってーーー!」

「おいおいタナカそんなに痛いわけ無いだろ、加減もしたわけだしさ」

「お前さあんな場面だと一撃で気絶とかさせない、何だよしっちゃかめっちゃか殴りやがって」

「仕方ないじゃん、お前なかなか気を失わないし、武器手放さないんだから。しかしポーション飲ませた筈なのにまだ痛がるなんてこのポーション安物だったから偽物掴まされたかな」

「はぁ何偽物のませてんだよ死んだらどうすんだよ」

「はっはっはそんな細かいとこ気にしてたら冒険者やってられないぞタナカ。しかしあの時のお前の動きは新人には見えなかったぞ」


 アルフが言うには、あの時自分はアルフを殺そうと思っているかの様に引き金を引いたがリロードするのを忘れていたために撃鉄が虚しく音を立てるだけであった。

 そしてその後はリロードする暇もなく銃でそのまま殴りかかり、結果はあえなくフルボッコ、そしてそのまま気絶。それでアルフに背負われギルドに来たらしい。


「でなんでギルドにいるんだ、ってかあの子はまさかあの場で」

「落ち着けよタナカ。ギルド内で武器構えるのは違反なんだからついでに言えば殺傷ざたも違反だ。であの子だが今お前の横にいるぞ」

「はぁえっあの」

「あの…………助かりましたタナカ様、アルフ様」

「別にいいって」

「えっと…………お前逃走奴隷は見つけ次第殺せって」

「あああれ嘘」

「」

「だから嘘」

「……………はぁ」

「いや冒険者になった以上いつかは人を撃つ覚悟をしないといけないからせめて早めにしとこうかと。これしとかないで山賊とかに殺されたり売られたりした新人は多いんだし。と言うか奴隷は勝手に殺せないだろ」

「……………本当に」

「普通の市民が奴隷を持つことは少ないから仕方ないか、ちょっと説明しといてくれ」

「はい分かりましたアルフ様」

「ってアルフお前どこに」

「いや鑑定終わる頃合だし様子見てくるよ、安心しろネコババとかはしないさ、じゃあ後はよろしく」

「じゃあ説明させてもらいますねタナカ様」

「………………ひとまずなんで様付」

「そのことも含めて説明させていただきます。まず奴隷ですが、基本的にお金がなく身売りしたり口減らしをするために売られた者です。そういった者が業者などを通して人に売られ誰かが買うというのが基本です。雇用期間は主人となる人物が払った額を自分自身で払うことができればやめても何らか問題はありません」

「じゃああいつが言っていた逃走奴隷っていうのは」

「はい、まだ払うことができてないのに逃げ出したものです。ですが見た目など判断ができずに基本的に依頼を受けたあとでなければならず、また個人の所有物であるために勝手に殺してしまうのは盗賊などと同じ扱いを受けてしまいます」

「なるほどじゃあ君は」

「私は主人となる人物を山賊に襲われて殺されてしまい、私だけは逃げ出し隠れようと思って近くにある枯れ井戸に飛び込んだのですがモンスターに襲われ」

「…………何その嘘っぽい話」

「いや本当だぞタナカいまギルドに確認とってもらったが彼女言うように誰かが殺されてた跡があったらしい」

「うおっ、いつの間に現れたんだよアルフ」

「ついさっきだよ、という訳で依頼料の50Gとジャイアントラット10匹分で100Gそれを2人分にして75Gだな、でこれからどうするんだ」

「はいアルフ様私は獣人であるために差別する人もいるためになかなか仕事が見つかりませんなのでこのパーティーで雇ってくれませんか」

「だそうだがタナカはどう思う」

「いいんじゃないか、ってかリーダーはお前だろ」

「だそうだ」

「ではこのリズ、タナカ様とアルフ様に使えさせて頂きます。ではひとまず冒険者登録済ませて来ますね」

そう言うと彼女はこの場を離れて受付の列に並んだようであった。

「ってかパーティーメンバー欲しいって奴隷雇えばいいじゃん」

「いやはじめはそれ考えたんだが安くて1万Gだぞ買えるか。はっきり言えば俺達の持ってる装備よりリズ1人の方が高いんだぞ」

「はぁお前中堅どころなんだろ、金稼いでるんじゃないのかよ」

「初心者パーティーで狩れるジャイアントラットが中心なんだぞ稼げるか、外に出る依頼とかダンジョンに潜るためには人手がいるし金はかかるし、その為に貯めた金は装備品に消えるし」

「それはお前の金遣いが荒いんだよ」

「はぁあの店主が買え買えと勧めてくるだから買うしかないだろ」

「それで貯まんないだよ」

「あのタナカ様アルフ様登録が終わりました」

「よしじゃあこの話は終わり、酒でも飲み行こう」

「まて終わらせちゃダメだろ、と言うかリズはなんで様付け結局理由聞いてないんだけど」

「いえ、前の主人が私に3万Gの価値をつけまして、まだ1万Gも返せてなかったんですよねでそれを返しきるまでは奴隷でいる必要があるので新たな主人であるタナカ様とアルフ様には様付けを」

「はぁ3万Gだって、となるとアルフお前金遣い絶対に荒い、話聞いてんのか」

「そんなことより酒だろ酒タナカも痛いって言ってたしパーティーの新メンバーは辛いことがあったみたいだし、すべてを酒で吹っ飛ばせついて来い2人とも」

「いやおい痛いのは確かだがその前に話を聞けよアルフ」

「はいではついていきますねアルフ様」

 そうして異世界生活2日目夜が更けていった。

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