設定集 2
簡単にお国紹介です。
『見下ろす』と『千夜』で時間の経過もあり、名称などの変化があります。
そこんとこ、いい加減ですが少し書いておきます。
クマリ
大陸の中央部にある山岳地帯より南の平野を領土としている。
山岳地帯には、大陸の気脈が溢れ出る『天鼓の泉』を中心とした『神苑』と呼ばれる深い森がある。『神苑』のみ、獣の姿をとった精霊の一種『玉獣』が生息している。
クマリ族は、個人差があるが共生能力を持っている。その為、玉獣と心を通わせたり、楽の音に敏感だったりする。
また、能力の強いものは『玉獣』を操る『玉獣使い』を生業にしている。
『大連』という、元は『神苑』を守護していた24の家々。支配層として存在していた。
ただ、時間の経過と共に『大連』の家は減少している。(共生能力が弱まったこと。経済力など家によって大きく差が出てきた事など)
国の基本は農業。山岳地帯からの豊富な雪解け水に農地に適した豊かな国土を持っている。
ただ、西にエリドゥ(エリドゥ法王国 深淵の神殿)、東に李薗帝国(後李帝国)と、大国に挟まれて常に脅威に晒されている。
クマリの乱では、後李帝国により国土は焼き払われ徹底的に潰される。
生き残った僅かな民も、人買いに連れ去られたり方々に散らばり身を隠しているという状況。
蛇足ですが……クマリは、もともとネパールに実在している女神様の名称です。生き神様です。様々な選抜を潜り抜けた(大きな瞳に牛のような睫毛、とか。暗闇を怖がらない、胆力がある、占星術で国王との相性がよい、など)幼女がなるんだそうです。以前、ドキュメンタリーで地方のローカル・クマリを見たことがありますが(首都には国のクマリ。地方の村には、村ごとにクマリを選出するそうです)、やっぱり神聖さというか、世俗離れした雰囲気がありました。美少女です。王制が崩壊した今もロイヤル・クマリが存在するのだから、その信仰は大きいんでしょうね。そこから拝借して私って……罰当たりです(汗)。とにかく、ググると資料があります。はい。『クマリ』の国のモデルはやっぱりブータンやチベットです。
後李帝国 (李薗帝国)
大陸の東の果てに位置する大国。首都は春陽。国土の半分は荒野だったが、玄徳帝による大運河網の整備により農地が劇的に増える。
エアシュティマスの后ナキアの長女『リ』の血が流れる為、皇族には共生者が多い。
『白』を姓に持つ四つの宮家があり(朱雀 玄武 青龍 白虎)、そこから皇帝を選出。
ただ政の多くは大極殿と称される官僚が支える。
『千夜』と『見下ろす』の間に内乱が起こり、白姓の皇族ではない人物が一時だけ政権を握ったが、後に朱雀家筋と玄武家筋の皇族が政権を奪い返す。この事変より李薗帝国から後李帝国と名を変える。
常に周りの小国と戦をしている軍事国。
大陸で初めて共生能力に頼らない指針を打ち出し、後李帝国時代に技術革命を起こす。
カラクリと称されるその技術力は、ハルキ曰く「近代化の一歩手前」。蒸気自動車が存在する。
蛇足……モデルはやっぱり中国で。でも中国史は苦手なので、突っ込まないで下さい(汗)。あとイギリスもイメージにいれてあります。それこそ清を植民地化していく過程などの外交手腕に長けたところろか、身分階級の感じとか。
エリドゥ法王国 (エリドゥ王国)
大陸の西に位置する大国。
大きな大河が二つ、流れている。河口近くで合流する二つの大河の中洲に存在するのが、深淵の神殿。
エアシュティマスの后ナキアの出自国。
大河がもたらす豊かな国土から得られる農作物や、深淵の神殿を目指してくる巡礼者達の落としていく金で、かなり豊かな国。政治的にも安定し、神殿がある事で戦を避ける政情もあり、巡礼者達が起こす経済活動により王国の通貨が大陸中で使用できる唯一の通貨となる(エリ金貨 エリ銀貨)。
でも、これは『千夜』の二百年後までの話。
後、深淵の神殿が力関係を逆転。王国側の官僚が神官達に取り込まれ、また神官達が王国側を内側から侵略し王国を崩壊。 エリドゥ法王国 が生まれる。
神官達が政治を握り、宗教と政治が密接に絡み合った独特の国を生み出す。
蛇足……モデルはやっぱりイスラムです。イスラム文化が好きなんですよっ。でも、宗教と政治が絡み合って独特の思想があるって感じはアメリカをイメージしてます。現代史はただ今勉強中です。難しいです。もっと学生の時に勉強すればよかった…。
ちなみに。この名称はシュメール文明の古代都市の中の『エリドゥ』を拝借しました。響きが好きなんです。現実とは何の関係もないですからね。念のため。
深淵の神殿
エリドゥ王国の中を流れる二つの大河の中洲に存在する神殿群の総称。
主神殿は水神エンキを奉っている。その周りを大気の父神 大地の母神 太陽神 月神……と、取り巻くように大小の神殿が建てられている。
二つの大河の中洲に建てられているにも関わらず、千年間も大河の氾濫は起きていない。
エアシュティマスの記憶を持つ『ダショー』を頂点に、政治と宗教の両面を司る全体の総指揮者である執政官、宗教面を司る共生能力をもつ神官、政治面を司り共生能力を持たない僧侶と、ピラミッド式に階級がある。
階級のモデルは日本の宮中。従三位以上は守護呪術を使える、いわゆる上位の共生者。僧侶も昇級試験や実績により階級化されています。
各国の王族貴族の子弟も留学している(共生能力の有り無しに関わらず、深淵の神殿との縁を保つ為に。いわば人質に近い感覚)。
ミルも後李帝国に対する後ろ盾目当てで、留学という名の人質に出されている。
蛇足……神話などの宗教面はモデルは中東。シュメール文明! シュメール神話! カッコイイ! 日本と同じ多神教です。比較的イメージしやすいかなと。でも作者の妄想のままに描いてます。はっきり言って不勉強です。資料を読めば読むほど(資料自体、なかなか揃えられないし)混乱しています。アッシリア文明と混合してる部分も多いです。あまり参考にしてはいけません(断言っ)。
宗教的な面はシュメールですが、衣装や階級的な事は日本ちっくです。何故か袴を履かせています……。すみません。ググると資料が出てくるのでお分かり頂けると思うのですが……シュメールの神殿の遺跡から出てくる神官像って、羊毛の腰巻姿なんですよぉ(汗)。これがどうにも……想像出来ませんでした。私の妄想力を超えているのです(滝汗)。やっぱり、神官といったら白を基調にした狩衣の浄衣です。……フェチじゃないですよ。断じて。
ニライカナイ
大陸の極東、海の果てに存在する孤島。常夏の島。
エリドゥを離れたエアシュティマスが、息子のタシ(ハルンツの前世)や忠臣達とその家族を連れてたどり着いたのが最初。
幾代かを経て大陸に戻るも、再び子孫が島へ戻る事になる。(参考……『千夜を越えて』の一章と最終話)
元を辿ればクマリの民なので、僅かでも共生者の能力は持っている。ハルンツは「エアシュティマスの血統を薄める為」「権力者に利用されるのを防ぐ為」に大陸に幾家族を分散させ共生能力を薄めようとするが、皮肉な事にニライカナイに残った家系は近親婚が進み共生能力は強くなる。
さらに共生者への風当たりが厳しくなる時代の流れを読み、かつてハルンツに助けられた大恩を返そうと大陸中に散らばった彼ら子孫が「共生者達を護る」地下活動を始める。
ニライカナイは、そんな彼らの魂の故郷でもある。
蛇足……南の島ときたらブルネイ! 行きたい一度は行きたいー!! 青い海、白い珊瑚の砂浜。あの辺りを背景でイメージしてます。ウットリです。海賊とか旅するサーカス団とか、えーっと名前は忘れたのですがビルマに実在する海の民も参考にしてます。あー……名前忘れた。ドキュメンタリーを録画したはずなのですが(汗)どこにしまったかな。あ、『世界の果てまで行ってQ』で無銭宿泊企画で出てました。
かなり雑ですが、こんな感じです(汗)。
李薗の北部には幾多の遊牧民族、エリドゥの北部や南部にも1つ2つ国は存在していたハズですが、また書く時間と余力が出来た時に追加いたします。
色々書きましたが、特定の国をモデルにはしていません。ここに書ききれない細部な部分(食文化など)も含め、複数の国や文化を混ぜています。あくまで架空のお話。ファンタジーですから。妄想ですから。深読みは無用です。
という訳で。
ごめんんさい。連載休止に入ります(涙)。
活動報告に書いたとおり,現実世界の忙しさで手が一杯な状況でして……(汗)。もう少し私が器用ならいいんですが,ギブアップです……。
次回は12月1日 水曜日に更新予定です。宣言ですっ。
また近くなったら,活動報告の方を出します。
では,しばし季節はずれの冬眠を。クリスマスソングが聴こえる頃には復活してますので(汗)。