2話:産まれました、そして同時に終了
うーん、困った。あの後普通に服着させてもらってベビーベッドに寝かせられたは良いものの、暇だ。だって何かがある訳じゃないし、親だって暇じゃないんだろう、子供が産まれたわけだし。
「とっ、とりあえず、ご飯あげなきゃね、これ飲んで」
俺を抱き上げながら差し出してきたのは哺乳瓶である、中身はまあミルクだろう。お腹空いてたし、ありがたく飲んどくか。そのミルクを口にした時だった。熱っ!なんだこれ!咄嗟に吹き出してしまう
「わー!ごめんごめん!熱かった!?今冷ましてくるからね」
ごめんちゃうわ!火傷すっとこやったろが!とか言いつつあっちも子育て始めてだろうからしょうがないか。その後しっかり冷ましたものを飲みました。
〜5年後〜
この生活にも慣れてきた。正直前世の年合わせて30なのにこっちではまだ5歳だから違和感あるけど
「キルバート!ちょっと来てくれ!」
「はーい、父さん」
5歳にもなれば普通に会話はできるようになる...はず。2階から1階に降りると出かける準備を終わらせたお父さんが立っていた。
「そろそろお前の固有魔法について調べておこうと思ってな、行くぞ」
固有魔法?そう言うのあるのか。転生した身だからこう言うのは強い能力だと相場が決まっているんだよなぁ...
「申し上げにくいのですが、Tiaは最低ランクのDです」
検査官の人に言われて目の前が真っ白になった。こう言うの無双できるもんじゃないのかよ、推定神め...とうのお父さんもかなり驚いている様子
「ま、まあでも魔力量はとても多くて、最上級魔法を連発しても魔力切れないレベルで量あるので...」
フォローになってないのよ、むしろ傷つくからやめてくれ
「...それで、キルバートの魔法はなんなんですか?」
やっとお父さんが口を開いた。まあ気になるよね
「ええっと、それが...霧を操る魔法でして」
霧を操る?使い方によっては無双できそうなもんだけど?
「なるほど...撹乱くらいにしか使えない訳ですか」
え?なんで?普通に霧なら水分子操るようなもんだから全然強いけど?
「はい...そう言うことです」
「...ありがとうございました、帰ろうか、キルバート」
目に光がないよ、お父さん。死んでるって
「あ、うん...分かった」
〜マイハウスにて〜
「キルバート、早速だが、お前にはこの魔法全部覚えてもらう」
「何これ...お父さん」
テーブルの上にはいくつもの分厚い本が置いてあった。
「魔導書だ、お前が固有魔法に頼れないとなるなら、身を守るためにも冒険するためにも必要だろう」
まあ確かにそれはそうだ。っていうか
「冒険?お父さんはしてたの?」
「ああ、してたぞ。俺は剣術でどうにかしてたから体力が落ちてからやめたけどな」
確かに魔法なら魔力あれば良いのか...
「てなわけで、だ。今から毎日少しずつ、覚えてもらうからな」
ここから地獄の始まりであるのだった