第十八話 【俺の妹は知らないうちに成長してました】
久々の連続投稿! 一気に進む展開!
果たして幸桜はどうなるのか?
行幸の運命は! って何さこれ…
「ふーん……お兄ちゃんはいつもこういうをのやってるんだね」
幸桜は特に怒る事も無く平然とした表情でエロゲーを見ている。
「えっと……」
まさかここでやってないなんて言えない行幸。
「男の人ってエッチなの好きなんだもんね?」
「あ、はい。私も一応男ですので、そういう事には興味がありまして……」
「へえ……お兄ちゃんもそうなんだ」
「あ、でも俺は基本はネットゲーマーだからさ、あんまりそういうのはプレイしないんだぞ?」
これって言い訳になるのか?
「ふーん……でもさ、別にいいんじゃないのかな?」
「え? いい? って何が?」
「見た所はボーイズラブやガールズラブ、女装ものの要素ものは無いし、ロリコン系のゲームもないから。でもまぁ妹系があるのがちょっとあれだけどね」
何だこいつ? 何でそんな台詞が? っていうか良く知ってるな!?
こいつもしかして腐女子なのか? って事は無いよなぁ……幸桜がそんな趣味を持ってるはずないし。
しかし一体どこでそんな卑猥な言葉を覚えてきたんだろうか?
※高校時代には既に全ての卑猥用語を知っていた自分の事は棚にあげております。
「妹系があるって事はさ、もしかして私の事も………」
え? 事も…事も? 続きを話してくれないと返事できねー!
「私も女の子だよ?」
「えっと…こ、幸桜は何を言いたいのかなぁ?」
「だから、あのゲームみたいに、そういう目で見てたのかなって」
うわぁあ! ストレートにきたぁあ!
直球だ! しかし直球だけあってこれは打ち返しやすい!
「無い! 無いから! 無いぞ! 無い! 無い! まったく無い!」
「……全く無いんだ? ふーん……そっか……うん、私は行幸には女だって思われてないからね」
うお! 変化球きた!
うぅ……これってどう答えるべきだ?
行幸が頭を抱えていると幸桜が急に立ち上がった。
「まあいいよ。じゃあ先にお風呂入ってくるね」
「え? あ、ああ……」
幸桜は部屋の隅に置いてあったトランクスとシャツ、バスタオルを持つとお風呂場へと向かった。
えっ? 俺の下着を持ってゆく? 何故に!
「おい!」
「何?」
「何で俺の下着を…」
「だって着替えないし」
「いや、俺のとか使わないでくれよ…」
「私は別に気にしないから大丈夫だよ」
「いや、俺が気にする」
「私に着られるのが嫌?」
首をかしげる妹にもうこれ以上は言えない行幸。
「……な訳ないじゃん」
「うん、じゃあいいよね! まぁ気にしないでいいよ」
幸桜はそのままキッチンへと消えた。
ちなみに俺のアパートはキッチンのある場所から直接お風呂に入るからそこで着替える事になる。
よってリビングとキッチンとの仕切りを閉めないとおもいきり見える。
閉めないと妹の生着替えを見てしまう事になるのだ。
「おい、そこの戸はちゃんと閉めろよ!」
「わかってるよ」
「おい、本当に俺の下着とかでいいのか?」
「いいのいいの! 兄妹なんだしさ!」
イマイチ納得できないが拒みすぎてもダメだろう。
「ねえ行幸」
「え? あ、な、何だよ!」
「覗かないでよ?」
「馬鹿か! 何で俺が覗くんだよ! お前の裸なんて見たくもねーよ!」
「えっ……ひどいなぁ……私だって出る所は少しは出てるんだよ? 見る?」
「覗くなって言ってそういう事を言うなぁ!」
「だって、大人になった私をあまり見てないよね?」
な、何でそういう事を言うんだよ!
くそーこういう場合は何て返せばいいんだ?
さっきからどう返せばいいかわかんねー事ばっか言いやがって。
『そうなんだ? じゃあ見せてみろよ』
ダメだろ! 見ちゃダメだろ!
じゃぁえっと……
『じゃあそっちから見せに来いよ』
余計にダメだろ!
言い方が違うだけで内容がさっきと同じじゃねーか! うわ…困った…
「行幸?」
「え?」
顔を上げるとそこにはバスタオルを巻いた全裸の幸桜が立っていた。
「ちょ! ま! おま! え? まだ俺は何も言ってないぞ!?」
幸桜は行幸の慌てる姿を見てケラケラと笑いだした。
「な、何だよ! そんな格好でいるな! 早く風呂に行けよ!」
「別にいいじゃん。中学校三年まで私と一緒にお風呂入ってでしょ? その時だって私……今ほどじゃないけど胸も膨らんでたよ?」
た、確かにそうだけど、今の方がずっとずっと大人になってるじゃないか。
「お兄ちゃん、一人暮らしを初めてから急に私に対して冷たくなったんじゃない?」
「待て! 何年前の話だよ! 今は俺は社会人でお前は高校生なんだぞ! それに冷たくないだろ? 俺はいつだって……お、お前の事が好きだし、心配してるんだぞ」
あー顔が熱い! はずかしい台詞を言ってしまった。
幸桜はそんな俺の赤いであろう顔を見ると再びケタケタと笑う。
そして急にその笑いは止まった。
『ふぅ…』
妹の大きな溜息が聞こえた。
「どうした?」
「やっぱり行幸お兄ちゃんなんだね……確信したよ」
寂しそうな笑顔で幸桜はそう言った。
そうか、幸桜は俺の事を試していたのか。
まだ何処かで俺が行幸だと信じれなくって……それでわざと。
「こんな自然な会話が出来るってさ、行幸とじゃないと無理だもんね……」
今にも泣きそうな幸桜の表情を見ていると妙に悪い事をしているという気分になった。
「ごめんな幸桜、こんな事になって…」
俺は俯きながら幸桜に謝った。
「ううん……別にいいよ。だって仕方ない事もんね……それにさ、男に戻れるかもしれないんでしょ? だったらいいよ。でも…早く男に戻ってね?」
「ああ、絶対に男に戻るよ」
行幸は笑顔をつくり顔を再び上げる。
その時! 幸桜のバスタオルがバサリと床に落ちた!
「へけ!?」
行幸は思わず変な声をあげて目を閉じた。がしかし…
「あーびっくりしたー! でも下着をまだ脱いでないから大丈夫だよ?」
ゆっくりと目を開くと幸桜はしっかりと下着を着ていた。
それを見て俺はとても残念な気分に……じゃない! よかったと思ったんだろ!
しかし……なんというか……下着とはいえ……
俺は思わず幸桜の全身を上から下へと流して見てしまった。
まだ大人の体になったとは言えないかもしれない。だけど幸桜は俺の知らない間に確実に子供から女になっていた。
中学時代のあの幼児体型とは違う。きちんと出る所は出て、くびれる所はくびれていた。
俺はこれからも幸桜の成長を見届けてゆきたいと思う。
『幸桜成長記』
【完】
って終わらない!
何で終わる! 何で終わるのさ? 俺は女のままだし! それにそんなタイトルにいつなったんだよ!
「あ、あんまり見ないでよ……恥ずかしいよ」
幸桜は顔を真っ赤にしてキッチンへと消えて行った。
や、やばい…幸桜の下着姿が脳裏に焼きついてしまった。
頭を抱えるのは残された行幸だ。
妹とはいえ女の下着姿を生で見てしまった。
とここで視線の先にある凸部分に気が付く。
あれ? 冷静に考えると俺も今は女なんだよな?
今さらである。
という事は……ブラとかパンティーとかつけると幸桜みたいな感じになるのか?
っていうか、俺って幸桜より胸があるし……胸……俺っておっぱいでかい!?
行幸は自分の胸を凝視した。目の前には豊満な一物が存在している。
それも今は自分のもの。自分の体の一部。
うおお! リアルおっぱいここにある! そうか…そうだったのか!
行幸はゆっくりと自分の胸を触ってみる。
うわ、やわらかい! っていうか変な感じがするし……
あ…う…こ、ここの突起を弄るとどうなるんだろ……
「あっ!」
や、やばい…思わず声が出てしまった。
焦った表情で周囲を見渡す行幸。だが誰もいない。
幸桜はまだお風呂に入ってるから大丈夫か。
ほっと胸を撫で下ろした行幸。そして、行幸の視線は胸部からさらに下へと移っていった。
こ、ここはどうなってるんだろう?
行幸が自分のトランクスをじっと見る。
下ってどうなってるんだろうと興味しんしんで見る。
実は行幸はこの歳になってもまだ経験も無かった。
だからエロゲームやエロサイトやエロ漫画以外であそこは見た事が無かった。
い、いいよな? 俺のだし。
行幸はゆっくりと体の下腹部へと手を伸ばしてみた。
そこには男とはまったく違う何かが存在していた。
な、何だろう……よくわかんないけどすっごく興奮してくる。
うーん……上からじゃ良くみえねーな。おっぱい邪魔だし。
鏡でもあれば見えるかな?
ここまで来るともうただの思春期エロ青年である。
行幸は小さな鏡を床に置くとゆっくりとトランクスを脱いだ。
そしてゆっくりと鏡の前へと体を移動させてゆく……
その瞬間『ガタン』とキッチンの方から物音が聞こえた。
ガタン?
行幸はゆっくりと音のした方向を見る。するとそこには……
「み、行幸……何やってんのよ……」
蔑んだ目の幸桜がいるじゃん!
「へ!? こ、幸桜? な、な? え? あ…これは」
下半身が裸では説得力は皆無です。
「な、何やってんのよ! 変人! 変態! エロ兄貴!」
「ま、待って! これには一般男子としてのあれだ、あれ!」
「言い訳しないでよ! さっきから見てたんだからね! やだ!お 兄ちゃんもうやだっ!」
バスタオルを巻いた幸桜は顔を真っ赤にして怒っている。
「ま、待て! 俺も男なんだ! 女体の神秘が気になるというのは自然な事なんだ!」
「何が神秘よ! 行幸はさっきのエロゲとかエロ本とかエロビデオとかでいっぱい見てるでしょ! 見てるんでしょ!」
うわぁ……幸桜がすっごい事を言ってる!?
「待った! ごめん! 俺が悪かった! すまん!」
っていうか、何でこんなに怒られてるんだろ?
「駄目! 許さない! 行幸の馬鹿!」
幸桜は右手を大きく振り上げた。
その瞬間、幸桜のバスタオルがバサリと床に落ちた。
その落ちる様を行幸はじと見ていた。
これってさっきもあったようなシチュエーションだよな。なんて安心していたら。
え!? ええええ!?
「キャァアァァァァァ」
幸桜は両手で胸を押さえてその場へしゃがみ込んだ。
ミ、ミテシマッタ……コハルノ…ハダカヲ…スベテヲ……
「み、み、み、行幸! あっち向いてよぉぉ!」
行幸は慌てて幸桜とは反対の方向を向いた。
「ねぇ……見たでしょ……」
「い、いや……見てないよ?」
「嘘だ、絶対に見た……」
「いや……えっと」
「正直に言ってよ……見たんでしょ? あれで見えてないとか……ないよ」
「えっと……いや……うん」
妹の言う通りです。
私は妹の全裸を見てしまいました。
「言いなさいよ! 見たでしょ!」
幸桜は背中越しに幸桜に向かって怒鳴った。
「ご、ごめん! 見た! 上も下も」
し、しまったぁ! 素直に答えてしまった!
『ドガ!』
深夜の部屋の中に響く重低音。
そしてその重低音と同時に行幸の背中に衝撃が走った。
それと同時に行幸の体は前のめりに倒れ込む。
『ドサ!』
俯せになった行幸の背後から幸桜の震えた声が聞こえた。
「さ……最低…」
幸桜の立ち上がる音が聞こえたと思うと、すぐに『ドン!』とキッチンとリビングとの間にある扉を閉める音が聞こえた。
やばい所を見られてしまった……それも幸桜に…
おまけに幸桜の裸まで見てしまった。
それもかなりハッキリと……
行幸の脳裏に映し出されるのは若くてピチピチっと張りのある女子高生の裸体であった。妹のだけど。
あ、あれだ! っていうか、何で裸にバスタオルで来るんだよ?
さっきみたいに下着くらいつけてくれよ!
そうすれば問題なかったじゃないか!
俺は悪くない! 悪くない!
下半身裸で何をしているんだ? 行幸くん。
でも、なんでいきなり現れたんだ?
もしかして、俺が変な事をするかもって思ったから?
風呂に入る寸前に物音に気がついて、気になって覗いてたのか?
っていう事は全部見られたって事ですよね?
行幸は少し反省した。
少しであって大いに反省しないのが行幸の良い所だ。
そして思っていた。妹の居ない日に続きはしようと……
さてどうする?
幸桜が戻って来たら何を話せばいいんだ?
兄貴が女性化して秘部を見ようとしていた後で、俺は妹と何を話せばいいんだ?
頭を悩ませる行幸だった。
作者と対談②
作者「はい!今日は幸桜さんに来て貰いました」
幸桜「こんにちは」
作者「はい、こんにちは」
幸桜「では、そろそろ…」
作者「いや、ちょっと待って!まだ何も聞いてないよ」
幸桜「じゃあ早く聞いて下さい。私も暇じゃないんです」
作者「行幸じゃない人には冷たいんですね」
幸桜「ば、馬鹿じゃないの?私は別に行幸に優しくないし!」
作者「はいはい…そうですねっと」
幸桜「な、何よ!質問あるんじゃないの?もう帰るよ!」
作者「あ、ごめんなさい。じゃあ質問です。幸桜さんのバストは79という事はBカップですよね?女性になった行幸よりも小さいと思いますが不満はありませんか?」
作者「え?な、何ですか?その振り上げた右手は!?あ!やめ……」
作者代理です。
申し訳ありませんがこの対談はここで急遽終了とさせて頂きます。
それでは次話をお楽しみに!