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Rising Force - Genesis -  作者: J@
誕生編

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「ARTISTS JAM」社屋完成お披露目会 その1

 長らく改築工事を行っていた「ARTISTS JAM」の社屋が完成した。


「明後日の金曜日に竣工式が行われるんだけど、残念な事に平日だし、あたしたち学生組は出席出来なくてちょっと悔しいよね」

「さちこ先輩の意見に激しく同意ですっ!」

「皆で一緒に中見たかったっす!」

「折角なので一緒がいいですわね」

「先に見ちゃったりすると後で何言われるか分かったもんじゃないんだぞ!」


 学生組のみんなで話した結果、言うだけ言ってみようという事になったわけ。


「じゃあ、土曜日に皆で一緒に中に入りましょう! その方が私も嬉しいし」


 なんと、キラさんが神対応をしてくれた。

 ってことで土曜日の朝から皆で駅裏に集まって、ロックさんが迎えに来てくれるのを待っている。


「皆で一緒に出来立てホヤホヤの会社見に行くのめっちゃ楽しみだよねー!」

「ちょっと興奮し過ぎて、昨日は8時間位しか眠れなかったんだぞ」

「奇遇だっちゃ! ウチも8時間しか寝れてないにゃ!」

恋焦(ここあ)お姉ちゃんも、葵育(あおい)お姉ちゃんも、それしっかり寝てるやつですから! そういう私も8時間しか眠れてませんけど」

「僕も……ほぼ徹夜明け……なので、ねむっ……」

「多分、ちゃんと寝てないの、ジュンタだけなんじゃないか?」

「ショウゴさんはちゃんと眠れましたですの?」

「ああ、今朝も早起きしてランニングもしたぞ」

「え、ミサキ先輩すごっ!」

「あっ! あの車じゃないっすか!?」


 ――パッ! パッー!


 真っ黒なトヨタハイエースがクラクションを鳴らして近づいてきた。

 若い男女の集団の前で車を停め、中からスーツを着た(いか)ついガタイの良い男が降りてきたもんだから、周囲の目が何故かイタイ。


「おー、みんなおはよーっ! 流石にこの時期になると朝は寒いな! ってかジュンタ、めちゃくちゃ眠そうだが大丈夫か?」

「あ、はい、だい……だいじょぶ……れす」

「まあ、着くまで1時間くらいかかるから、車で寝てけ!」

「ロックさん、この車ってもしかして?」

「お! 分かるか! とうとう俺も欲しい車買ったんだよーっ! 前の車はほら、シーボルディに潰されちまったからなぁー」

「ロックー! ショウゴー! 皆乗ったなのーっ!」


 折角購入した新車も、女性陣にかかれば乗れば一緒、ただの車に成り下がる。

 ミサキ先輩だけは食い気味で、値段とか税金とか燃費とか聞いてるけど、明らかにテンション下がりながら運転するロックさんがちょっとカワイく見える。


「あ、ほら! 車の中凄く広くて快適だし、何処でも行けそうだし、あたしはいい車だと思うよー?」

「くぅーっ、気ぃ使ってそんな事言ってくれんの、さっちゃんだけだよ、ありがとなー」

「えっ! いやいや、あたしだけなんて、みんなだってほらっ!」


 と後ろを振り返ったら、皆寝てるし!


「あ、アレ? あは、あははははっ」


 というあたしも、しばらく走ってたら眠くなっちゃったんだけどね。

 うん、眠くなる車はいい車だと思うよ! 乗ってるだけの人にとってはね。

 心地よく揺られながらうたた寝してたら、あっという間に着いちゃったみたい。


「おーい、皆起きろーっ! 着いたぞーっ!」


 車から降りると凄い立派なビルが目の前にありました!

 外観は、光沢(グレア)のある白い大き目のパネルを基本に、ポイントポイントで真逆の非光沢(ノングレア)の黒パネルを配置したモノトーンでミニマルな印象。

 所々にライトアップ用の照明も見える。

 敷地の外壁は、オフホワイトに薄いベージュが合わさった落ち着いた色合いに、凸凹したお城の外壁を模した風合いでシックな印象。

 内側には丁度いい中くらいの背丈のシンプルな木が、間隔を空けて数本だけお洒落に植えられており、勿論夜間ライトアップの照明付き。

 一言でまとめるとしたら、オシャレ!! とにかくもう、オシャレ!!


「そう言えばあたし、初めて見るんだった……ヤバっ! スゴっ!」

「ちゅ、中学生の私がこんな所に来てしまって、良かったのでしょうか!?」

「うっひゃーっ! 凄すぎだっちゃーっ!」

「ちょ、ちょっと外周り見てきていいっすか!?」

「あ、待って! ここあも一緒に行くんだぞー!」

「わ、私も行きたいです! 待ってくださいーっ!」

「ウチもいくにゃーーっ!」

「うわぁ、ここが(わたくし)達の事務所になるのですね! 感激ですわっ!」

「早く中が見たいの! ほら、(かおる)、テン、行こうなの!」


 入り口前に行くと、キラさん、セオドラさん、アル君、和田さん、甘楽(かんら)さん、エボ爺さんが待っていた。


「皆、おはよう! とうとうお披露目ね、反応が楽しみだわ。 ふふふっ!」

「キラさんはもう中見ちゃったんですか?」

「ゴメンねー、私とセオドラちゃんと守衛担当の烏帽子(えぼし)さんは、確認やら何やらで何回か入っちゃってるから」

「ですが、最終チェックまでは確認していますが、完成後はまだ入っておりませんので、(わたくし)達も皆さんと気持ちは一緒かと思います」

「アルもまだ見てないなの?」

「いやここで『先に入って見ちゃったっ!』なんて言ったら、その後が怖くてたまったもんじゃないわっ! ってか、忙しくてそれどころじゃなかったって! マジで」

「昨日のアルさんの活躍、流石でしたですわ! ……ところで、本当にまだ中見てませんのよね?」

「俺への信頼って、皆どっかに落として来てたりしない!? ホントに見てないし、俺これでも結構仲間思いなんだからねっ?」


 外周を回ってきた4人が興奮しながら走って戻って来た。


「そ、外の壁と屋上にでっかく『ARTISTS JAM』ってロゴがありました!」

「もうカワイイとカッコイイのいいとこ取りっ! 贅沢としか言えないんだぞっ!」

「ってか、土地広すぎ! ビルでかすぎ! とにかくビックリにゃ!」

「ええーっと、えーっと! んんーっ! 全部言われたっすっ!」

明輝(あき)、ドンマイなの」

「ドンマイ! 明輝(あき)

「何気に桜煌(おうか)お姉ちゃんとアルさん、仲いいですよねー!」

(あきら)!? それは絶対にないなのぉぉーっ!」

「えーっ!? 俺は仲いいつもりでいたんですけどーっ!?」

「や、ヤメロなのぉぉーっ!」


 パンッ! とキラさんが手を打ち皆の注目を集める。


「はいっ! じゃ、皆揃ったし、早速中に入ってみましょうか!」

「賛成ーっ!」


 誰が言い出したわけでもないけど、女性陣皆で手を繋いで横一列に並んだ。

 入り口横にシルバープレートで表示された、カッコいいデザインの「ARTISTS JAM」て社名ロゴだけで、もう既に「オシャレ!」

 せーのっ! で、自動ドアの前に出てドアを開ける。

 あ、男性陣は後ろからバラバラに付いて来てるので、気にしなくてもいいかな?


 ――シュイィーーン!


 自動ドアが開くと、入り口手前から中まで、ダウンライトと間接照明が上手く埋め込まれてて、宝石のようなキラキラ感と素敵感がハンパなく漂ってくる。

 強いて言うなら、高級ブランド化粧品のショップにズラっと並んでいる香水のビンが、照明をキラキラ反射してる感じっていうのかな? 語彙力がアレだけど、そう、ホントに勘違いする程にセンス良すぎなの!

 だって、皆の顔もあからさまにそういう顔になってるし「うわぁ~っ!」って声が漏れてるし!


「ミナサマ オハヨウゴザイマス!」


 突然、透き通るようなとっても聴きやすい女性の声で挨拶された。

 ビックリしてしまって「ふぇっ!?」て声を出して、入り口から5歩目で立ち止まってしまった。

 キラさんが振り返り、ニコッと笑って話す。


「ふふっ、紹介するわね! 彼女の名前はサクラ。これからこの建物のセキュリティ始め、様々なバックアップをしてくれる、頼れる仲間よ」

「えっと、姿が見えないんだけど、どこに……」


 フロアをキョロキョロ見回してみたけど誰も見つからないし、皆で首を傾げてたらキラさんの隣に突然半透明のデジタルな……3Dホログラムだっけ? の、ちょっとキラさんに似ている感じの小柄で可愛らしい女性が現れた。


「「ん゙っ!? なっ!?」」


 驚きすぎて言葉が出なくなってる皆を見て、クスクス笑いながら説明を続ける。


「えーっとね、単純でちょっと恥ずかしいんだけど、洗練された知性と柔軟性を持ち合わせたAIっていうコンセプトで『 Sophisticated Adaptive Knowledge Understanding Robot Agent 』の頭文字を取って『 S.A.K.U.R.A 』よ」

「オハツニオメニカカリマス イゴ ドウゾヨロシクオネガイイタシマス」

「「すっごーっ!」」

「クスクスッ! ソウイウハンノウニナリマスヨネ!」


 あまりにも人間らし過ぎる反応と仕草に、皆の動きが固まる。


「ハッ! この既視感はもしかしてアレですかっ! キラ姉のおうち訪問した時の万能AIさん!?」

「そう!! (あきら)ちゃん正解! だけど、そのさらに超アップグレード版よ。このビルにサーバー室を作ったから、自宅の何十倍も設備を整えられたわ! サクラはその結晶みたいなものね」

「デキルコトニ カギリハゴザイマスガ ナンデモ オモウシツケクダサイネ!」

「あっ! はいっ! サクラさん! 質問してもいいでしょうか!!」

「ハイ キガルニシツモンシテクダサッテ ダイジョウブデスヨ アキラサマ」

「んな゙っ!」

「な、なんで名前分かったんだっちゃ!?」

「ガゾウニンショウヤ セイタイニンショウナド サマザマナテクノロジーヲシヨウシテ ハンベツシテオリマス! カイトウニナリマシタデショウカ アオイサマ」

「ちょっ! ヤバすぎなのっ! なら、アレは!? アレはどうなるなのーっ!」


 って、烏帽子(えぼし)さんを「アレ」呼ばわりして指差してるんだけど!?


「へっ? ワシか?」

「オウカサマ アレトイウノハ エボジイ ノコトデヨロシカッタデショウカ」

「そう! エボ爺! 正解なのっ! サクラすごいの!」

「クスクスッ! アリガトウゴザイマス! ワタシモ オナジサクラノジガハイッタオウカサマト ナカヨクナレテ ウレシイデス!」

「「か、カワイイ……!」」


 後ろからアル君が「はいっ! はいっ!」と手を挙げながら前に来て質問する。


「あの! でも今『烏帽子様(えぼしさま)』じゃなくて『エボ爺』って言ってなかった?」

「ほっほっほっ! それはワシがサクラに『エボ爺』って呼んでくれって頼んだからじゃよ。考えてもみぃ! 若い女性に『烏帽子様(えぼしさま)』なんて呼ばれるより『エボ爺』って愛称で呼んで貰ったほうがカワイイし、何より嬉しいじゃろが! 特にワシが!」

「ソウイウコトデス」

「「ズコーッ!」」

「ってかさ、まだ建物入って数歩しか進んでないんだけど!? なのにこんだけ驚かされるって……」

「ま、ここで立ち止まっててもアレだから、中を見て行きましょ?」


 キラさんの促しでやっと6歩目を踏み出せた。

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