そのままで
あなたは不思議だ
あなた不思議 変わらないでいい
そのままでいて
わたしの心の何処かに住んでいる
川底の泥沼を突き抜けた
更に下の、砂金が淡く光る場所に
未知からやってきて、わたしを導くみたいに
ああ、会いたかった、
いつまでも 傍にいてほしい
わたしの大好きなひと
あなたは不思議だ
あなた不思議 変わらないでいい
そのままでいて
あなたに降り注ぐ雨、雨、雨
止まない雨、雨、雨、
癒えない、同じ、繰り返す痛み、わたしにも
降ってくるように感じる
ならば、いつまでも変わらずに水色の傘、
くるくる回して弾かせたい
虹を掛けたい 心の中に永遠の
春の光が橋を映して
わたしは鏡川の橋の上から自転車で下ろうとしている
水曲のさざ波が真昼の光に照らされ
キラキラ、キラリ、キラキラ、キラリと
沼底の下より砂金が浮かび上がって背中まで流れてくる
自転車で坂を下る
風が光を靡かせ、
ぬくもりを背に
羽ばたき、風をきって、加速する
一瞬の時に、あなたの胸の鼓動が
背中からキラキラ、キラリと永遠を伝わせる
つかまっていて、忘れさせてあげる、少しだけ
心軽くなる、少しだけ、
それだけを繰り返してゆこうふたりで
闇、光、闇、光、全て、この星で
青い水沫を弾かせながら風になってゆきたい