表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうしてこうなるんだ!  作者: みずきなな
【どうしてこうなるんだ!】
60/120

第五十四話付近の別の話【俺の知らない時間・愛ちゃんはすごいよね】

五十四話付近の同じ時間帯での愛とすみれのお話です。

ぶっちゃけると読む必要はまったくありません。

内容がうわぁぁってなった場合は飛ばしてもOKです。

あと、短いです。

 幸桜こはるすみれに負けないと宣言をした時間。別の場所にその本人がいた。

 

「はっくしょん!」

 

 すみれは大きなくしゃみをする。

 すると、横にいた愛が満面の笑みになった。

 

「何?何?噂されてるの?もしかして、高坂君かもよ?」

 

 そう言ってニタニタと怪しく微笑む。

 

「な、何を言ってるの?ないよ!寒いからくしゃみが出ただけだよ」

 

 すみれはあわあわと対応する。愛は『ぷっ』っと吹き出すとイキなりすみれの肩を抱いた。

 

「ふふーん?そっか?」

「な、何?そのニタニタしてる笑顔はやめてよ…」

「いいでしょ?」

 

 そんなこんなで愛とすみれは、玄関ドアの前に到着。

 

すみれがうちに来るのって久々だよね?」

「うん、そうだね」

「あ、今、鍵あけるから、待ってね」

 

 愛は鍵を取り出すと、玄関ドアを開いた。

 

「汚い部屋だけどさ、さぁどうぞ!」

 

 バッと開かれた瞬間、飛び込んでくるのは玄関に散乱するゴミ。そして異様な匂いが…

 そうだ…忘れていた…愛ちゃんって…

 

 愛は玄関のゴミを見るとハッとした表情になる。そして慌てて慌てて室内へと入って行った。

 

「ちょ、ちょっと待って!散らかってるから!」

 

 しかし、そんな声は無視して、追いかけるようにすみれも室内に入る。

 すると…目の前に広がっているのはゴミ、ゴミ、ゴミ…そして脱ぎ散らかった服、下着…溜息が出るほどに汚い部屋だ。

 

「こ、これはね!掃除する暇がなくって!」

 

 愛は両手をハタハタと無意味に動かして、意味のわからないジェスチャーをする。

 と言うか…そういう次元を超えているでしょ…っと突っ込みたくなる。

 

「愛ちゃん…まずは掃除しよっか?」

「えっ?いや、でもほら、今日の目的ってさ、すみれとのお話だしさ、いいよ。今度やっておくからさ?」

 

 苦笑いの愛は、ソファーの部分のゴミをぽいぽいとダイニングに投げた。

 見ていたすみれは大きな溜息をつく。

 

「あのね、正直に言うと、この状態で話なんて無理」

 

 すみれが意気消沈する姿を見て、愛は苦笑いをする。

 

「そ、そっか…ごめんね」

 

 そしてお片づけ大会が始まった。

 ごみ収集をしていると色々なものが出てくる。

 

「愛ちゃん…」

「何?」

「愛ちゃんって…こういう趣味があるの?」

 

 そう言って、すみれが手に取っていたのは下着だ。それもかなりの露出度。

 

「そ、それはっ!ほ、ほら!ハイレグ系のコスプレしたら見えるじゃん!だから!」

 

 愛は言い訳したつもりだろうが、ぶっちゃけその系統のコスプレを愛はしない。

 

「へぇ…まぁいいけど」

「あ、信じてないでしょ!い、い、今すぐそのコスプレしてあげるからっ!」

 

 そう言うと、おもむろにクローゼットを開く愛。

 そして、すみれは驚いた。クローゼットの中は異常に綺麗だっ!

 部屋からは想像がつかないレベルで整理整頓されている。

 

「ええと…どうしてそこは綺麗なの?」

 

 しかし、愛は話を聞いてない。ばっばっと服を脱ぎ捨てるとちょっと危ないSM系のコスプレに手を伸ばした。

 

 えっ?それ着るの?待って!それは愛ちゃんには似合わないっていうか、前に他のメンバーが着てたやつじゃん!胸のサイズが合ってなさすぎだよ!と、とてもじゃないけど口には出せない。

 

「わかったよ、信じる!信じてるから!だからストップ!」

 

 すみれは慌てて愛を制止した。

 愛は涙目ですみれを見る。

 

「ほんと?信じてくれるの?」

「う、うん。本当に信じるよ」

 

 まったく、どっちが年上なのか解らない。

 愛は結局、そのままパジャマに着替えた。

 

 しばらく掃除をしていると再び怪しいものを発見。

 

 箱?何だろうこの箱…

 

 すみれは箱を開ける。するととてもいびつな形の物が入っている。

 

「わぁぁぁあ!わあああああぁぁぁぁぁぁ!」

 

 愛の絶叫と共に、それはあっという間に没収された。

 

「こ、これはすみれにはまだ早いからっ!」

「早い?」

「じゃない!じゃないよ!じゃないけどさ…」

 

 愛がまた涙を流すのですみれは追求を辞めた。

 

 愛いわく、それは知人から預かっていると言う事。でも…多分、嘘だと思う。

 

 また掃除をしているとBL同人誌が出てきた。それも一冊や二冊では無い。すさまじい量だ。

 パラパラと中を見ると…内容がかなり過激。

 

「あ、愛ちゃん!」

 

 すみれの声が思わず裏返る。実は見た目以上に中身は純情だったりするのだ。

 

「駄目!それも全部駄目!」

 

 それも速攻で愛に没収された。愛いわく、それも知り合いから預かっているのだと…

 

 でもさ…預かりものがゴミに埋もれているはずないよね?そしてこの量は…とすみれは思ったがやっぱり言えない。

 

 また掃除していると、今度はGL同人誌が出て来た。BL同人誌よりは少ないが、数十冊はある。

 

「愛ちゃん?これって…」

 

 同人誌を手にする。そしてページをめくる。そして固まるすみれ

 

「はきゃーーー!」

 

 どこから出した声だと言うくらに高い声で愛は悲鳴を上げた。

 

「だ、駄目!それも見たら駄目ぇ!」

 

 愛は慌てて同人誌を取り上げる。

 

「愛ちゃん、そ、それの中に描いてあった奴ね?さっきの箱にあったのと同じ…」

 

 愛の顔は真っ赤になる。

 

「違う!絶対違うって!それはすみれの見間違いよ!そ、そう!そうだから…ねぇ…そういう事にしておいて下さい…お願いします…」

 

 見てると可愛そうになった…もう…きっと愛ちゃんは絶対に嘘はつけないんだろうな…というか…嘘ってすぐばれるんだろうな…とすみれは確信した。

 

「わかった…でも、こんなに色々な同人誌を持ってたんだね?私、知らなかったよ。私は同人誌には興味ないからまったく買った事は無いんだけど」

「わ、私はね!ただ単純にね、色々な恋愛を勉強したいと思ってるだけなの!ほんとに!だから同人誌を買ってるだけなの!」

「色々な恋愛…」

 

 でも、BLとかGLとかの同人誌はあるのに、なんで普通の恋愛漫画は無いのって突っ込むべきかな?

 

「これって男同士だよね?こっちは女の子同士だよね?男の子同士はあれだけど、女の子同士って…」

 

 すみれは駄目な事を想像してしまった!そして、挙動不審になる。

 それを見ていた愛は、流石にすぐに気が付いた。

 

「大丈夫!すみれにはそういう感情は持っていないから!」

「あ、あったら困るよ!」

「そ、そういう風に思ってたら、もっと早くから攻めてるし!」

「せ、攻めるって?待って、そういう問題じゃないと思う」

「でね…あのさ、ちょっとだけ話は変わるんだけど、聞いてくれるかな?」

「えっ?なに?」

「今度はじまったアニメの話しなんだけどさ」

 

 ちょっとじゃないじゃん!ぜんぜん話題が違うし!と言うか、さっきまでの会話からどうしてここまで違う話に出来るの!?

 

 ある意味、すごく感心するすみれ

 

「今度のコミケでさ、あのアニメの女魔法使いのコスプレしようかと思うんだけど」

 

 待って!それはアニメの話じゃないよね?コスプレの話だよね?

 

「待って…それってアニメの話しじゃないよね?」

「あ、そうだね。言い直すよ。コスプレの話をしてもいいかな?」

「もう今更いいよ…言い直さなくてもいいよ…愛ちゃんがそういう性格だってわかってるから…」

 

 すみれは再び大きな溜息をつく。

 

「そ、そうだよね!すみれは私の事をよく知ってるもんね?だから私はすみれが大好きなんだよね!」

「あ、ありがとう?」

「あーあ、私が男だったら絶対にすみれを選ぶのになぁ…なんで妹なんかにねぇ…やっぱり妹の方がいいのかなぁ。近親相姦は魅力的?でも、私はすみれがいいな!」

「…」

 

 愛の余計な一言に、行幸みゆきの言っていた台詞を思いだしたすみれ。意気消沈して項垂れてしまった。

 元気を出してもらおうとして墓穴を掘った愛である。

 

「だ、だからさ!他に、もっといい男が寄って来るかもよ?どうする?お金持ちかもよ?高坂君よりも格好いいかもよ?」

「…」

 

 さらに墓穴を掘る。

 

「ごめんね、ごめんね…私は人をなぐさめる機能を搭載してなかったよ!いまごろ気が付いたよ…」

 

 愛は四つん這いになってガクリと項垂れた。

 

「だ、大丈夫だよ。っていうと嘘になるけど、だけど…うん、ありがとう。愛ちゃんが一生懸命に私に気を遣ってくれてるってわかってる…」

すみれ!」

 

 愛はすみれに抱きついた。

 

「もしもね、もしも駄目だったら、この愛ちゃんが貰ってあげるから!」

「ま、待って、私はそんな気はないよ?」

「遠慮しなくてもいいよ?」

「いや、えっと…遠慮してないから」

「あっ、そっか…でもね、最近になって思うんだ…なぜ私は男に生まれてこなかったのか!ってね」

「えっ?愛ちゃんって、男に生まれたかったの?」

 

 愛は笑顔で首を横に振った。

 

「ないない!女でよかったと思ってるもん」

 

 すみれは頭を抱えた。

 

 愛ちゃん…

 

 

 これは続かないです。シャルテ編でまたお逢いしましょう。

愛とすみれがこの後にどうなったのかはご想像にお任せします。

しかし…愛って濃いですね…


次回よりシャルテ編へ突入です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ