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僕、女神候補ですので

あらすじみたいなもんです。作品とは呼べませんが、そのうち、連載っぽくしたいと考えております。

 僕は、かなり危険な状況に陥っているようだ。どこかの田舎道の真ん中で、むさい風体の男たちに取り囲まれている。彼らの腰には、両刃の剣がつりさげられている。着ている衣服と言うか、毛皮のようなものは、何というか、中世風?

 あ、僕は、大崎誠35歳、195cm、98kg、表向きはITオタクだが、その裏では、ハッカーって、裏表ないね。もちろん、現代人。で、今の状況は、ちょっと説明が必要かな、そうは言っても、僕も、あまりわかっていない。今、判明している状況を箇条書きにすると、こうなります。

夜中、腹が減った僕は、スマホでゲーム(剣と魔法のRPG)をしながら、コンビニに向かってた。

1.曲がり角をまがった瞬間、まぶしい光に、するどいブレーキ音そして、タイヤのきしむ音。

2.鈍い音、身体が回転する感覚、全身の痛みと、しびれ

3.ブラックアウト

 通常は、ここまでで、終わりだが、今回(前回が有った訳では有りません。)は続きがあります。

4.心地よい風が、ほほをなぜる、鳥の声、きらめく光、

5.見知らぬ風景の土地、少なくとも、日本ではないと思われる景色、ご丁寧に、空にはちょっと小さな太陽と、3個のお月様、日本とかのレベルじゃないよね。

6舗装されていない道、荷馬車の車輪のわだちのように見える筋、はるかに見える集落とたなびく煙、

 冷静に考えると、いわゆる別世界かな、平行世界とか、

そして、ぼーとしてると、さっきの状況。


実は、僕、お宅ながらも、攻撃系の空手の使い手、結構強かった。まあ、剣持ってる相手と戦ったことは無いけれどね。自慢じゃないが、素手であれば、3,4人相手なら、十分倒す自信はある。ただ、現状は厳しい。あ、もちろん、相手が剣を下げてるのは問題だけど、それ以外にも、少々、具合の悪いことがね。

じ、じつは、さっき目覚めて、すぐ、気づいたんだけど、女性になってるようなんだね、これが、うん、女性と言うより少女だけどね。たぶん14か15ってとこかな、正直びっくりしたよ、この世界やなぜここに居るのかとか、そっちの方が気にかかるだろうけど、現実に目覚めて、女の子になっているのに気付くと言うしちぇーしょんは、結構、インパクトがあります。

ともかく、僕の空手は、僕の体格でこそ、相手にダメージを与えられるわけで、たぶん、今の身体では、相手に与えるダメージより、自分が受けるダメージの方が大きいと思う。いずれにしても、5人もの屈強そうな男を相手には勝ち目など無いだろう。

「可愛い、嬢ちゃん、素っ裸で、こんなところをうろうろしちゃ、いけないぜ、叔父さんたちが良いところへ連れて行ってやるよ。」

そう、裸です。それより、相手の言葉を理解できたことに、僕はとりあえず、ほっとした。一目散に逃げたいが、近くに見える町は、男たちの後方にある。

いちかばちか、僕は近づいてきた男たちのうち、一番小さい男に、蹴りを入れて、左右の男の顔面に、両手で裏拳をお見舞いした。前の一人がうつむき、左右の二人が顔を抱えてかがみこんだ。残った二人のうち一人は驚いて立ちすくんだが、真ん中のもっとも大きい男は油断なく身構え、僕を見据えた。

スキがなく、走り出すことはできなかったし、思った以上に、この身体は華奢なようだ、もうこぶしは使えそうにない。とっさに身をかがめて足払いをかけたが、中央の男は軽く後ろによけ、隣の男が転倒しただけだった。最初にかがんだ男も、左右の男たちも、怒りのまなざしをして、今は僕を取り囲んでいた。

もう、無理だろう、でもあきらめるつもりはない、ボクシングスタイルを取った。

「お嬢ちゃん、いけねえな、優しくしてやったのによ、もう、そうはいかんな。」最初の男が、不用意に近づいたので、ストレートを顔面にお見舞いしてやった。そこまでで、僕の抵抗は終わってしまった。背後から羽交い絞めにされ、殴られて、ブラックアウトだ。


「おい、嬢ちゃん、大丈夫か?」

頭が痛い、でも、レイプされた感じ、まあ、どんなものかはしらないが、それはないようだった。

目を開けると、ひげ面だが、気のよさそうな顔が目の前に有った。僕はびくっとしてあとずさった。その時胸の上の布を右手で掴んでいた。え、ぬの?

「おお、驚くのも無理はねえが、さっきのやつらはもう居ねえからだいじょうぶだぜ。でよ、裸は何だから、それ着な、」

男はちょっと顔を赤らめて、立ち上がった。僕は手に掴んだ布を頭からかぶった。今頃、恥ずかしくなって、顔が真っ赤になった。

「た、助けてくれたの?」

「うん、ちょっと、通りかかってな、でも、嬢ちゃん、あんたつえーな、てーしたもんだ、あ、おれは、サイムのヨルムってえもんだ。」

「あ、僕は、えー、オオサキのマコト」

「オオサキ、しらねーな、マーコットちゃんか。よろしく、おれあ、今から、サンの町に行くんだが。」

といって、向こうの集落を指さした。

「あんた、一緒に行くかい。」

「あ、ありがとう、良かったらお願いします。」

道々、ヨルムは取り留めもない話をしたが、いくつかこの世界についての知識を得られた。彼らはここを、サイラスと呼んでいる、星ではなく、大陸のことのようだ、中央に大山脈のあるこの大陸には、東西南北に7つの大国があり、その周辺に数十の小国が乱立しているらしい。大国同士はいまのところ、勢力が拮抗していたが、その意を受けた小国同士は争いに明け暮れているらしい。だから、さっきの男たちのような流れ働きの傭兵たちが、そこらに居るらしい。

この辺りは、南でも一番大きいイサキの随伴国のひとつで、イソスという小国らしい。いま、イソスは隣国のクナムリと境界争いの小競り合いをしているらしい。ヨルムも傭兵の仕事にありつこうとしてイソスの首都、イソスタリに行く途中で、さっきの事件に遭遇したわけだ。

「嬢ちゃん、魔女や妖精じゃないよな?」

「うん、」

たぶんだけどね。

「そんなきれいな金髪は、北の国にならいても、ここらじゃみかけねえし、紫の目ってのは、初めて見たからな。それに、ちょっと青っぽい肌してるしな。」

そうなのか、さっきの男たちも、ヨルムも黒髪、黒目、浅黒い肌をしている。やっぱり、この姿は、変わってるんだな。

「じつは、以前の事は覚えてないんだ。なぜ、ここにいるかも、ここがどこかもね。」

「そ、そうなのか、」

ヨルムは何か考えているようだった。

「お前がよければ、しばらく、俺と一緒にいるか?」

「良いの?」

「俺は、かまわねえさ、お前と居ると、妹を思い出すしな。」

「あ、妹さんが居るの?」

「うん、いたんだ、今は、いねえけど。」

「ごめん、悪いこといっちゃったね。」

「気にするなって。そんな、ちっちぇーことどうでも良いさ。」



「ちょっと待ってろよ。」

街の入り口で、ヨルムが言った。

「おーい、こっちへ来い。」

一軒の家の戸口で、ヨルムが呼んでいた。

家の中には、よく太った叔母さんが居た。

「じゃあ、頼んますよ。マーコットよ、おりゃ、ちょっと行くところがあるから、お前、この人に服をもらっといてくれ。」

「さあ、どうぞ、大変だったね、こっちで、お着替えな。」

下着とズボン、チョッキとワンピースがあった、着てみるとなかなか活動的で、着心地も良かった。叔母さんが、髪をまとめてくれた。

叔母さんにはご主人と、5人の子供がいたが、ご主人と男の子二人は、戦争で亡くなったらしい。3人の娘のうち二人は遠方へ嫁ぎ、一人はイソスタリで働いているそうだ。

「今は、宿をして暮らしてるんだよ。ヨルムさんは何度か来てくれてるけど、いい人だよ。」

「はい、」

「もっと、可愛い服が有れば良かったんだけれど、ごめんなさいね、そんなものしか無くて。」

「いえ、僕は、これくらいが、動きやすくて良いですから。」


「何か、出しましょうか、おなかが空いてるんじゃないの?」

そういえば、腹減ってるような気もするな

「はい、良ければ。」


「すごく、おいしいです。おばさん、料理がお上手ですね。」

「あら、あら、」

その時、ドヤドヤと、兵士が入ってきた。

「おばさん、飯、」

暫く、賑やかに騒いでいたが、一人が僕に気付いて近寄って来た。

「なんだよ、すげー、別嬪さんじゃねえか。金色の髪なんて初めて見たぜ、」

「どら、どら、おー、目が紫じゃねえか?」

「肌も青っぽいぜ!」

「おめえ、どこから来た。何もんだ?」

兵士たちに取り囲まれた。

「おい、何をしてる。」

「あ、隊長、この女、ちょっと怪しいんじゃねえかって、」

「うーん、どこの出身だ、こんな時だからな、」

「・・・」

結局、僕は連隊本部に連行された。



「お前は、どこから来たんだ?」

「だから、僕自身わからないんですよ、気が付いたら、ここに居たんです。」

説得力はないが、事実だから仕方がない。

「その前は、記憶が無いと言うんだな。そして、それを信じろと。」

「はあ、」

「たぶん、嘘はついとらんだろうが、はい、そうですかと言う訳にもいかんからな。」

「どうしたものかな。」

さきほど、僕を連行してきた、士官と、その上官らしき人物が僕を前にして困っていた。

二人とも、好人物らしく、兵士からも、街の人からも信頼されているようだ。

僕のことも、特に疑ってはいないようだが、このまま、分からないで済ますことは難しいだろう。

「隊長、オッドスカル様が巡視に来られました。」

「え、」

「何!」

二人とも、私を見つめた。

「取りあえず、君は、ここに」

と言って、小さな部屋に押し込められた。

「連隊長、うろんな女を捕まえたそうではないか。わしが直々に取り調べてやるから、ここへ連れて来い。」

「はあ、」

「何を、しておる、ここにおるのであろう。」

「は、」

扉が開けられ、私は先ほどの部屋に、引き出された。目の前に、巨漢がいた。筋肉質だが、指にはマニュキュアをして、右の耳にはイヤリングを付けていた。

「これか、不審なものは、どこの何者だ、スパイか。」

「名はマーコットで出身地はオオサキという地方だそうです。ただ、記憶をなくしておるようで、みたところ、若い娘でもありますし、特に問題は無いかと、」

「問題が有るか、ないかはわしが決める。マーコットとやら、オオサキとはどこじゃ、」

「海の向こうにある大きな島です。でも、なぜ、ここに来たのかは、よく分かりません。」

「ふん、よかろう、ちこう寄れ。まずは、こやつが人間かどうかを、調べねばの。女、服を脱げ。」

へ、なんだよ、いきなり、何ぬかしやがる。

「いやです、」

「なんだと、隊長、こやつの服をはぎ取れ、」

「しかし、」

「連隊長、隊長に命令せんか。」

「オッドスカル様、そのような取り調べは聞いたことがありません、ここは、私の管轄です、必要な措置は、私が行います。」

立派な人だね。

「衛兵!、反逆罪だ、連隊長と、隊長を拘束せよ、」

衛兵たちは、顔を見合わせたが、オッドスカルに従った。

「この物を取り押さえよ。」

僕は、二人の衛兵に両腕を掴まれた。

「それでは、わしが調べてしんぜよう。どれ、どれ」

チョッキとワンピースがはぎ取られた。

「ほれ、お前は我が国に、何をしにきたのじゃな、言わんか、それ、」

ズボンが一気におろされた。あとは下着だけだ。くそ、もともと男だし、くそ

「おー、可愛い、空涙を流しおって、わしは騙されんぞ、まだ、言わんのか、貴様」

下着もはぎ取られた。


その時だった、ドアが蹴破られて、両手に大剣を握ったヨルムが飛び込んできた。衛兵をなぎ倒し、驚いて、しりもちをついたオッドスカルをしり目にして、僕を毛布にまくと抱えて、外へ一気に飛び出した。目の前の馬に飛び乗り走り出した。

「すまねえな、嬢ちゃん、手間取っちまって、もうちょっと、辛抱しなよ。」

追ってはないようだった。

「ヨルムさん、ごめんね、僕のせいで、仕事も出来ないね。」

「まあ、クナリムでも構わんしな、」

「それにしても、僕の裸に縁があるね。ヨルムさん。」

僕が可愛い仕草で言うと。ヨルムは慌てて、真っ赤になった。わかりやすい奴だねー。

「まあ、そのなんだ、うん、あれだな、あ、そ、その袋に別の服が有るから、そ、その木陰で着替えて来い。」

僕は、着替えてヨルムの隣に腰かけた、ちょっといたずら心で、ヨルムのほほにキスをした。

「あ、あ、うーん、うん。」

まんざらでもないみたいだね。

「これから、どうする、クナリムに行くの?」

「うん、実は、クナリムにはちょっと訳ありでな、東にナテルナと言う国があるんだが、そこの親衛隊の隊長が知り合いでな、とりあえず、ほとぼりがさめるまで、あそこに行こうと思ってな。」

「ふーん」


暫く山道を進むと、向こうから荷馬車のようなものが来るのが見えた。僕たちは、草むらに隠れてやり過ごすことにした。

数人の兵士が護送車を先導していた、その護送車の中にいたのは、さっきの連隊長と隊長だった。

「あ、」

「どうした?」

「さっき、僕の為に、つかまった二人だ、ごめん、ヨルム、剣を貸して、あの人たちを助けに行く。」

「嬢ちゃん本気か?」

「うん、僕の為につかまったんだから、僕が何とかしないと。」

「よし、嬢ちゃん、俺も手伝うぜ!」

「ありがとう、」

ヨルムが飛び出し、兵士を引き付けて、その間に、僕が二人を助けることにした。

作戦はうまく行き、だれも傷つけずに二人を助けることができた。


馬を止めて後ろを見たが、追ってはこないようだ。

「僕の事で迷惑をかけたね、ごめんなさい。これで、許してくれるとありがたいんだけど。」

「許すなど、助けていただいて忝い、私は、辺境第4連隊連隊長、スレイジ、こっちは、メヌサ隊長と言っても、もう兵士ではないがね。改めて、お礼を言わせてくれ、ありがとう。」

「おい、もしかしたら、あんた、あの黒のスレイジかい?」

「ああ、昔はな、」

僕が首をかしげたので、ヨルムが説明してくれた。

「この人は、もともと、イソスの近衛軍の将軍だった人だよ、あんたみたいな立派な軍人をこんなところにおいとくなんざ、へ、イソスにはまともな奴はいねえのかね。」

「ところで、マーコットどの、貴殿はこれからどうなさるのだ、」

「とりあえず、ヨルムさんについていこうと思っているんだけどね。」

「なるほど、それでは、われら二人、マーコット殿の恩義に報いるため、この命捧げることを誓いたい、この剣をもって、」

二人が剣をささげて、僕に膝まずいた。

「え、ど、どうしたの」

「嬢ちゃんは、知らねーがな、このくにじゃ、女神の助けを受けた剣士は、女神の為に一生を捧げる誓いをたてることができるんだ。女神はそれを受けてやるもんなんだ。」

「僕、女神なんかじゃないよ。」

男だしね。

「ほら、剣をもって、彼らにその剣をさずけてやんな。」

僕は言われるとおりにした。

「ヨルム殿よろしく頼む。」

「いやあ、こちらこそ。」

「メヌサよ、わしらは素晴らしい女神にめぐり会えたものだな。」

「ほんとうで、ございます。」

「ヨルムどの、この先に王室ご用達の店が有る、そこへ行かんか。」

「ああ、そうだな、確かに、」

ヨルムは僕の方をちらっと見て微笑んだ。ちょっと、悪い予感がする。


予感はあたった。その店は、貴族のための衣装を扱うところだった。スレイジは、自分の女神の為に、衣装を整えようと考えていた。抵抗むなしく、僕はきらびやかな衣装を羽織らされた。実用にはなりそうもない美しい楯も有った。護送されていたくせに、どこに隠していたのか、宝玉と金を持っていたようだ。

「ヨルム、女神って何、初めは何かの冗談かとも思ったけど、そうじやないみたいだし。」

「ああ、この世界では、女神は神聖なもので、女神に仕える剣士になるのは、剣士の夢でもあるんだ。」

「でも、僕、女神なんかじゃないと思うよ。」

「最初から女神として生まれるものはいないのさ、女神になろうとしてなれるものでもない。女神として、剣士と誓約した者の中から、本物の女神が生まれるんだよ。」

「じゃあ、女神ってたくさんいるんだね。」

「いや、そうじゃないさ、女神は、まずは、嬢ちゃんのように、人とは変わった姿で、美しく、勇敢でないといけない。俺だって、お前さん以外の女神にはあったことは無いよ。」

「僕、そんなに美しくはないと思うな、それに、美しさなんて、表面的なもんで良いの。」

「嬢ちゃん、あんたは、美しいと思うよ、外面が美しいから女神なんじゃないぜ、女神は外面も、内面も美しいものなんだよ。」

なんかなー

「ところで、スレイジさん、ヨルムに結構、気を使ってるみたいだけど何でかな?」

「それは、俺が、女神の従僕だからだよ。」

「へ?」

「ヨルムさんが従僕?」

「ああ、女神が剣士と誓約するときには、必ず、巨漢の従僕が必要なんだな、従僕は女神と世界をつなぐ者でもあるわけだ、」

「はー、じゃあ、さあ、ヨルムさんは、僕の従僕になるの、じゃあ、さー、僕と別れるときとかは、どうすんの?」

「従者は、女神から離れることはできない。」

「え、え、じゃー、ヨルムさんどうするの、困るじゃない。」

「俺は、あんたと出会った時から、あんたは女神じゃないかと思っていたんだ。そして、スレイジさんたちを助けた時、俺は、あんたの従僕になったんだ、おれは、決して嬢ちゃんから離れはしない。」

「え、そ、そんな」


「姫、それでは出立いたしましょうか。」

「え、姫って。」

「嬢ちゃん、女神さまは、結婚するまでは、姫様と呼ぶのが普通なんだよ、」

って、そうか、僕、今は女だから、結婚もって、するか!

あ、いわゆる、あの日、とかもあるんだろうか、やだなー

「女神って、結婚できるの?」

「する、しないは女神さまが決めることだけど、別にいいんじゃないか。」

「でも、だれと、結婚するの?神様?」

「誰とでも良いし、離婚も出来るよ、昔、何十回も結婚した女神さまも居たらしいから、」

「えー、それって毎年、旦那を変えるってこと?それとも、女神って長生きなの、離婚した後は相手はどうなんの?」

「あ、女神は、本人次第だけど、何百年でも生きるみたいだね。大昔は千年単位で生きた女神が居たらしいから。」

「えー、」

それって、化け物ジャン

「それと、一度、女神と結婚できた人は、祝福を受けた人だから、尊敬されて大事にされるんだよ、神官や巫女になる人が多いみたいだけどね。」

「へ、巫女って、女の人でしょう?」

「ああ、女神の結婚相手は、男女を問わないんだ、それと、何人いても良いからね。」

えー、もう、なんも言えねーよー、

「どうした、嬢ちゃん、」

「僕、女神にはなりたくない、」

「でもな、女神は、なるもんでも、なれるもんでもないんだ、ならなくちゃ仕方のないもんだから。」

「もし、僕が逃げたいって言ったら、逃がしてくれる?」

「俺は嬢ちゃんの言う通りにするよ、でも、嬢ちゃん、あんた、スレイジさんやメヌサさんを悲しませることができるかい?」

できないわ、くー、まいったねー

「だろう、嬢ちゃんがこの世界へ来たのは、何かの意味があるんだ。俺は、そう、思ってる。」

この世界って、ヨルムわかって言ってる?


「姫、今日は、この城で泊まります。ヨルム殿良いかな、」

「スレイジさん、俺に気づかいは無用です。スレイジさんの思ったようにしてください。嬢ちゃんが良ければ、俺はかまいません。」

「ありがたいおことば、痛み入る。」

「ところで、ヨルム、ここらは、まだイソスの領内でしょう、こんなお城に入って大丈夫なの?」

「ええ、王国と言っても、領地を持った貴族の寄り合い所帯ですから、ここははダシー候の城なんですが、ダシー候はスレイジさんのいとこでね、ここで、スレイジさんを捕まえようなんて奴は、一人も、いないんです。」

「なるほどね、悠々としてたわけだ。」

「姫様、ダシー候が、ご挨拶申しあげたいとのことです。」

「姫様、私、フェルミンのダシー、一朝ことあらば、姫様の馬前にて、剣を取り、戦うものです。私めの代わりに、このフェランとフォリオをお連れ下さい。」

「姫様は、ダシー候に祝福をと申されておいでです。」

ヨルムが、もったいぶって言った。ダシー候は、感きわまったように涙をぬぐい、スレイジと腕を交差させた。


その後、宴が有り、部屋に戻ってから、スレイジさんに聞いた。

「スレイジさん、僕たち、これからどうするの?」

「もったいない、スレイジとお呼び下され。姫様に、特段のお考えがなければ、オーシス神殿へ供物をささげにまいりたいと存じます。」

「うん、じゃ、スレイジさんが、良いと思うようにしてください。」

「は、御意。」

「嬢ちゃん、フェランとフォリオが謁見したいってさ、」

「うん、良いよ。」

「姫様、ご機嫌麗しゅう、恐悦至極に存じます、このたび、私たちを、おともに加えていただけること、無上の喜び、」

「ちょっと、ちょっと、もう、良いよー、君たち、若いんでしょう、もっと気軽にやって、」

「いえ、それは、あまりに」

「え、っと、フェランさんだっけ、何歳なの?」

「は、16歳になります。」

「あ、お兄さんなんだ、よろしく」

「あ、はあー」

「ん、で、君、フォリオ君は何歳?」

「あ、14歳でございます。」

よっし、僕15歳にしよっと、

「あ、年下なんだ、可愛いねー」

フェランは、にやりとしたが、フォリオは苦虫をかみつぶしたような顔だ。

「姫様は、どう見ても、13歳以上には見えませんが、」

「あ、あー、スレイジさんに言っちゃおうかなー、フォリオ君が、僕の事、疑うって、」

「あ、ひ、姫様、そのような、お戯れを、わ、私、姫様より年下でございますれば、」

「やったー、可愛い、弟分がほしかったのよねー、」

二人はそうそうに、引き下がった。

「嬢ちゃん、結構、意地悪だね、」

「これくらい、いいでしょ、ねえー。」

ヨルムを、ウルウル目で、見上げてやった。あ、慌ててる、慌ててる、

「姫様、ご入浴をどうぞ、」

「うーん、うん、ヨルム、風呂行くわ、」


「えー、」

取りあえず、参った、侍女が何人も並んで、待ってる。服を脱がされて、お湯かけられて、柔らかい、パフみたいなので、身体中撫でまわされた、ひえ、そこは、やめて?あ、ひ、ひ、ひえー、うー、わお、

ようやく、湯船につかれた。花弁は浮いてるし、良い匂いもする、うー、いやされる・・・

あれ、僕、眠ってしまったのか、いつの間にか、すごい、気持ちのいい布で体を包まれた。

周りで、女の子たちが、僕の髪や、手指、足指を、手入れしている。気持ち良いーの、んーんー、

「嬢ちゃん、」

「あ、寝てたか、ごめん、何、」

「スレイジさんとダシー候が、お話ししたいことがあるそうなんです、」

「うん、わかった、行くよ」


「どうしたの、」

「は、じつは、ダシー候から、気になる話を聞きまして、」

「姫様、スレイジ殿がオッドスカルと問題を起こしたと聞きまして、念のため、道々の安全を確認するため、調査しておったのですが、オッドスカルの手下を捕まえまして、そのものの申すには、姫様を捕まえるための捜索隊をだしておるとの事なのです。」

「僕を、スレイジさんじゃなく?」

「はい、詳しく探りますと、オッドスカルは、姫様を探しておった用です。」

「じつは、街の巡検も、突然の命令で行ったものだったのです、今、考えると、どうも、意味の分からぬ巡検でした。」

スレイジさんは、ダシー候と目を見合わせて言った。

「おそらくは、オッドスカルは、初めから、姫様を探していたのではないかと、姫様を裸にしたのも、何かを探していたのではないかとも思えます。」

「うーん、あのね、わたしの、あそこなんだけど、」

ちょっと、幾ら、僕でも、恥ずかしいぞ、

「そこにね、花弁が三枚で、真ん中に赤い星があったんだけど、それかな、」

二人の顔が蒼白になった。

「な、なに、」

「まさか、そんな、」

「こ、これは、古い言い伝えで、貴族の中でも、古い家にしか伝わっておらぬのですが、世界が壊れんとするとき、赤い星を持つ花のお子が、女神として生まれ、世界を救うと、もし、女神が失われれば、暗黒の王がこの世を支配すると言うものです。もし、あなたが花のお子で、そのあなたを探すものがあれば、暗黒の王の手の者、すなわち、暗黒の王が動き始めたと言うことでもあります。」

「花のお子は、ターカイルの神殿で女神として、目覚めるとされています。一刻も早く、ターカイルの神殿に行かねばなりません。私も、すぐに手勢を率いてまいりますので、スレイグ殿とご出立くだされ。」


僕たちは早速、ターカイルの神殿に向かって旅立った。この時の話は、また、機会があれば話すよ。


男が女に変わる、人と変わった姿、中世的な世界、もう、すごーく、ありきたりです。

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