表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どうしてこうなるんだ!  作者: みずきなな
【どうしてこうなるんだ!】
1/120

プロローグ 【どうしてこうなった!?】

秋葉ネタが多いようで多くない、マニアなようで軽い小説です。

こっそりコメディージャンルですが、主にラブコメだったりします。

途中で文章の書き方が変化してたり読みづらかったりするかも?

エロゲーを参考にしたちょっとエッチなシーンもあったりします。

妄想力があればR18にだってなります。妄想力のあるあなたならいけるはず。

 おい……。

 

 ばちがあたるっていうのは有りえる事のか?

 

 人は嘘はついてはいけないのか? 


 人を騙す事はすべてが罪なのか? 


 人は常に正しく生きなければいけないのか?

 

 正直に言えば俺はまったくそんな事を気にしていなかった。

 いや、気にした事はなかった。 

 そう、昨日までは。

 

  

 ☆★☆★☆★☆★ 

 

 

 師走も迫った12月の某日にその事件は起こった。

  

 くそ、どうすればいいんだよ!? もう家を出なきゃバイトに間に合わねーし!

 

 行幸みゆきは心の中で叫びながら慌ただしくアパートのを走り回っていた。

 時計を見て顔がさらに焦って歪む。

 もうアパートを出なければいけない時間になっていたからだ。


 やばいだろこれ? 急がなきゃいけないのに。

 このままじゃバイトの始まる時間に間に合わなくなる。


 くっそ、こんなに慌てている俺を端から見た奴がいたらこう思うんだろうな。

 だったら、早く行けばいいじゃないかって。

 そうだよ、その通りなんだよ! それが正解だよ!

 俺がさっさと準備をしてアパートを出れば良いだけなんだよ! 


 でもな? 俺がこんなに困っているのには理由がある。

 今の俺がすぐにはバイトに行けない理由っていうのがあるんだよ。

 

 取りあえずこう言いたい。


「どうしてこうなるんだ!」

 

 行幸には現在、とても重大な事件が発生していた。

 その重大な事件とは、行幸が想像すらしていなかった出来事だった。


「おかしいだろ? 何で俺が女になってんだよ?」

 

 そう、行幸は女になっていた。


 何を冗談を言ってるんだ? お前、最初から女なんだろ? 呆けてるだけじゃないのか? 男が女になるとありえるかよ。


 周囲に人がいればそう言って行幸を指さしたであろう。


 頭大丈夫? もしかして精神異常者なのか?


 なんて思う奴だっているだろう。

 だが、行幸の言っている事は事実だった。

 確かに昨日の夜まで行幸は確実に男だった。


 行幸みゆきは今の現実を受け入れられないまま頭を悩ませていた。

 そしてどうしてこうなってしまったのか、理由を懸命に考える。

 するとふと昨日の出来事を思い出した。 


 ま、まかさ……これは罰!? なのか?

 そうだ、昨日の……あのMMOをやってた時のあいつの言葉だよ!

 

「……罪深き奴め、天からの罰を受けろ!」

 

 え!? じゃあ、これがその天罰なのか!? っていうか天罰とかありえるのかよ!?

   

 

 ☆★☆★☆★☆★

   

 

 時間は遡り昨日の夜。

 行幸は某MMOをプレイ中。

 PTメンバーと一緒にダンジョンから戻り、町へとキャラを移動させていた。


「今日はメンバー構成も良くって結構経験も稼げて良かったなぁ」


 結果オーライで画面を見ながらご満悦な行幸。

 そんな行幸が倉庫へキャラを移動させた時だった。

 運営からの告知が画面に流れた。

 

【システム放送】

『今から一時間の限定で特別強化アイテムを販売します。是非この機会にお買い求めください』

 

「強化アイテムだと? 興味はあるけど、どうせまた課金なんだろ」


 行幸はふんっと鼻息を吹いた。

 行幸のプレイしているのは基本無料のMMOだ。

 そういった無料のMMOはだいたいがアイテム課金でお金を儲けている。

 だからお金のある奴は高価なアイテムを買いあさり、全てにおいて有利に遊んでいる状況だったりする。


 さて、行幸はどうなのか?

 行幸は自給の安いバイト生活であり、余裕なんてまったく無かった。

 よって金なんてない。だから余程の事でも無い限りは課金なんてしなかった。


 行幸みゆきはキーボードを叩きながら画面に向かって文句を言った。


 「俺はリアルマネーが無いから買えねーんだよ! ふんっ! 運営の策略なんかに乗るかよ!」


 しかしそう叫びつつも多少は気になるのが人間だ。


 だけど……あれだな。少しだけ見に行くか。


 行幸みゆきは人混みの、じゃない、キャラゴミ? いや…なんか違う。

 要するに他プレイヤーのキャラがいっぱいいるお店にキャラを移動させた。

 いきなりパソコン画面がちらつく。動きがカクカクなる。


 お、重いぞ!? キャラ居すぎだろ! 点滅してんじゃん俺のキャラ。


 お店の中はこれでもかと言わんばかりにキャラで溢れかえっている。

 行幸はお金がない。イコールでパソコンのスペックもお察し。

 ここまでいっぱいのキャラが居るとパソコンの動作がすっごく重くなりキャラが点灯を始めていた。


 待てよ、重すぎるだろ!

 駄目だなこれ、アイテムだけ確認したらここから移動しよう。このままじゃ落ちる。


 行幸みゆきがお店のNPCをクリックしようとした時に個人チャットが入った。

 

【個人:フロワード】あ、みゆきじゃん! 何やってんだよ?

 

 個人チャットを送ってきたのは同じ同盟の馬鹿男のフロワードだった。

 フロワードは盗賊なのだが敏捷と器用さが無いという致命的な欠陥を持つ。

 マジでステータスリセットすればいいのにと思うが、これが個性なんだと言い切っている。

 

【個人:MIYUKI】え?私?ちょっとさっきシステム放送があった強化アイテムが気になって見に来たの


 ちなみに、行幸の言葉使いで解るかもしれないが行幸のキャラは女だ。

 このゲームの初期から行幸は女キャラを使っている。そして女になりすましている。

 要するにはネカマだ。だからこのフロワードというキャラの中の人も行幸を女だと思い込んでいた。そのはずだ。

 

【個人:フロワード】お、俺もなんだ!じゃあ一緒に覗いてみるか

【個人:MIYUKI】うん

 

 行幸みゆきは点滅を繰り返す店のNPCをクリックした。すると買い物メニューが画面に広がる。


 どれだ? さっき放送であったやつは。ええと……お? これか? 


 行幸みゆきはNEWと書かれたアイテムをクリックした。 


 ええと、なんだ? この強化スクロールは武器を含む装備品全ての強化を失敗なしに+10まで強化可能にする。だと!?

 おい待て! こんなの売っていいのかよ! チート級の課金アイテムじゃねーか!

 

 ちなみにこのゲームでは武器強化や防具強化には強化スクロールを使う。

 そして、失敗すればアイテムを五割以上の確率で失う可能性があるという超リスクの高い強化だ。

 要するに十回連続で成功するなんて神の領域。だから行幸はチート級だと叫んだ。

 

 『ついに狂ったか運営ぁぁ!』


 行幸は思わず全体チャットをしてしまった。

 同じように街全体に赤文字チャット(全体チャット)が飛びかっている。


 次に行幸は金額をクリックして価格設定を見た。

 表示されたのは十万PPプレイポイントという価格。

 千PPがリアルマネー(現金)で百円だ。というとこの強化アイテムは一つ一万円という計算になる。


 頭・足・手・体・武器・装飾三個全部を強化すると八万円かよ!

 おいおい、廃課金者じゃないと無理じゃねーかよこれ!

 くそ運営がこんなの売るなよな……こんなのを廃人に買われまくって神強化されまくったらゲームバランス崩れるじゃねーかよ!

 まさか運営つぶれそうなのか? 資金ショートか? 大丈夫なのかよ!?


 行幸みゆきは思わず運営の心配までしてしまった。

 そんな事を考えているとまたフロワードから再び個人チャがくる。

 

【個人:フロワード】おい!見たかよ!すげーな!でも一つ一万円な上に販売時間が一時間かよ! くそ…給料前だしなぁ……


 おい、まさかお前はこいつ買うつもりなのか?

 フロワードはそんなに金持ちだったのか?


 行幸みゆきはカチャカチャとキーボードを叩く。


 でも高いし…私は無理だから…と入力、エンターっと


【個人:MIYUKI】でも高いし…私は無理だから…


 するとまたすぐにフロワードから個人チャがくる。


【個人:フロワード】おい、みゆき 


 ん? 何だ? 


【個人:MIYUKI】はい? 

【個人:フロワード】これ欲しいのか? 


 欲しいのかって言われたら欲しいだろ? 普通はそう思うだろ。 


【個人:MIYUKI】それは…ほしいけど… 

【個人:フロワード】じゃあ…今度のオフ会に来てくれる?約束してくれるなら俺が買ってやるよ 


 行幸はフロワードの入力したであろう青文字チャット(個人チャット)を見て目を擦った。


 嘘だよな? 買ってくれるとか!? でも、オフ会に参加しろと来たか。

 でも、俺はネカマだし、行ったら正体がばれるし、とてもじゃないけど行けないだろこれ。

 でもアイテムは欲しいなぁ。

 どうする! どうする俺!? ってどっかで聞いたなこの台詞だな。 


【個人:フロワード】やっぱ無理か? まぁ無理は承知なんだけどな。お前は一度もオフ会来た事ないからな


 それはネカマだから行けないだけだ。


【個人:MIYUKI】ごめんね…私は色々忙しくって

【個人:フロワード】あーあ、全装備分買ってあげようかと思ったんだけどなぁ。残念だよ 


 行幸みゆきは画面を覗き込んだ。そして口をぽかーんと開いた。

 もう一度先ほど入力された青い文字を確認する。


 ぜ・ん・ぶ・買って・あげ・よう・かな?


 う、嘘だろ? 全装備分だと!?

 うおおおおおおおおおお! 全装備って八万円だぞ! 八万円!

 おい! 正気かよ!? マジか!


 ガンガンとマウスを叩く行幸。興奮が収まらない。


 いや、でも、流石にオフ会は行けないだろ?


 とここで行幸の脳裏に悪魔が囁いた。


 そうか、ここで行くといっておけばいいんだよ。それだけでこのチート強化アイテムが手に入るんだ。

 それに、別にオフ会になんて本気で行かなくてもいいじゃないか。

 当日にドタキャンすればいいんだ。断る理由はなんとでもなる!


【個人:MIYUKI】い、行こうかな…次のオフ会…


 行幸は悪魔の囁きに負けた。


【個人:フロワード】お!マジかよ!やった!約束だぞ!じゃあ買ってやるよ!


 こうして行幸は強化アイテムをフロワードに買って貰ってしまった。


【個人:フロワード】俺さ、みゆきに逢えるの楽しみにしてるからな!

【個人:MIYUKI】あはは…あまり期待しないでね?

【個人:フロワード】OK、OK、よし、じゃあ俺は落ちるから。また明日なー 

【個人:MIYUKI】うん、おやすみなさい 


 その後だだった。行幸がログアウトしようとした時。 


【個人:    】おい、お前

 

 何だこのなれなれしい個人チャットは?

 発信は誰だよ? ええと…あれ? 名前が見えない? バグか?

 っと、、まぁとりあえず一応返すか。

 

【個人:MIYUKI】はい? どなたでしょうか? 

【個人:    】お前は本当に女か?

 

 ちょ? 何だ? いきなりそんな事を聞いてくるとか誰だよ?

 まあキャラは女だし、このゲームで俺の事をネカマだって知ってる奴はいないはずだし。

 よし、まずはこう入れておくか。

 

【個人:MIYUKI】キャラは女の子ですよ 

【個人:    】違う、お前の本体、ようするにプレイしてるお前だよ

 

 やっぱり中身の事か。まぁ、俺はどうみても男だよな?

 だが、俺はこのゲームでは女で通ってるんだ。

 

【個人:MIYUKI】え? 私は女ですけど何か? 

【個人:    】そうか…俺はお前みたいな人を騙す奴が大嫌いなんだよな

【個人:MIYUKI】え? 何が言いたいのでしょうか? 

【個人:    】人を騙して生きてる奴は嫌いって言ってるんだよ

 

 人を騙すっだと? って、まさかさっきのあれの事か? でもこいつは現場に居なかっただろ?

 個人チャットは俺たちしか見えないし、俺とフロワードのやりとりを知ってるはずがない。

 じゃあ、騙すって俺がネカマっだって事か?

 確かに俺は男だ。だから女のMIYUKIはこの現実世界には存在しない。

 まぁ、女だと信じてる奴に対してなら騙したと言えば騙した事になるかもしれないけど。

 しかし何なんだこいつは? 結局は何を言いたいんだ?

 

【個人:MIYUKI】それで何の用事ですか? 私はそういう冗談に付き合っている時間はないんです


 もうとっとと切りたいな、この個人チャ。


【個人:    】…わかった、お前は女なんだな? 人は騙してないんだな? 

【個人:MIYUKI】はい

 

 ここは嘘を突き通しておこう。

 

【個人:    】…罪深き奴め、天からの罰を受けろ!

 

 そう言われた瞬間にリアルの行幸みゆきの体に電気のようなものが走った。

 

「いててて!」

 

 な、何だ! 漏電か!?


 行幸みゆきは慌ててパソコンの周囲を見たが漏電した気配もない。

 パソコンだって電源が入ったままだ。


 くそ…何だったんだよこれ!


 行幸みゆきはパソコンの画面を覗き込んだ。

 するとさっき俺に来ていた個人チャットが消えている。


 えっ? なんで? もしかしてまたバグか?

 運営しっかりしろよ。デバグくらいちゃんとしねーと人が居なくなるぞ?


 再度ログを確認したが、さっきの怪しい個人チャットのやり取りは残っていなかった。


 うーん? 結局は何だったんださっきのって?


 システム上ログには絶対に今までの会話は残るはずなのに、その形跡がない。


 まぁいいか…もう一時だし、明日も朝からバイトだし、寝るか。


 行幸みゆきはトイレに行ってから布団に入って就寝した。

  

 

 ☆★☆★☆★☆★ 

 

 

 確か昨日はこんな感じだったはずだ。

 

 寝るまでは男だったんだ。

 寝る前にトイレに行ったから覚えてる。

 で、朝起きてからトイレいったら無かったんだよ! 俺の大事なあれが! 

 それでまさかと思って慌てて鏡をみたら……そう、鏡を見て動揺した。すげー動揺した。

 鏡の中に居たのは身長156センチくらいの黒髪でショートヘアの女の子だったんだよ!

 肌は色白ですべすべしてて、でもって胸も結構あって顔だって悪くない。

 でもまぁ俺の女子総合評価としてはすごく良くもないが悪くもないレベル。

 中の上、普通よりはちょっと上かなーってレベルだけどな。って何を自分に評価をつけてんだ俺は。

 

 そんな事じゃないんだよ! くっそー! マジで何でこうなったんだよ…


 行幸は天罰なんて信じるつもりはない。しかし、女になった事は現実。

 そして、ふと時計を見るともう九時になっている。


 もう九時じゃないか!

 やばいぞ、マジでバイトに間に合わない。

 もういい! 取りあえずバイトに行く! どうせアパートに居ても何の解決にもならない!

 

 と、行幸みゆきは後先の事なんて考えずに取りあえずバイトに向かったのだった。

まずはプロローグをお読み頂きありがとうございます。

この先、この小説はハチャメチャな進行で進みます。

それでもよければ、ぜひお気に入り登録を頂いた上で先へお進みください。


そして再び注意です。この小説にはエロ要素があります。

R15指定と書いてあるようにその程度のエロ要素です。

しかし、本気で妄想すれば……。


ここからちょっとだけ解説

※MMOとは?

MMORPGの事を指します。

正式名称はマッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロール・プレイング・ゲームです。

簡単に言えば「多人数同時参加型オンラインRPG」です。


※NPCとは?

ノンプレイヤーキャラクターの略です。

RPG上でプレイヤーが操作しない登場人物等です。

この先で意味不明なんだけど説明しろ! という単語があればお知らせ下さい。出来るだけ対応します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 脱字:中 行幸みゆきは心の中で叫びながら慌ただしくアパートのを走り回っていた。 誤字:時給 行幸は自給の安いバイト生活であり、
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ