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駐車場で茫然としていても時間の無駄だし、俺は医局へと向かった。
昨日作成したまとめや論文をコピー機にかけていく。
その間に電話がかかってきた。
「あ、飯田先生。やっぱりお菊さんでした。押し入れの中でぽとっと落ちていたので直しておきましたよ」
何でもなかったかのような返しに俺は「そうですか。ありがとうございます」とだけ答えた。
電話が終わった後、しばらくして……あれ、中で落ちただけで髪の毛がはみ出るものだったかな。と思ったがそれ以上のことを考える前に他の先生たちがやってきた。
「どうだったあの病院」
「ええっと、当直室に驚きました」
「だろう。結構ふるびた病院で、脱出ゲームの現場かと思っちゃった」
当直していたことがあるためあの独特の雰囲気でしばらく会話が盛り上がった。
「まぁ、次からよろしく」
「えー、何か怖い雰囲気があって嫌なんですけど」
「んじゃ、俺の市内の急患センターのバイトと変わるか」
それを聞き俺は躊躇してしまう。
市内といってもかなり辺鄙なところにある急患センターで、隣町からも患者がくる。しかも、小児科も対応しないといけない。
小児科など研修医時代以降すっかりやっていないため自信がない。
「いいじゃん。ほとんど寝るだけであんな割のいいバイトはないんだから。急患センターなんてあんなにみて半分以下だぞ」
「うー、そうですね」
それから俺は月に2回程、例の精神科病院の当直バイトをすることとなった。
後日事務員さんに例の人形については部屋から撤去してもらうようにお願いした。
時々変な音が聞こえたりしたり、扉からこつこつとした音が聞こえるものの害はないためそのまま1年問題なく終了して異動と同時にアルバイトは終了した。
ここ1年、俺はあの病院の検食にかなり意見を言う為、すっかり病院食が改善されていったのが後輩への自慢となった。
(終わり)




