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どうしてこうなるんだ!  作者: みずきなな
【どうしてこうなるんだ!】
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第四十七話【俺の予想のしなかった展開Ⅴ】

ついに予想をしなかった展開が現実になる時がきた!? 行幸みゆきはどうなる? 幸桜こはるはどうする? そして…続きは小説でどうぞ。

 行幸みゆきの心臓はドキドキと高鳴る。

 緊張が全身を走る。額と手の平からは嫌な汗が出る。

 

 やばいっ! どうなってでもここは話しを断ち切らないとダメだ!

 

 行幸みゆきは真剣な表情に変わる。

 幸桜こはるは話し出す前に幸桜こはるに向かって強めの口調で言い放つ。

 

「もういい! その話はもういいっ! やめろぉぉ!」

 

 その声の大きさにビクリとする幸桜こはる。そして唇の動きは止まり、驚きの表情になる。

 しかし、すぐにその表情は行幸みゆきと同じく真剣になった。

 顔は高揚して赤くなり、真剣な目で行幸みゆきを睨む。

 

「その人は好きになっちゃ駄目な人だった! 嫌いになろうって頑張った! 私は怒鳴った事もあるし、喧嘩だっていっぱいした!」

「もういいって言ってるだろ!」

 

 しかし、幸桜こはるは話すのをやめない。

 

「でも嫌いになれなかった! それ所か……それ所か余計に好きになっていった……」

 

 幸桜こはるの目にはうっすらと涙が浮かんだ。

 その表情を見て行幸みゆきの心臓はさらにドキドキと激しく鼓動する。

 どう聞いてもその相手は俺にしか聞こえない。

 

「今もその人を好きだし、これからもずっと一緒にいたいって思ってる。でもね、私は告白しちゃダメだって思ってた。ううん、しちゃダメだった。ダメだったの!」

 

 もはや疑う余地もなかった。幸桜こはる行幸みゆきに訴えかけるように言い放った。

 行幸みゆきは困惑した表情で、それでも止めようと言い返す。

 

「わかった。わかったって! もういいから。その話はもう終わりでいいから!」

 

 やばい、確定フラグなのか?

 くそっ……でもまだ俺の固有名詞が出ていない。好きな相手が俺だとは言ってない。

 ここで何とかこれ以上は言わせないように出来ないか? そうすれば、もしかして回避できるかもしれない。出来ないにしても、誤魔化せるかもしれないじゃないか。

 

「ストップだぞ? それ以上は言うな? 絶対に言うな?」

 

 ここまで来ても懸命に両手を前に突き出して話しを止めようとする行幸みゆき。本当にダメな男である。

 しかし、幸桜こはるは目を閉じて首を左右に振った。

 

「やだ! もう止まらないよ! もうわかってるんでしょ? 本当は解ってるんでしょ! 行幸みゆき!」

「言うな! だからこれ以上は言うな! 話して後悔する事だってあるだろ!」

「後悔? したっていいよ! でも話さなくって後悔するのはやだよ!」

「待て! 俺達は……っ!?」

 

 思わず漏れた行幸みゆきの一言。

 その一言に幸桜こはるは驚き両手を口に当てた。しかし、すぐにその表情は笑顔になった。

 

「そっか……お兄ちゃんもやっぱり解ってたんだね……」

 

 やっぱり確定フラグだった。行幸みゆきは険しい表情になる。

 

 ここは知ってても知らなかったって言うべきか? いや、言うべきだ。

 

「いや、知らなかった……」

 

 そう返すと行幸みゆき幸桜こはるから視線を外した。

 

「いいよ……もう解ってる。別に隠さなくってもいいよ?」

 

 駄目だ……幸桜こはるが俺を好きだと知ってる確実に事がバレてる。

 この表情。この反応。もう俺を疑ってない。

 でも、しかしだ。ここで簡単に認めると駄目なんだ。まだ、まだ引き返せるかもしれないだろ。

 そうだ、まだ固有名詞が出てない。まだ幸桜こはるだって躊躇しているはずなんだ。だから固有名詞を出さないんだ。そうだ、そうだよ。

 ここはなんとか思いとどまってもらおう。ここまで話せば俺を好きだという事はもう隠せない事実かもしれない。それでも……

 

「いや、ダメだ。隠すとか隠さないとかじゃない。もうこれ以上は言っちゃだめだ。幸桜こはるだって解ってるんだろ? マズイって理解してるんだろ?」

 

 しかし、幸桜こはるは首を横に振る。

 

「ううん、まずくないよ? だって私は覚悟を決めたんだもん。じゃないと……」

「やめろっ!」

「大好きな行幸みゆきを他の人に取られちゃう!」

 

 ドーン! ついに固有名詞が出ちゃった。

 

『言ってしまったぁたぁたぁたぁ…』(幸桜の心の中での叫び※エコー付)

 

 ついに俺はフラグを回収してしまった。そして強制イベント開始になるのか?

 どうするよ? ここはどうする? どうすればいいんだ!?

 まさか前みたいに暴走はないだろうけど……

 

「ええと、幸桜こはる? ちょっと冷静になろうな?」

 

「私は冷静だよ? 冷静だからこそ告白できるの。私はね、お兄ちゃんが……ううん、行幸みゆきが好きなの。一人の男性として行幸みゆきが大好きだよ」

 

 ドガーン!

 リアル妹からのストレート告白! 二回目の告白キター!


 やばい、まともに告白されてしまった。

 でも何でだよ? 何でこんな事になったんだ?

 幸桜こはるはもうフェロモンの影響は受けてないんだぞ? なのに何で告白されるんだよ?

 もしかして……これって幸桜こはるの本当の意思での告白なのか? 真面目な告白なのか?

 

「冗談だよな?」

「冗談でこんな事言えないよ?」


 幸桜こはるの笑顔には俺に対する愛情を感じた。


「俺なのか? 本当に俺なのか? 本当に俺が好きなのか?」

「うん、行幸みゆきが好き……大好きだよ」

「今なら引き返せるぞ? 一言、冗談だったんだ。そう言えば俺もそういう対応をする」

「えっ? さっきの告白は冗談……」

「だよな?」

「な訳ないでしょ? 本気だもん! 本気だよ……行幸みゆきが好き」

「あぁぁぁ!」

 

 頬を染めて笑顔で照れた表情の幸桜こはるは、まさしく恋する乙女だ。

 そして、行幸みゆきはあまりの出来事に動揺を隠せない。

 心臓はバクバクと鼓動の強さを増す。顔は熱くなりまくる。

 きっと周りから見れば、すごく顔が真っ赤になっているのだろう。

 

 やばい…もうこれは回避出来る気がしない。

 ここは緊急脳内会議だ!

 

 第五十九回脳内会議開催

 

【俺A】落ち着けメイン行幸みゆき幸桜こはるが俺が好きだって前から知っていた事じゃないか。

【俺B】いや、ここは落ち着いてる場合じゃないだろ。

【俺C】そうだ! 落ち着いてる場合じゃない。でも、今までの会話の中に布石がいっぱいあったはずだぞ? なぜメイン行幸みゆきは気がつかなかったんだ?

【俺B】待てよ、まさかこういう話になるなんて予想してなかったんだろ?

【俺A】それはリアル行幸みゆきの考えが甘かったんだよ。最悪の事態を予想して話せば……いや、こういう方向に誘導したのはメイン行幸みゆきだからな。それさえなければ告白なんてされず終わったはずだ。

【俺C】そうだそうだ! その通りだ! メイン行幸みゆきが甘いんだ。

【俺Z】君達、落ち着きたまえ。メイン行幸みゆきよ、お前は妹に告白されて本当は嬉しいんだろ? 知ってるぞ? リアル行幸みゆきってロリコンで妹が大好きなんだよな? 本当は妹でもやっちゃいたいって思ってるんじゃないのか? そういうゲームも持ってるじゃないか。良かったじゃないか。ここまで来たらいっそやっちまえよ。

【俺ABC】黙れ【俺Z】!

【俺Z】黙れだと? じゃあ幸桜こはるに他の男が好きだって言われたらどうだったんだ? 嬉しかったのか? 妹を取られて嬉しいのか? どうなんだよ?

【俺A】そりゃその時は……

【俺B】受け止めるしかないだろ! それが普通だ!

【俺C】そうだそうだ! それが普通だ!

【俺Z】甘い、甘いなぁ…結局やきもちをやくんだろ。妹を取られてショックを受けるんだろ? そんな奴だよな? メイン行幸みゆきはそんな奴だよな?

【俺A】無い! 幸桜こはるは実の妹だぞ? 妹に変な欲望を抱く方がおかしいんじゃないのか? メイン行幸みゆきはそこまで変態じゃない!

【俺B】そうだ! 妹を相手にやきもちだと!? メイン行幸みゆきはこう見えても大人だぞ?

【俺C】そうだそうだ! メイン行幸みゆきは大人だ!

 

「そうだそうだ! 俺は大人だ! 黙れZ! 煩い!」

「えっ? 行幸みゆき?なにが大人なの? Zって何?」

 

 思わず脳内会議をリアルで発言してしまった行幸みゆき

 恥ずかしくて真っ赤な顔をさらに真っ赤にすると、俯きながら言った。

 

「いや、えっと…何でもない…」

 

 そして、これにて脳内会議終了。結果はただもめただけ。

 所詮、俺同士の会議なんてこんなもんだよな。

 自分のへたれ具合と優柔不断さと俺Zの存在が嫌になった行幸みゆきであった。

 

 しかし、どうする?

 間違いなくフェロモン抜きで幸桜こはるに好きだって告白されたんだよな?

 今はどうみても普通の状態の幸桜こはるだ。

 

 行幸みゆきは頭を悩ませる。そして思い浮んだ一人の天使。

 

 そうだ! リリア! リリアは居ないのか? リリアなら何かできるんじゃないのか?

 おい! リリア! リリア!

 

 行幸みゆきは心の中でそう叫びながら周囲を見渡す。しかし返事はない。

 

 くそ、こんなときに居ないのかよ?

 ほんと、どうすればいいんだ? 本当にどうする? どうするんだよ俺!

 

 行幸みゆきの苦悩する姿を見て幸桜こはるは小さくため息をついた。

 

「ごめんね、やっぱり迷惑だったよね……」

 

 すごく悲しそうな幸桜こはるの声にびくっとする行幸みゆき

 

「えっ? えっと? いや、迷惑じゃ無い……かも? いや、あれだ、告白されて嬉しくない男なんていないだろ。でもな、あれだろ? 血の繋がった兄妹でそういうのは……な?」

 

 その一言で幸桜こはるはすこし驚いた表情を見せた。

 

幸桜こはる? どうしたんだよ?」

「お兄ちゃん? まさか……」

「まさか? 何だよ? まさかって何だよ!?」

 

 行幸みゆきが質問すると、幸桜こはる行幸みゆきの知らない驚愕の事実を語り始める。

 

「もしかして…行幸みゆきって…知らないの?」

「え? 何をだよ?」

「私と行幸みゆきの事……」

「俺と幸桜こはるの事?」

「うん」

「俺と幸桜こはるがどうしたって言うんだよ?」

「私と行幸みゆきって血が繋がってないんだよ?」

 

 ドガーン! 俺の中で何かが再び爆発した。本気で体が震えた。

 

 な・ん・だ・と! なんだと!?

 何だそれ!? じょ、冗談だよな? これこそ冗談だよな?

 

「待てっ! 待てくれ! 冗談にも程があるぞ!」

 

 しかし、幸桜こはるは驚いた表情のままだ。

 

「本当に知らないの? 冗談じゃないんだよ?」

「いや、マジそれは無いだろ? 母さんも父さんも初婚だろ!?」

 

 行幸みゆきはテーブルから身を乗り出して幸桜こはるに向かってそう言った。

 

「しょ、初婚だよ?」

 

 幸桜こはるはビクンとすると、イスにもたれるように体を後ろに引いた。

 

「だったらありえないだろ…」

「そ、そっか…行幸みゆきは本当に知らなかったんだ」

「マジ? マジなら本気で初耳なんだけど…」

「ほ、本当だから」

「…ありえない、絶対にありえない!」

 

 嘘だよな? 冗談だよな? この情報は初耳すぎるぞ?

 あれだ、あれだよ! この前だって、血縁関係だからこそリリアは幸桜こはるの記憶を消してくれたんじゃないのか?

 そういう事じゃないのか? 違うのか? 違うのかよ!?

 

「あのね、私はお母さんの連れ子っていうか…ええと…色々あって…うん…」

 

 えっ? 連れ子? 幸桜こはるは母さんの連れ子!?

 

「いや、マジでそれも知らない!」

行幸みゆきは、お父さんの連れ子なんだよ?」

 

 えっ!? 俺が父さんの連れ子!?

 

「それも初耳すぎる! いや、無いだろ? いくら何でも無いだろ?」

「でも、こんな事を冗談で言えるはずないのって解るよね?」

「う、うーん」

 

 嘘だよな? 冗談だよな? 冗談であって欲しい……今からでもいいから冗談だって言ってくれ。

 

「だから…私と行幸みゆきは本当は他人同士なんだよ? だから…付き合っても問題ないし……」

「問題…ない? だと?………」

「それに結婚だって出来るんだよ?」

「ケッコン?」

「うん…」

「スミマセン、チョットマッテクダサイ…」

 

 やばい、日本語が片言になってる……

 

 行幸みゆきは目を閉じた。そして深呼吸をする。

 

 体が震える…本気ですっごい動揺してる。

 マジでどうすればいいのかわかんねーよ…

 待てよ? でも考えろ。俺の恋愛対象者はすみれとフロワードだよな?

 幸桜こはるは入ってないよな?

 こんなに俺を好きだったのなら対象者になっても良かったんじゃないのか?

 やっぱり幸桜こはるは嘘をついているのか?

 そうだ、きっとそうだ! でないと記憶を消す意味がわからないだろ?

 俺と幸桜こはるは血が繋がった兄妹なんだよ。

 

 しかし、やっちまったなぁ…

 今回の告白は俺が引き出したようなもんだよな。これは失敗した。

 くそっ、俺も悪いかもしれないが、リリア達にだって非はある!

 こういう可能性があるのなら何で先に情報として教えてくれていなかったんだよ!

 

 行幸みゆきはまずは真上の天井を見る。そして喫茶店の天井を素早く見渡した。

 

 おい、リリア! シャルテ! 見てるんだろ? 本当はそこらに居るんだろ?

 出て来いよ! 俺と幸桜こはるは血縁なんだよな? 幸桜こはるの言う事は本当の事なのか? おい! 教えろ!

 

 しかしやはり返事はなかった。

 

 くそ……なんでいねーんだよ! まったく…

 んっ…待てよ? そういえば、俺が小さいとき、こいつが生まれて見に行った記憶があるぞ?

 俺が五歳の時に幸桜こはるは生まれたんだよな? 幸桜こはるが連れ子? どう考えてもおかいしだろ。

 という事は、幸桜こはるが言ってる事はやっぱり嘘だよな?

 

「ちょっとごめん、幸桜こはるを疑う訳じゃないけど、俺は幸桜こはるが生まれ時に見に行った記憶が若干残ってるんだけど?」

 

 行幸みゆきがそう言うと幸桜こはるはちょっと泣きそうな顔になった。

 

「だって…お母さんは結婚前に前の彼氏と子供が出来ていて……私はその人の子供で……」

「へ? いや、おかしいって!」

「いくらおかしいって言っても、そういう事なの…」

 

 な、なんという事だ! 神様、これはどんな仕打ちですか!

 

「ええと…そ、それでも親父は母さんと結婚したんだよな? じゃあ俺は何なんだ?」

行幸みゆきは……お父さんが結婚を前提にしてた彼女との間に出来た子供なの」

「へ? ええと?」

 

 今日は驚きの連続です…

 

「それも…俺の知らない情報だよな…本当の事なのか? だいたい、俺が五歳の時に幸桜こはるは生まれたんだぞ? それまで俺は母さんと一緒にいたぞ? おかしくないか?」

「本当だよ! こんなので嘘をついてどうするのって言ってるじゃん!」

「待って…よく理解できない…その彼女と父さんは何故に結婚しなかった? それになんで母さんとも結婚してなかった?」

「その彼女は結婚前に交通事故で……」

「……えっ?」

「お兄ちゃんは帝王切開で助かったんだって……お父さんが言ってた…」

「ソ、ソレハヒドイハナシダ…」

 

 オイマテ……俺の実の母さんはもうこの世にいないのか!?

 う、嘘だろ!? そうだ、嘘だよな? こういう重大な情報が俺に入っていない訳ないよな? いくらあの親父でもそんな隠し事をするはずが……


 その時、脳裏に浮かんだ記憶。とある日の父の一言。

 幼稚園の頃だったかな? 親父が旅行先で星空を見ながら言ってた言葉。

 

「なぁ、行幸みゆきはお母さんが好きか?」

「うんっ! 大好きだよ!」

「そうか、良かったよ……好きになってくれて」

「どうしたの? パパ…泣いてるの?」

「いや、大丈夫だよ…行幸みゆきは大事な大事なパパの子供だからな」

「うん! 僕もパパが大好き。でも今日のパパって変だよ?」

「お母さんもきっと喜んでるな……」

「???? ママはお部屋で待ってるよ?」

「あははは。そうだな……うん…じゃあママの所に戻ろうか…」

 

 何故か今になって鮮明に思い出した……今になって何でこんな記憶が突然?

 でも……幸桜こはるの説明を聞いた今ならちょっと納得できる? って待て…という事は?

 

「お兄ちゃんはその彼女の……そう、お母さんの双子のお姉さんの忘れ形見なの…」

「……くぅ……」

「今のお母さんは、行幸みゆきのお母さんの妹なんだ。事情があって一緒に住んでたみたいだけど」

「え、えっと? 頭がこんがらがってるんですけど…」


 俺の母さんは幸桜こはるの母親のお姉ちゃんで、俺の親父は俺の実の母親の妹と一緒に住んでいて? 妹さんは彼氏が別にいて、それでもって結婚前に事情があって別れた?

 それで、幸桜こはるの母さんと俺の親父が結婚した?

 という事は…幸桜こはるは俺のいとこ!? イトコ?

 

「……チョットリカイデキマシタ」

「う、うん…」

「……ハハ」

「ご、ごめん…こんな事、今話すべきじゃなかったよね」

 

 幸桜こはるはすごく悲しそうな顔で俺を見た。

 

「いや、教えてくれてありがとう。そっか俺だけが知らなかったんだな……でもいつかは知らなければいけない事だったし。だから幸桜こはるは悔やまなくってもいいからな」

「うん…ありがとう。やっぱりお兄ちゃんは優しいね…」

「ば、馬鹿! 当たり前だろ? 昔から優しいだろ」

「うん…だから…だから私は好きになったんだよ」

「え、えっと…」

 

 しかし何という事だ。俺は色々と知らなすぎた……いや、知ろうとしてなかったのか?

 そういえば、中学の時に両親から大事な話があるって言われたな。俺は反抗期だったし、面倒だったしで聞かなかった。

 そうか、大事な話ってこれだったのかよ……

 幸桜こはるの言う通り、このレベルの嘘は流石に無いだろうしな。

 そうなると…やっぱり引っかかるぞ。

 じゃあ、何でリリア達は幸桜こはるの記憶を消したんだ? 不思議だよな?

 

行幸みゆき

「は、はい!」

「私の気持ち……想っていた事を伝えたい!」

「えっ?」

「私、高坂幸桜こうさかこはるはずっと高坂行幸こうさかみゆきの妹として暮らすつもりでした。私は行幸みゆきを本当の兄として慕って、そして絶対に好意を持たないようにしようって思っていました。でも…行幸みゆきが出ていってから……私は本当の気持ちに気が付いていました。私は本当に行幸みゆきが大好きだったってね」

 

「ハ、ハイ?」

 

「ねえ…行幸みゆきは私の気持ちに気がついていたんだよね? 行幸みゆきも我慢をしてくれていたりしたのかな?」

 

 いや、それは先日気がついたというか……ハイ。そして我慢って何をでしょうか…え、えっちな事かな?

 

「ええと……何と言うか…」

「ねぇ、行幸みゆき

「はいっ」

「私は行幸みゆきを一人の男性として好きです」

「こ、幸桜こはる?」

「私は確かに妹だよ? でも今は行幸みゆきが大好きなひとりの女の子なの。私は行幸みゆきを誰にも取られたくない。だからお願いです。私と一緒にいて欲しい! ずっと一緒にいて欲しいの! 戻って来て! 私と一緒に暮らそうよ! そして……私と付き合って下さい……」

 

 幸桜こはるは周囲にも響く声で告白をした。その真剣な告白に行幸みゆきは無言になる。

 周囲からの視線や言葉なんて気にすらならない。いや、気にしているような状態じゃなかった。

 

 ☆俺のまとめ☆

 俺は実の妹に告白されました。

 そして、実は妹だと思っていた女の子はいとこでした。いとこは四等親です。

 そう、やっちゃっても問題も無い相手でした。Hをしても近親相姦には当てはまらないと思われます。

 よって付き合っても問題ありませんし、結婚をしようと何をしようと問題ないみたいです。

 以上!

 

 いや、待て、これは問題ありすぎだろ…別の意味で色々と!

 

 続く

急展開! まさかの展開! どうなる? どうなるんだ行幸みゆき! そしてこの展開が更なるまさかの展開に!? と予告風に書いてみました。

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