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どうしてこうなるんだ!  作者: みずきなな
【どうしてこうなるんだ!】
108/120

おまけ【天使長とリリア】

ほとんど天使長とリリアとの会話です。

おまけ程度でお読み下さい。(いや、最初からおまけでした…)

 リリアの作った魔法世界は崩壊していなかった。

 先ほどまでそこにいた行幸みゆき達を元の世界に戻し、天使の二人はその場に残っていた。


『あの…天使長様』

『ん? なんじゃ?』


 リリアは苦笑を浮かべならが天使長を見る。

 そして天使長の口調もしっかりと元に戻っている。


『ええと…すみれさんと幸桜こはるさんを行幸みゆきさんの恋人設定にされましたか?』

『ああ、どうせシャルテを含めた四角関係になるなら、あの二人は恋人設定が良いと思ってな?』

『あの…私達の目的は最終的に恋愛対象者を一人に絞る事ですよね?』

『ああ、そうじゃな』

『恋人になった設定ではその目的は無くなってしまうのでは?』


 天使長はニタリと不気味に微笑んだ。


『実はの…』

『は、はい…』

行幸みゆきが恋愛対象者を複数持つという特性はもはや消えぬ事が判明しておる』

『そ、それはどういう事なのでしょうか?』

『要するに、あいつは恋愛対象者が複数人になる可能性を最初から秘めておったという事じゃ』

『はっ? で、では私達が頑張っていた事は無駄だったのですか?』

『いや、それは意味があるのじゃ。恋愛対象者はあくまでも対象者じゃ。行幸みゆきの気持ちがなければ増える事もないし、恋人になる事もない』


『はぁ?』《天使長様は説明が下手ですよね…よく意味がわかりません…》


『現時点での恋愛対象者は三人じゃ。全員を恋人や愛人に格上げしておいて、あとは行幸みゆきに選んで貰う。うむ…万事OKじゃな!』


 リリアの顔が歪む。


『そ、それでよいのですか?』

『なんじゃ? リリアは不満か?』

『い、いえ…』


 天使長はリリアの顔をじっと覗き込んだ。


『な、なんでしょうか!?』

『ふふふ…リリアよ、お主も堕天したいのか?』

『そ、それはどういう意味でしょうか?』


 天使長がリリアの肩をぽんっとステッキで叩くと、まるで全身の力が抜けたかのように椅子に崩れ落ちた。


『い、椅子? いつのまに!?』

『ふふふ…』


 不気味に微笑む天使長。慌てて立ちあがろうとするリリアだが…

 天使長が先にリリアの頭をぽんっと叩いた。


『わ、私を計ってどうするのですか!』


 顔を真っ赤にしてリリアが椅子から立ちあがった。

 天使長はニタニタと怪しい笑みを浮かべる。


『ほほう…四百八十二か? なかなか良い数値じゃな』

『ああ…もう…何をなされるのですか…ううう』


 リリアはあまりの恥ずかしさに両手で顔を覆った。


『しかし、これはうまくゆけば恋人関係になれる数値じゃぞ?』

『て、天使長様、からかわないで下さい。私は行幸みゆきさんに何の想いもありません!』

『ほほう…じゃが、あの数値では説得力が皆無じゃぞ?』


 リリアは大きな溜息をついた。


『あははは! まったく、行幸みゆきという奴は本当に不思議な奴じゃ』

『本当にそう思います…』


 天使長に自分が行幸みゆきに好意を持っていた事がばれてリリアは瞼を閉じて後悔する。


 まったく…私とした事が…何をしているのでしょうか…


『リリアよ。私も計ってくれ♪』

『は、はい?』


 リリアが瞼を開けると天使長が椅子に座っていた。


『て、天使長様!?』

『いや、ちょっとやってみたくなったのじゃ』


 リリアは手のひらをじっと見た後、天使長の頭を軽くぽんと触った。するとリリアの表情が変わる。どうして? っと疑問の表情を浮かべた。


『て、天使長様? これはどういう事なのですか?』


 今まで一切の照れを見せなかった天使長の頬がちょっとだけ赤みを帯びる。


『やっぱり高いのか?』

『高いも何も、五百二十二って…これはどういう事ですか?』


 天使長は咳払いをする。そして、耳まで赤みを帯びた。


『まぁ…いわゆる一目惚れかの?』

『て、天使長様?』

『そそるではないか…』

『そそる?』

『そう! そそるではないか! 元が男なのに女性じゃぞ? そしてあの【神無月みつば】なのじゃぞ?』

『天使長様?』


 天使長は鼻息を荒くしながらリリアに力説を続ける。


『私の昔の作品の登場人物になっておる男…ああっ! すばらしいではないか!』


 リリアの目が点になった。


『え、えっと? 行幸みゆきさんを女性にする罰なのですが…あれはネカマをして人を騙していたからでは?』

『うむ! そういう事にしておる!』


 しておるって…おっしゃいましたか?


『まぁ良いでは無いか!』


 そう言うと天使長は大声で笑った。


 いえ、私は良くないかと…思うのですが…と言いますか…えっと…


『天使長様って…TS(性転換)が趣味とか無いですよね?』


 天使長の表情が固まった。


 ……なんて正直な方なのでしょうか…


『な、何を言っておる? TSなど…あるはずないではないか』

『そうですね…そういう状況を作らない限りは…ですよね?』


 天使長はリリアから目を剃らした。

 リリアは呆れて溜息をついてしまった。


 ああ、行幸みゆきさん。今ここで私は謝罪しておきます。

 行幸みゆきさんが女性になったのは…罰ですが…半分はここにいるTS好きの天使長の策略でした…


『しかし、リリアが行幸みゆきに惚れるとは想定外であったな』


 天使長は話題を逸らす。しかし…


『天使長様? 私の事をどうこう言っている場合ですか?』

『…ま、まぁ…おちつくのじゃ。人は誰しも過ちを犯す事もあるのじゃ』


 天使長様、何気に過ちと認めてますよ…あと、貴方は人じゃないです。


『ともあれ…行幸みゆきには良い恋愛をして欲しいものじゃな』

『ええ、それは…そう思います』

『リリア、行幸みゆきの監視を宜しく御願いするぞ?』


 天使長はニコリと微笑んだ。


『はい。今度は正体を明かさすにきちんと監視させて頂きます』

『それでは私は戻るぞ…』


 天使長は大きく美しい羽根を広げた。


『はい…お疲れ様でした』

『リリアよ』

『はい?』

『浮かぬ顔じゃな?』


 リリアは両手で自分の顔を触る。


『い、いえ…そのような事はありません』


 と言いつつも、少し気持ちが落ち込んでいたのは確かだった。

 もう二度と行幸みゆきとは話が出来ない。

 もう二度と姿を見せてはならない。

 例え、行幸みゆきが記憶を取りもどしたとしても…


『リリア、そうじゃ! いっそこの恋愛バトルに私と一緒にリリアも参加するか?』

『な、何をおっしゃってるのですか!?』


 不意打ちな言葉に本気にする事は無いが焦るリリア。


『冗談じゃ。あはははは』

『こういう冗談は止めてください!』

『あはは…ふう…しかしの?』


 突然真面目な表情になる天使長。

 リリアも釣られるように表情を硬くする。


行幸みゆきはリリアを思い出す設定にしておいた。もちろん思い出すのは行幸みゆきだけじゃぞ? あと、秘密は話せぬようにしてあるから安心するのじゃ』

『…!?』


 今の言葉で何を安心しろと!?


 リリアの開いた口が塞がらない。


 何を考えておられるのですか? 天使長の言っている意味が理解できません。冗談ですよね?

 頭の中ではそう思っているのに声に出ない。


 リリアは口をぱくぱくと金魚のように開いたり閉じたりしていた。

 そんなリリアに天使長がトドメを刺す。


『白い下着を見るとリリアの下着を思い出すようにしておいたのじゃ』


 リリアの顔はまるで茹で蛸のように真っ赤になった。


『て、天使長様ぁぁぁぁぁぁ!』


 私は忘れるのを前提に…さ、最後に下着を見せてあげたのに!

(サービスの下着シーンを参照にどうぞ)


 これでは…これではただの見せ損じゃないですか!

(いえ、それは違うと思いますが?)


 でも…内心ではちょっと嬉しいです。

 もう二度と逢えないけれど、行幸みゆきさんは私をずっと憶えているのですね。

 私も貴方をずっと憶えています。そして、過ごした時間は短かったけれど大事な宝物になりました。

 行幸みゆきさん…本当にありがとうございました。



 天使長とリリア編

 終わり







『もちろん私の事も忘れぬようにしてあるのじゃ!』


 終わり

リリアもヒロインの素質を持っていたのですが、最終的には便利キャラになってしまいました。

要するには都合の良い女(天使)です。

何気に正義のようで悪だったりするリリア。

途中からだんだんと好意を持つように描写していたのですが、気が付いて頂けてましたか?

天使長はなんとも言えません。

とりあえず、熱しやすく冷めやすい天使です。

『エンジェルぷれしす』は、天使長が道楽で人間界に設立した会社です。

すぐに大天使長に怒られて解散したのですが。

あと、天使長はTS大好物です! そう、私と同じ!(ぇ

以上でした。


この後は、エピローグに続きます!

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