5話:初戦闘です。ちょっと楽しみ
さて、そんなこんなでリナとの戦闘が始まろうとしてる訳だが。
「...ちょっと待て、お前それはなんだ」
リナの手には剣が握られている。魔法で戦うのではないのか。
「何って...剣だけど」
「んたことはわかってんだよ!」
木剣ならまだ分かるが...真剣?殺す気か?
「大丈夫、ギルバートは死なないよー」
リナが笑顔で言う。そんな訳はないのだが...
「それともやめる?怖い?」
ああやってやろうじゃねぇか。俺は身内の挑発に弱いのである。直さなきゃなぁ
「じゃあ...行くよ!」
先に動いたのはリナ。鋭い踏み込みで一気に距離を詰めてくるが、それは読めている。少し体をずらして振り下ろされた剣をかわす。
「はあっ!」
かわした剣が切り返されてこちらに飛んでくる。これはまずい
「あっぶね!」
固有魔法の霧の魔法を応用して自身を霧に変え、攻撃をすかす
「えぇ!?なにそれ!ちょっとズルくない!?」
ズルいものか。使わなかったら死んでたぞワレェ
「まあ攻撃されっぱなしもなんだし、俺からも攻撃するかな」
その言葉を発した後、周囲を自身の霧で包む
「こんな霧...ただ少し視界が悪くなるだけよ!」
リナが突っ込んでくる。しかしそこに置いていたのは自分の分身。霧で作ったものであるから実態はない
「うそぉ!?」
「嘘じゃないんだなぁ」
その一瞬の隙をついて後ろをとる。へっ、こんなもんか
「...降参降参、もう終わりにしよう」
霧の魔法を解くと視界が晴れる
「流石に頭が硬いだけあるね。なんでそんな使い方が思いつくかなぁ。だって普通にDランク魔法なんか使い道ないのに」
言ってくれるじゃねぇか、おい
「俺固有魔法しか使ってないんだからね?」
「むぅ...それはそうだけどさぁ...」
そんなに頬膨らませたって無駄だぞ。全く...お腹減ったな
「そろそろご飯食べたいし、帰ろうか」
「うん!帰ろっか!」
そうしてこの日の戦いは幕を閉じるのであった...