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どうしてこうなるんだ!  作者: みずきなな
【どうしてこうなるんだ!】
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第三十八話【俺の決戦の結末②】

謎の女が現れて俺の事を助けた!? こ、これはヒーロー登場フラグなのか! 俺はもしや悲劇のヒロイン!? なんて馬鹿な事を考える余裕があればきっと行幸みゆきもこんな事にはならなかったはず。という事でお待たせしました! 後半戦のスタートです?

 フロワードが謎の女にKOされた。

 まるで格闘ゲームのコンボ技のような、見事な連続攻撃で沈んだ。

 俺は? 俺は仰向けに地面に転がってる……


 地面の転がった行幸みゆきは倒れたフロワードを確認した。

 暗くて表情は確認出来ないが、間違いなく気絶している。


 一回の攻撃でここまでするなんて、なんて女だ……

 

 行幸みゆきはゆっくりと女の方へと視線を移す。

 見えてきたのは風に煽られるスカート。

 スカートはときおり風で捲れ、中の白いものが目に飛び込んでくる。と思ったけど、実際は飛び込んできそうでこない。見えそうで見えない。


 なるほど……これが噂の絶対領域か。※違います


 おもいっきり見えるよりも、男共はこういう見えそうで見えない方が興奮するらしい。

 そういう俺は見えた方が興奮する派だ。だからエロゲーが好きなんだ。

 と思っていたら強い風がぶわっと吹いた。そして見えた。白だっ!

 

 OK、許そう。

 何を許すのかは想像にお任せします。


 そんな行幸みゆきを気にも留めていない様子で女はフロワードに向かって文句を言っていた。

 

「私の物に……はぁはぁ……手を出すから…こうなるんだからね」

 

 その台詞を聞いた行幸みゆきはハッとして顔を見上げる。しかし女の後ろ姿しか見えない。


 私の物って? 何で俺がこの女の物なんだ?

 そういえば、さっきも私の物だとか言ってた気もするな。

 

 なんだかんだで下着を覗いてる場合じゃないと気づいた行幸みゆき

 少し残念な気持ちを抑えてつつ立ちあがった。

 

 女性は行幸みゆきに背を向けたままずっとフロワードの方を向いている。

 視線の先は仰向けに倒れているフロワードだ。

 

 フロワードの奴は大丈夫なのか?


 あの攻撃である。一撃必殺である。

 流石に少し心配になる行幸みゆき


 でも待てよ? フロワードは俺とえっちな事をしようとしてたんだぞ?

 危なくロストバージンだったんだぞ?

 これはきっとばちが当たったんじゃないのか? そうだ! これは罰だ!


 妙なところで納得する行幸みゆき。ぐっと拳を握った。


 しかし……この女は何者なんだ?

 俺を「私の物」だなんて言ってたけど、こいつは俺を知ってるのか?

 フロワードを殴ったのは本当に俺を助ける為なのか?

 もしかして……実はフロワードの元カノ?

 俺が浮気相手だと思った?

 でも、それなら俺に文句を言うよな?


 行幸みゆきは頭を悩ますが、結論なんて出るはずない。


 と、取りあえず声をかけてみるか? 何事も黙っていても始まらないしな。

 でも、ちょっと緊張するなこれ……


 ふぅっと一度深呼吸をすると、今度は乱れていた髪を手櫛で直す。

 そしてドキドキと緊張しながら声をかけてみた。

 

「あ、えっと……」

 

 しかし、声をかけているにも関わらずまったく反応してくれない。

 それどころか、女性はフロワードの方へ向かって再び何かを言い始めたじゃないか。

 

「絶対にあげないから!」

 

 その台詞を聞いてまたも動揺する行幸みゆき

 

 まただよ……「絶対にあげない」ってどういう意味だよ?

 

「おい、お前は誰だ!」

 

 行幸みゆきは少し強い口調で女に向かって聞いてみた。

 薄暗くなった橋の上で目を細めてその女を見る。

 すると、行幸みゆきの声に反応したのか、女がゆっくりと行幸みゆきの方を振り向いた。

 振り向いた女性の顔は街頭に照らされ、はっきりと確認出来る。そして気が付く。見覚えのある顔だ。 


「お、お前は!?」

 

 そう、俺はこの女と会った事がある。

 数時間前だ。いくら物忘れの激しい俺でも忘れるはずもない。

 

「ホ、ホワイト?」

 

 女の正体は同じMMOプレイヤーのホワイトプリンだった。

 いや、本当の正体はホワイトプリンの姿をしたすみれだが、見慣れていない完璧な女性としての格好を見て、行幸みゆきすみれだとはまったく気が付いていなかった。

 行幸みゆきはまったくすみれだとは気づかず、怪訝な表情でそのまま話かける。

 

「何でここにホワイトがいるんだよ?」

 

 すみれはその質問には答えなかった。

 そして無言で体を震わせながら俯く。

 

「痛いっ……」

 

 俯いたかと思うと、顔を歪めて右手首を左手でぐっと押さえる。

 その顔は痛みを堪える表情。手首が痛いとだと表情で解る。


 すみれは人を殴った事が無かった。力任せに加減せずに殴った右手首は自分のパンチの反動にすら耐えられなかった。

 そして手首を完全に痛めた。

 痛めた手首からくる激痛がすみれを襲う。

 痛みがヒートアップしていた気持ちを下げてゆく。

 

「ホワイト、もしかしてフロワードを殴った時に手首を捻ったのか?」

「……っ」

「おい、ちょっと見せてみろよ」

 

 行幸みゆきすみれに一歩に近寄ろうとする。

 しかしすみれは「来ないで!」っと怒鳴ると一歩後ろへと下がった。

 

「何でだよ? 痛いんだろ? 見せてみろよ」

「いいの! 来ないでよ! ほっておいてよ」

 

 すみれは再び「痛いっ」っと痛みに顔を歪める。

 

「ほら、痛いんじゃないか! 俺に見せてみろって言ってるだろ! もし折れてたりしたらどうすんだよ!」

 

 再び寄ろうと一歩前へと出るとすみれはまた一歩後退する。

 行幸みゆきが一歩寄れば、すみれはまたまた一歩後退する。

 

「何で逃げるんだよ!」

 

 行幸みゆきは逃げるすみれを見て思わず怒鳴ってしまった。

 怒鳴り声を聞いたすみれは、びくんと体を震わせて少し怯えるように震えた。

 

「だって、だって……」

「だって何なんだよ!」

「うぅぅ……」

 

 すみれは声を殺したまま瞳に涙を浮かべる。

 そして、その涙はあっと言う間に両方の瞳から溢れ、顔は涙でグチャグチャになっていった。

 それを見た行幸みゆきは流石に立ち止まった。

 女の涙は見慣れたものじゃない。これ以上泣かれても困る。そんな思いがあったからだ。

 

「ほ、ほら、近寄るのはやめたから、泣くなよ」

 

 しかしすみれは泣き止まない。

 

「何で泣くんだよ? 俺は悪い事なんてしてないだろ?」

「……うぅ」

「おいおい、俺が何かしたのかよ?」

「……ぐす」

「だから泣くなって」

「……」

 

 行幸みゆきがいくら声をかけてもすみれは肩を震わせて泣き続けた。行幸みゆきは困惑してしまう。


 どうすりゃいいんだよ?

 こういう場合って恋愛ゲームだと女の子のそばに寄って慰めてやると好感度アップするはずなんだよな?

 だけど、近寄らせてすらさせてくれないジャマイカ。

 やっぱりリアルだと通用しないのか?

 こういう場合はどうすればいいんだよ?

 でも……そうだな、もう一回だけ試すか。

 

 「ほら、大丈夫だから……俺は君の敵じゃないから……俺に見せてみな?」


 行幸みゆき優しく声をかけながら、ゆっくりとすみれに近寄よってみた。

 するとすみれは逃げない。


 あれ? これは成功なのか!? よしっ!


 だんだんと、ゆっくりと二人の距離が縮んでゆく。

 そしてついに目の前まで来た。


 うまくいってるぞ。ここで慰めてやればこの女も落ち着くはず。


「ホワイト、泣くな。ほら、手首を見せてみろ……」

 

 行幸みゆきすみれの右手に触れた。

 その時だった! 行幸みゆきに『ぷつん』とどこかで聞いたような音が聞こえた!


 えっ!? ぷつん? これってどこかで聞いたような? と考える間もなく、目の前のすみれが顔をあげる。


 行幸みゆきすみれの表情を見て驚愕した。

 先ほどまで弱い女の子のようにシクシクと泣いていたのに、今度は顔を真っ赤にして激怒の表情なのである。

 

「触るな! 離れろこの変態! どっかいけよ! 行幸みゆきなんて大嫌いだ!」

 

 そして凄まじい暴言の連続攻撃を仕掛けてきた。

 

 ま、待て! こいつどうしたんだよ!? っていうか酷い言われ方だろ!?


 「おい、ちょっと待てよ、いきなりなんで怒りだしてるんだよ」

 「行幸みゆきが悪い! 行幸みゆきが全部悪いんだからね!」

 

 行幸みゆきの言葉を無視するかのように一方的に攻撃される。

 いきなり自分が悪いと言われて行幸みゆきは意味がわからない。

 

「え? なんで俺が悪いんだ?」

「全部、全てが行幸みゆきのせいなんだから!」

「な、何がだよ!?」

「私の許可なしにフロワードと逢った!」

「まて! なんでお前の許可が必要なんだよ!」

「私の気持ちも知らずに! 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿!」

 

 何でこいつはイキナリ怒るんだ? オカシイだろ?

 バグまみれのゲームじゃなんだぞ? 泣いてた女が激怒?

 だいたい俺のどこが悪いんだ? どこが俺のせいなんだ? 意味不明だし、フロワードと俺が逢うのにホワイトに許可を取らないと駄目とかないだろ?

 それに私の気持ちも知らずに? どういう事だ? だいたい、ホワイトと俺はMMOの中でも別に仲良しじゃないぞ!?

 おまけに馬鹿を連発される意味がわかんねー!

 なんかすみれみたいな奴だな。

 

行幸みゆきの馬鹿! 馬鹿! 鈍感馬鹿!」

 

 そして再び馬鹿と言われまくる行幸みゆき

 

「待て! 馬鹿馬鹿言うな! だいたいお前は俺の何なんだよ!」

 

 何だよこいつ! 人の事をほんと馬鹿にしやがって! 昔からの友達でも知り合いでも無いだろうが!

 それに何だよ! まるで暴走したみたいな口調になりやがって! フェロモンで暴走してるのかよ!


 そこまで心の中で文句を吐きまくってハッとした。


 ……ん? ………暴走してる?


 激怒するホワイトを再確認する。

 先ほどまで痛がっていたのが嘘のように憤怒している。

 どう見てもおかしい。おかしすぎる。


 そういえばこいつ、マジで暴走してるみたいじゃないか?

 ま、まさか!? ホワイトは暴走してるのか!?

 

「だって馬鹿でしょ! 鈍感でしょ! ほんと最低!」

 

 そうか、さっきの『ぷつん』は暴走モード突入合図だったのか!?

 そう言えば幸桜こはるが暴走した時も聞こえた気がする……という事は。

 

「えっと? ホワイト? 落ち着いてくれるかな?」


 とりあえず落ち着かせて暴走を解かないと。


「ねぇ、妹が好きだなんておかしいよね? 本当におかしいよね?」

「あのさ、俺の言ってる事を聞いてる?」

幸桜こはるちゃんて実の妹だよね?」

「聞こえてない? おーい」

「やだなぁ……変態だ……妹が好きだなんてヘンタイ! ヘ・ン・タ・イ……だっ!」

「いや、だから落ちつけって!」

 

 行幸みゆきは確信した。

 こいつ、俺の話を聞いてねぇ。そしてこれは完全に暴走モードだ。

 という事は、フロワード以外のもう一人の俺を好きな奴って……ホ、ホワイトなのか!?

 

「え、えっと……待て、ホワイト、落ちつくんだ」

 

 でも何でだよ? 何でホワイトが俺を好きになるんだよ?

 や、やばい、顔が熱くなる。ちょっと意識しただけで何でだよ! くそ!

 でもまさか、ホワイトが俺を好きだったなんて……


 ホワイトは怒っていてもとても可愛いかった。


 アリエナイ……こんな子が俺を好きとか……

 実は夢とか?

 

 行幸みゆきは自分の頬をパンと叩いた。


 痛っ…

 

 ゆ、夢じゃない!? 俺を好きな二人目はホワイトで確定? いつフラグが立った?

 あれ? 待てよ? ええと……ホワイトは女だよな? 俺は本当は男なんだぞ?

 って事は、ホワイトが俺を好きな事が確定ならば、ホワイトの告白を受ければ今回のミッションは完遂した事になるのか? 俺は男に戻れるのか?

 いや待てよ……ここで懸念される材料があるよな。それは今の俺が女だって事だ。

 もしも、もしも、もしもだぞ? ホワイトが百合属性だったらどうなるんだ?

 俺を普段から女だと思い込んでいて、女の俺が好きだったらどうするんだ?

 男に戻れずに女のまま百合カップルっていうのもあり得るんじゃないのか?

 あるよな……やっぱり素直に受け入れるのもやばいな。

 で……どうするんだ? リリアに質問するにもここには居ないし。


 ……


 本気でどうするんだよ!

 ここは変態扱いされても仕方無いから、幸桜こはるが好きだって言っておいた方が無難なのか?

 そ、そうだよな。俺はホワイトと今日はじめて合ったんだ。まだ俺はホワイトに対して好きという感情は湧いてない。

 やっぱり告白なんて受けられない。


 でも…女に好きって言われたのは初めてだよな……

 ついに俺も女から初告白されたのか……っと、同時に思い出した妹から【初告白】された事実。


 ちょっと涙が出た。

 

 本気でちょっと泣けている行幸みゆきは、未だにホワイトがすみれだという事に気が付かない。


 【超鈍感】である。

 

「ねえ、答えて! 本気で妹が好きなの?」

 

 く、くそ…ここは…


 行幸みゆきは覚悟を決めて答えた。

 

「ああ、幸桜こはるが好きだ!」

 

 その一言で再び涙をぼろぼろと流すすみれ


 怒っていたと思ったらまた泣き出した!? 何だよこいつ! と思いつつも、泣いているすみれを見てズキっと心が痛む。


 くそ……でも仕方無いよな……俺はホワイトの告白はやっぱり受けられないんだ。

 

 それからしばらくすみれは両手で顔を覆い、声を出して泣いていた。

 

 ……言葉が無い。

 ……何も出来ない。

 ゲームで培った恋愛知識もまったく役にたたない。

 ただただ泣いている女を見ているだけの行幸みゆき


 俺、ダメじゃん……

 これって女を泣かした男って事にになるのかな?

 なんて考えて行幸みゆきも凹んだ。

 

「えっと……手首、大丈夫か?」

 

 しかし、ここで簡単には諦めない。ちょっとだけ頑張る行幸みゆき

 話題を変えてどうにかしようとした。しかし…

 

「やだ……触るな変態……」

 

 やっぱり変態扱いされた。

 

「ホワイト、聞いてくれ。あれだ、あれだよ。幸桜こはるとは結婚とか考えてる訳じゃなくって……」

「結婚出来なくてもイチャイチャ出来ればいいんだ……」

「いや、そうじゃなくって、幸桜こはるとは……」

「妹とキスして、妹のおっぱい触って……妹とセックスするんだ……」

「ちょ!? ま、ま、ま、待てよ! 俺はそんな事はない!」

「そんな事を言って……どうせもう妹の裸とかもう見たんでしょ」

「いや見てない……あっ」

 

 しっかり見てました!

 

「何度も、何度も……見てるんだね」

「い、いや、ちょっと見ただけだ! そういう関係じゃない!」

「……本当に見てたんだ」

 

 しまったぁぁ! わ、話題を変えないと!

 

「ええと…ホ、ホワイトは何で幸桜こはるが俺の妹だって知ってるのかな? あはは」

 

 懸命に笑顔で話題を変えようと努力をする行幸みゆき

 だが、すでにルートは確定していた。最悪のルートが。

 

「……もういいよ」

 

 すみれは黙り込んだ。

 

「よくない! まったくよくない! 教えてくれよ! 何で知ってるんだよ」

 

 しかし答えない。

 行幸みゆきは本気で気になっていた。


 何でホワイトはここまで知っているんだ?

 あのMMOで俺の妹の情報が広がっているのか? それはないはずだ。

 俺は妹の話題なんてほとんど出した記憶はない。

 じゃあ、ホワイトが調べたのか? 俺の素性を調べたのか?

 そんな事をするのはストーカーだ。

 ま、まさかストーカー!? ホワイトはストーカーなのか!?

 

 行幸みゆきはホワイトの容姿を確認しなおす。

 足元から頭まで舐め回すように…じゃない普通に見直した。

 ホワイトのスタイルは抜群だった。胸も結構でかい。C? いやDはあるな。

 『翼の折れた天使達』の『真名佐織』と同じくらいはあるだろう。(エロゲキャラである)

 こんな子が俺を好きだなんて……

 じゃあその体も俺の好きに出来ちゃったりするのか?


 うわ…うわああ!


 いけない【妄想中】を開始しました。しばらくお待ちください。

 基本的に残念な男です。

 

 ち、違う! 今はそういう事を考えてる場合じゃないだろ! っと一分で妄想から脱出した。


 ストーカーには見えないよな?

 

「えっと、もう一回だけ聞くけど……なんで俺の妹の事を知ってたのかな?」

 

 今度は優しく聞いてみた。しかし、やっぱり返事はない。

 

「ホワイト? 聞いてるかな? 俺の質問に答えて欲しいんだけど」

 

 すみれはその問いに対して、やっと聞こえるか聞こえないか程に小さくなった声で答える。

 

「……うるさい変態」

 

 やっぱり変態だった。そして答えになっていない。

 

 そんな二人の掛け合いを上空から見ている天使が一人。リリアである。

 リリアは険しい表情で行幸みゆきを見ている。

 

行幸みゆきさんは本当に鈍感なのですね。何故ここまで会話をしているのにすみれさんだと気が付かないのでしょうか?』

 

 リリアは小さく溜息をつくと、切ない表情ですみれを見下ろした。

 

『ここですみれさんだと気が付いてあげれば、今日にでも男性に戻れたかもしれないのに……その可能性はゼロではなかったのに……そうすればシャルテだって……』

 

 そして右手をぐっと握ると、そっと胸にあてる。

 

『でも、シャルテはいつかは試練に挑戦しなければいけない運命。これもまた運命なのでしょうか。天使長様。天使長様はこのような事態になると予測していたのですか? それともこうなるように……そんな事はないですよね?』

 

 リリアは天を仰いだ。

 

 

 続く

超鈍感な行幸みゆきすみれだと気が付くのか? そしてこの後の展開は? フロワードは? シャルテは!? とい感じで予告みたいな事をしてみたのですが? どうでしょう? え? ダメ? …はい…面白い事、考えます…(しょぼん

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