第六十一話【俺のアパートにお一人様をご案内しま~す(汗】
紗瑠ことシャルテにアパートに泊めてほしいと言われた行幸。しかし、行幸の部屋は男の聖地だった!
そんな所に女性を!?ないない!なんて言ってられない。
さぁ!覚悟を決めるんだ!と作者が言ってます。
そんな不安そうな顔で見ないでくれよ…
弱い。女性の頼まれごとに超絶弱い!(一部例外あり)それが行幸。もうここまで来たら拒むなんて無理だ。
くそっ!仕方ないな…こんな状態の彼女ほって置けないしな…っと結局はOKする事にした。
「あっ…ええと…一応は今から私のアパートへ連れていってはあげるけど…」
「けど?」
くぅ…連れて行くのは仕方ないよな。
さて、現状アパートにあるエロゲやH漫画を誤魔化す方法はないか?このままじゃヤバい。、
そうだ、彼氏のだと言って誤魔化すのはどうだ?
俺は美少女だし、彼氏がいてもおかしくないだろ?その彼がエッチゲームが大好きで俺の部屋に置いているとかどうだ?
「もしかして彼氏さんいるの?」(先読み作戦)
「いないよ…」(無意識の反応)
しかし、彼女の家でエロゲーする彼氏もどうなんだ?それに尋常じゃない本数があるぞ!彼女の家にそんなにエロゲーを置いておく彼氏って存在するのか?もし俺ならどうなんだ?いや、彼女の家でエロゲ-とか考えられないな。
いや、今はそんな事を言っている場合じゃない!選択の余地はないんだった。
そうだ、彼氏作戦でいこう……って…あれ?今さっき俺…何か言ったような?
紗瑠さんと交わした台詞をリピート。
「もしかして彼氏さんいるの?」
「いないよ…」←何だこれ?
うわぁぁあ!無意識に答えてた!まさに自爆じゃないか!作戦失敗…俺だめすぎた…
仕方ない…ここは速攻で部屋に入って片付けられるだけ片付けよう。
待てっ!そうだ!そうだよ!服とか下着とかも全部男ものしかねーし!
女ものはこのワンピース一着のみ!下着も三セットしか買ってないじゃないか!
その他の下着や服は全部が男物…彼氏がいないのに男ものばっかだと!?
そうだ、こう言うのは?「えっと…私、男装が趣味で…」……ないっ!ないないない…無いよなぁ…
あ、洗濯を干しっぱなしだ…やばい、すべて男ものだ。
やっぱり色々と注意深く見られたらやばいな。そして貸す服もない。
でも、やっぱりこの子を一人にしておく訳にもいかないし…くそ…
脳内が沸騰するぅぅ!俺の思考能力の限界だっ!わぁぁ!どうすればいいんだ!
こ、断ろう!せめて泊まるのだけは勘弁してもらおう!
「や、やっぱり私の家に泊まるのは…ちょっとね」
頑張って断ってみた。
「私…帰れないよ…こんな格好じゃ帰れない…それに怖い…」
そう言った紗瑠は突然しおらしくなった。そして、口に右手を添えると体を震わせる。見た目、か弱い女子である。
うぐっ!ほ、ほっておけない…じゃない!心を鬼にするんだっ!ここは、ここは仕方ないんだ!
「で、でも…私にも色々あって…」
「解ってる!でも…でも…お願いです…泊めてください…お願い…」
紗瑠はそう言いながら行幸に抱きついてきた。それも、おもいっきり胸を押し当てててだ。
行幸が視線を下に向けると、そこには見事なおっぱいがあった。それも、コートの隙間から見える生おっぱい。
読者の皆様であれば(特に男性)このすばらしい状況を理解して貰えると思う。
シャルテの【迫真の演技】は行幸の脳内を麻痺させた。
「え、えっと…え?」
「お願いです…」ぎゅっ…
おっぱいがまたぎゅぎゅーっときましたー!
や、やばい…この感触…意識せざる得ない…
まさか…俺がおっぱい星人だって知ってるのか?何でそんなに俺の嬉しい事をするんだぁ!
「えっ!?えっと?そ、そうだよね…帰れないよね?し、仕方ないなぁ…」
「行幸、ありがとう…」
二十二時三十八分、行幸、陥落スル。
『行幸が女の子になった訳』
せいさくすたっふすくろーる
ぷろでゅーす みずきなな
かんとく みずきなな
構成 みずきなな
天使 りりあ
天使 しゃるて
従兄妹 こうさかこはる
へたれ こうさかみゆき
・
・
・
・
終わり
ちょっと待ってぇ!
終わりって何だよ!それにスタッフスクロールって何だ!小説にスタッフスクロールとか馬鹿か!
だいたい、小説の題名が違うだろ!何が『行幸が女の子になった訳』だ!
俺はなったんじゃなくって、女にされたんだ!
それにな!これはゲームじゃねー!こんな半端に終わるな!
あと、へたれって何だよ!俺の紹介がおかしいだろ!いや、何もかもおかしいだろ!
作者『じゃあ…行幸の説明は卑猥でいい?』
ち、違うっ!っていうか、これは俺を攻略するゲームじゃなくって小説なの!俺が男に戻るまでの!
作者『はい?誰がそんな事を決めたんですか?』
お前だろ!あんた作者だろ!と言うか終わるなら今すぐ男に戻せよ…
作者『やだ』
やだじゃねーーーー!
うぎぎ!じゃあ続けて書け!読者の皆さんも、俺と作者のやりとりを見たい訳じゃない!わかってんのか?
作者『はいはい…』
うぐぐぐ…なんでこんなのが作者なんだよ…
作者『と言う事で、我がままな行幸さんが続けろと言っているので続けます。これからもこんな小説ですが、宜しくお願いします』
俺、すっげー疲れた…
作者『さて、気を取り直して…戻りますね』
続きです。
行幸達はアパート前に到着した。
「へぇ…ここが行幸の住んでるアパートなんだ」
シャルテは知らないふりをしてそう言った。しかし行幸から返事は返ってこない。
行幸は右手の拳を口に当てると、少し俯き加減で唸りながら考え込んでいる。
つれて来てしまった…それも知らない女の子を…
どうしよう、今になって凄く緊張してきた。中は超絶男の部屋だし…見せても大丈夫なのか?
あっ!この前一応は幸桜と片付けをしたじゃないか。でも、あの程度でいいのか?
そ、そうだ…一応は前置きをしておこう…
「えっとね、紗瑠さん。私のアパートって汚いよ?」
「別に気にしない」
「女の子らしくない部屋だよ?というか男っぽいよ?」
「別に気にしない」
「えっと…狭いよ?」
「ぜんぜん気にしない」
「Gとか出るよ?」
「G?」
「女性の嫌いな黒い虫…」
「ああ、あれですか。それは仕方ないかな」
「えっ?もしかして虫は平気系?女の子だったら普通は嫌じゃないの?」
「あの…」
「はい…?」
「もしかして、行幸は私をアパートに入れたくない?私は邪魔なのかな…」
「えっ!いや、いやいや!違うって」
「やっぱり邪魔なんだ…そりゃそうだよね…ぐす」
シャルテはわざと悲しそうに振舞う。すると行幸は慌てて弁解する。
「違う!違うって!あれだよ、一応は話しておくべきかと思っただけだから!べ、別に入れるのが嫌な訳じゃないから」
「本当に?」
「う、うん、本当に」
「そんなに気を使わなくてもいいよ?」
「使ってないって!」
「本当?」
「本当です!あーっと…でもね、お願いがあるんだ」
「お願い?」
「うん…えっとね、無闇に部屋の中を弄らないで欲しいんだ」
「あ、わかりました」
「えっ?解ってくれたの?ありがとう…」
行幸は覚悟を決めた。ここまで来て引くなんて男じゃない!
「よし、じゃあ入るよ?」
「はい」
そして二人はアパートに入る。
アパートのドアが開いた瞬間に行幸は中に飛び込んだ。
そして、いきなり紗瑠をお風呂場に誘導する。
「シャルさん!ここがバスルーム!冷えてるからシャワーで温まった方がいいよ!」
「えっ?でも…」
「いや、絶対にすぐにシャワーを浴びた方がいいよ!ほんと、風邪を引いちゃうよ?着替えは用意しておくから」
「えっと…じゃあ…お言葉に甘えて…」
シャルテは灰色のコートをちょっと恥ずかしそうに脱ぐ。
それを見ていた行幸は慌てて後ろを向いた。
な、なんで俺の目の前で脱ぐとか!?恥じらいは無いのか?そういう人なのか?
しかし、すぐに気づく。何度も忘れてしまうが、今の行幸は女である。
そうだよ、俺は女じゃないか!女同士だからだよ…って…あれか?俺が振り向けば、今そこにあの綺麗なおっぱいがあるのか?俺は女なんだから別に見てもいいのか?
行幸が真剣に悩んでいると、お風呂に入るドアが閉まる音が聞こえた。
………あれ?
行幸がゆっくり振り向くと、そこには脱ぎ捨てられたコートと下着(下のみ)が置いてあった。
ふぅ…ちょっと残念だけど、俺は容姿こそ女だけど中身は男だしな。この姿を利用して女性の裸を見るとか邪道だよな。
行幸は自分で自分を納得させた。じゃないとちょっと悔しいじゃん!(おい)
続く




