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Rising Force - Genesis -  作者: J@
誕生編

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ヒーロー_紫の閃光「R」

 時は、リンが消失してから約2週間が過ぎた頃まで遡る。


 今日は「ARTISTS JAM」社屋の改築が完了し、竣工式を行う日である。

 施主の「(すめらぎ) (きら)」を始め、社員一同と建設関係者が6名、それと防衛省からは地方協力局と大臣官房広報課から1名ずつ、P‐SACOからは和田と甘楽(かんら)が出席した。

 社員一同とは言っても、ロック、セオドラ、アル、烏帽子の4名しかいないのだが。


「やっぱりリンくんが居ないと何か物足りないというか、締まらないわね。取締役なのに」

「ボスの言う通りです。事の始まりも(わたくし)達が今ここでこうしているのも、全てはリン様あっての物種(ものだね)ですから」

「俺もエボじ……ゴホン! エボさんも、今があるのはあいつのおかげですからね、本当に感謝しかないですよ」

「ほっほっほ、こんなオイボレをかってくれたのは、何もアマツ少年だけじゃあるまいよ。ワシは皆に感謝しとるよ」

「それ言ったら一番ビックリしてんの俺ですよ! こっちに戻って来たら、お金はない、服もない、家具もない、あるのはガランとした家だけって。下手したら路上生活でしたよ? って事で、俺もエボ爺さんと一緒で皆さんに感謝してます! ホントに、いやマジでホントに!」


 それだけに、リンが今ここに居ないというのは寂しい事だなと、皆が感じていた。

 竣工式は粛々と進められ、挨拶からテープカット、そして閉会の挨拶が終った。

 大きな事件の後という事と、リンが消失した事を理由に懇親会的なものは無しにした。


「――ということで、麻羽(あもう)大臣へはよろしくお伝え下さい。本日はご足労下さいまして誠にありがとうございました」


 防衛省から来ていただいた2名に、何やら(ことづ)けをお願いし、丁重に見送るキラとセオドラ。

 今日は平日という事もあり、主要メンバーらは学校へ行っている。

 本来であれば、この後改築された社屋の中を見て回るのだが、折角なので皆が揃った時に一緒に入ろうという事になり(主に女性陣からの「自分らだけズルイっ!」という声で)、中に入るのは明日の土曜日という事になった。


「アルくんと同じホテルに部屋取ってあるんで、和田さんと甘楽(かんら)さんも今日は泊まって行って下さいね」

「それは助かります、私達も社屋の中を見てみたいのでお言葉に甘えさせて頂きます。 明日が楽しみです」

「ありがとうございます(すめらぎ)社長。って事で和田、たまには昼間から飲みにでも行ってみるか!」

「おっ! そう言う事なら俺がいい店知ってるんで一緒に行きませんか? もちろんエボさんも来ますよね」

岩上(いわがみ)さん、明日もありますので、あまり羽目を外さない様にして下さいね?」

「大丈夫じゃ、ワシがしっかり見張っておくからの! のぉ、ロック! 瀬尾(せお)さんに心配掛けん程度に行こうか、勿論、奢りじゃろな?」


 そんな感じで大人男性チームが抜けて行った。


「んじゃ、俺も一旦ホテルに帰ります。キラさん、セオドラさん、お先します! また明日!」

「ええ、またねアルくん。明日、楽しみにしてて」

「それではアル様、お疲れ様でした」

「はい! めっちゃ楽しみに待ってます! お疲れ様でしたー!」


 バチッ! 放電音と紫の閃光を残して姿を消した。

 と言っても、移動した先はほんの数キロ先にある「さくらんぼ東根駅」近くのビジネスホテル、その駐車場だ。

 俺はそのホテルに入り、フロントに預けてあった部屋のキーを受け取る。

 キラさんの好意でこのホテルに泊まらせてもらってる上に、スマホまで預けられたし、現金に電子マネーまでかなり多く持たせられた。


「色々と身辺が落ち着くまで大変だろうから、貰っておいて損はないわよ。それに、後からちゃーんと返してもらうし、気兼ねなんてする必要ないから、ね?」


 キラさんの「悪い事企んでいます」って表情(かお)、アレは怖かった。

 でも、助けられたってのは本当だし、めちゃくちゃ感謝してる。

 部屋に入るなり、ベッドに前のめりに倒れ込み、寝返りを打って目を閉じる。


 入社してまだ2週間ぐらいだけど、仕事は俺の性に合ってるし、何より楽しいし、給料も貰える。

 個人的に、やんなきゃいけない親の死亡関連の事とか相続手続きとか、その後の不動産の処分とか、正直ハゲそうな事が多くて滅入る。


「そういえばキラさん、明日楽しみにしててって言ってたけど?」


 何だろう? とは思ったけど、俺の頭で考えても分かる訳ないので一旦考えるのを止めた。

 しかし、事件のあった実家で一人暮らしは流石に勘弁被るから、あれは売りに出すとして、初給料貰ったらアパート探さないといけないよなー。

 ってか俺まだ未成年じゃん、賃貸契約って出来んのか? 俺この先どうしたらいいの?


「あーっ! もーっ! 色々メンドイしシンドーイっ!」


 リンちゃんずっと一人暮らしなんて、よくやってられたな!

 ほんと尊敬するわ! スゲェな! 俺は絶対ムリだわーっ!

 俺もロックさん達に付いて行けばよかったかな。 


 あれ? 待てよ? あ、思い出したかも!

 そういえばキラさん「建物出来たら社宅に住めるわよ」って言ってなかったか?

 こっち戻ったばっかのゴタゴタしてた時に言われたからすっかり忘れてたな!


「住宅問題解決したんじゃね!? やばっ! 明日めっちゃ楽しみじゃね!?」


 ちょっとだけ気が楽になったし、しかも明日その部屋見れるってのはめっちゃ楽しみだ!


「嬉しすぎたら腹減ってきたし、すぐそこアオンだし、ケンタッキーにでも......」


 ――♬♪♫♩♪♫ ♬♪♫♩♪♫


 ベッドの上でバタバタもんどり打ってたらスマホが鳴った。


「は、はいっ! アルです!」

「アル様、防衛省を通して警察庁から応援要請です。羽田空港にてフランクフルト行きJAL407便を、先日のBUGS残党と思われる数名がハイジャック。至急、離陸前にハイジャック犯の制圧・拘束を行い、人質および乗客を救出してください」

「えっ! 大事件じゃないですか! わ、分かりました! 直ぐに向かいます?」

「……何で疑問形なんですか、よろしくお願いし......」

「あっ!」

「......ま。……なんでしょうか」

「あ、ごめんセオドラさん! そのー、羽田空港ってどこにあるんでしたっけ?」

「……その為のスマホかと」

「なるほどっ! そうでしたそうでした! いやー、異世界生活長かったので、あ、あはははっ!」

「それでは後からの報告を待っております。お気をつけて」


 今絶対セオドラさん呆れてたよね!?

 俺、6年間も異世界行ってたんだから、多少スマホの使い方忘れてても仕方なくない!?

 いや、行きますよ? 行きますけどぉ!

 俺の扱いもう少し優しくなりませんかね?

 言葉にはしてなかったけど「いいからサッサと行ってこい」な圧が出てましたよね!?

 はっ! もしやこれがキラさんの言ってた「後からちゃーんと返してもらうし」の伏線回収!?

 ってか、んな下らない事グズグズ考えてる時間もないな、行きますか!


 ベッドから起き上がってパチンッ! と指を弾き


「力を貸してくれ (すみれ)!」


 そう言うと、紫の閃光が走り、アルの隣に美しい女性を(かたど)った紫電「(すみれ)」が現れた。

 チリッ! ジジジッ! と放電音を発しながらコクンとアルに頷く。


「いつもありがとうな(すみれ)、さっそく行こうか! 雷装(らいそう)!」


 両手を横に大きく広げ、気合の入った声で叫ぶと、アルと(すみれ)が融合する!


 ――バチッ! バチチッ! チッチリリッチチチッチチリッ!


「よし、サッと行って華麗に解決して帰ってこようか!」


 部屋の窓を開けてバチッ!! と放電音と共に紫色の閃光を空に描いた。



    ◇◇◇



 フランクフルト行のJAL407便をハイジャックした犯人達。

 このまま日本に滞在し、ひっそりと身を潜め機を伺っても良かったのだろうが、本部のあるドイツまで辿り着きさえすれば何とでもなる、そう仲間内で話し合って出した答えがこれだった。

 客室に5名、コックピットに2名、ドア前に1名、他2名の合計10名が、タラップからの搭乗時に強襲し乗り込み、配置に着いた。


 客室は利用客でほぼ満員であり、人質の数は十分だ。

 通常であれば後数分で離陸する時間になるが、モタモタしていたら先日の厄介な奴らが来てしまう。


「いいか! 一切余計なお喋りはすんじゃねぇぞ!」

「言う事聞かない奴には容赦しねぇからなぁ、頭ぶっ飛ばされたくなかったら、大人しくしてるこった!」


 焦りと苛立ちが透けて見えるような、安っぽい恫喝を人質に向けて放つ。

 非情に興奮した状態で銃口を客席に向けているので、誰一人として声を上げようとはしなかった。


 コックピットでは、銃を構えた男2人が強行離陸を開始しようとしていた。


「おい、あのディノ様がやられちまうようなこんなアブねぇ国、早くおさらばしようぜ!」

「ああ、それに今の内なら先にこっちが空に上がっちまえば、奴らはもう追って来れねぇだろうしな」


 というのも「奴らは今飛べなくなっている」という情報を掴んでいるからだ。

 情報にあった「アマツ リン」という一番厄介な奴が消えたら、残った奴らは飛べなくなった。

 後は、飛べない雑魚だけだ、という安易で信憑性の薄い情報。

 だが、それに踊らされて仕掛けるにしても、一旦体制を整えない事には叩くことも出来ない。

 やはり、何がなんでも本部に辿り着くことが必要だ。

 操縦席の後ろから、機長の後頭部に銃口を当てる。


「もういいだろう、出発しろ! 余計な口は一切開くな、無言でやれ! GO!!」


 銃口でゴリッと後頭部を押し、行け!と命令する。

 機長はそれに従うしかなく、機体は滑走路をゆっくりと走り始めた。

 管制塔では職員に混じって警察が、滑走路ではパトカー、消防車、救急車が待機し、離れた所からは報道陣が現場にカメラを向けてその様子をリアルタイムで中継している。

 先日のショッキングなニュースに絡む、地下組織残党の日本脱出ということもあり、多くの人がTVの前で中継に釘付けとなった。

 キラは宿泊先の天童市にあるホテルの客室で、セオドラは車の中で、飲みに出かけた男共は店のテレビで動向を見守りながら思う。


 大丈夫! もうすぐ、アルが行く!


 機体が動き始めた事に動揺した中年の女性利用客が一人、パニックを起こして席を立ち、非常ドアを開けて外に出ようと暴れ出した。


「(独)Nein! Ich will hier nicht sterben! Lass mich raus! Öffne die Tür! Sofort! 」

( いや ここで死にたくない! 出して! ドアを開けて! 今すぐ! )

「何やってんだ! このクソがっ! 頭ぶち抜いてやる!!」

「おい! あの女を止めろっ!」


 騒ぎに気付きダッシュで女性に駆け寄って行く犯人達。

 同時に「自分も! 私も!」と騒ぎに乗じて非常ドアを開けて外へ脱出しようと詰め寄る客。

 駆け寄る犯人に足を引っかけ転んだところを羽交い絞めにする客。

 機内は一瞬でカオスとなった。

 外から事態を伺っていた管制塔、警察、その他大勢のTV視聴者が、機体が滑走路を走り出した事に慌てる。


「呼びかけろ! 呼びかけろっ! 交渉の余地はあるはずだと! 身の安全は保障すると! 要求をもう一度聞いて時間稼ぎをしろ!」


 中も外も混乱で大騒ぎになったその時。


 ――シャシャシャシャーッピシャーンッ! バチッバチチチッ!


 空を切り裂いたような雷鳴と共に、滑走路に紫の閃光が落ちた。

 紫の光は、地上に降り立ったと思った瞬間、飛行機の搭乗ドアを吹き飛ばし中に飛び込んだ。


「このクソ共がっ! 全員死んで黙りやがれっ!!」


 機内に響くマシンガンの発砲音と悲鳴、そして機体のドアが吹き飛ぶ音が重なったその瞬間、機内は閃光に包まれた。

 眩しすぎたその光に、逃げ惑う客も犯人も、慌てて伏せたり、目を瞑ったり手で覆ったり。

 何が起きたのかと、一瞬その場の全ての音が静まり返った。

 耳に入るのは、この場に似つかわしくない放電音だけ。


「あっぶなっ!! ギリギリ間に合ってよかったぁーっ! マジで」


 その後1分も経たずに、意識を失った犯人達が次々と機外に放り出され、待機していたパトカーが急行し、犯人達を速やかに拘束。

 タラップが用意され、人質が全員無事に救出される映像がリアルタイムで流れる。

 機内から全員外に出た後、紫の閃光が飛び出て来て、人質だった人達の前に現れる。


「あー、皆さん怪我とかないですか? えーっと、予定は狂っちゃったかもしれないですけど、もう数日、日本でゆっくりして行ってください。え、もう()()りだって? まあそう言わずに! それじゃ、いい一日を!」


 アルは片手を上げ、目の前で起きた出来事が未だに信じられない人達を置き去りにして、一瞬でその姿を消す。

 紫の閃光を残して。


 地下組織残党が捕らえられ連れて行かれるシーンをバックに、機内で何が起きたのか、人質として現場でそれを目撃した者らは、興奮冷めやらぬ状態でインタビューと共に向けられるカメラとマイクにこう語った。


「(独)Natürlich dachte ich schon, ich wäre tot! Aber nein, ich lebe! Alles dank ihm! 」

( もちろん、もう死んだと思ったわ! でも、生きてるの! 全部彼のおかげよ! )


「いやほんとマジでビックリしたよ! 目開けたら銃弾がすぐ目の前に浮いてんだから!」

「この前のSNSで動画に出てたヒーローだよなアレ!? 本物マジヤバッ!!」


「(英)A purple electromagnetic field? Well, I think it's a kind of energy field, don't you? 」

( 紫色の電磁場? うーん、エネルギーフィールドの一種だと思うんだけど、君はどう思う? )


「(独)Er hat alle Kugeln in der Luft aufgefangen! Haha! das war aufregend, oder! 」

( 彼は電磁力で全ての弾丸を空中で受け止めたんだ! ははっ! 大興奮したよね! )


「(英)I couldn't be where I am today without him. Does anyone have his number? 」

( 私が今こうしてられるのって、ホント彼のおかげなの! ねぇ、誰か電話番号知らない? )


「この世界には今こそヒーローが必要だって思うワケ! ねぇ聞いてる?」

「ってか、かなりイケメンだったんだけどっ! いやコレマジで!」


「(英)Even Tony Stark would be surprised!  I was surprised too. 」

( トニー・スタークだってビックリだ! もちろん僕もビックリしたよ )


「(仏)J'ai cru que tout était fini, mais quelle journée incroyable ! 」

( 人生終わったと思ったけど、最高の日だったよ! )


「(英)He told me that his name is "R(アール)". 」

( 彼は私に教えてくれたの! 自分の名前は「 (アール) 」だって! )


 現場から中継していたテレビは録画されSNSで拡散、動画配信サイトでは「アマツ リン」に関する一連の動画と情報、そして「(アール)」に関する深堀考察があっという間に出回った。

 そして、世間は超常の力を持つヒーローの出現に沸いた。



    ◇◇◇



 ――ピシャシャシャシャーーン! バチッ! チチッチチリリッ!


 ホテルの窓から部屋に戻ったアル。


「ありがとう(すみれ)、助かったよ。 雷装解除」


 そう言うと、纏っていた紫電はアルから分離し、美しい女性を(かたど)った雷の最上位精霊「(すみれ)」に戻る。

 アルは実体を持たない(すみれ)の頬に、感謝と愛情の気持ちを持って手を当てる。


 頬に当てたアルの手の表面を、優しい紫の放電が撫でて行き、微笑と共に(すみれ)は精霊界に戻り姿を消した。

 スマホを取り出して電話を掛ける。


「はい、瀬尾です」

「もしもし、アルです。えーっと任務完了ってことで、大丈夫かなーと」

「迅速な制圧、お見事でしたアル様。(わたくし)の方からボス、防衛省、警察庁へ報告しておきますので、ゆっくり休んでくださいませ。それでは明日また、お疲れ様でした」

「あ、はい、お疲れ様でしたー」


 電話を切ると、アルはそのままベッドに倒れ込む。


「つっ……かれたーっ!」


 もう風呂に入って寝たいけど、その前にお腹が減ったと思い、ケンタッキーに行こうと思ってた所だった事を思い出す。

 ベッドから体を起こし、財布とスマホを持って外に出る。

 ホテルのすぐ前にあるアオンに行き、ケンタッキーで数量限定の「辛みそにんにくチキン食べくらべセット」と「デミカツバーガー」を店内で食べますと注文。

 お店には学校をサボった女子高生らがいたが、店内で椅子に座り呼ばれるのを待つ。


「ねぇ! このニュースヤバない!? ハイジャック即解決だって!」

「この間の人達だよねぇ、超能力だっけ?」

「悪い奴らやっつけたヒーローでしょ? カッコいいよねー!」

「えー、怖くない!? そもそも人間なのかも分かんないじゃん」

「むしろ人間の方が怖くない? ヒトコワってやつ」

「「あ、わかるーっ!」」

「えっと、名前はね『紫の閃光 (アール)』だって! あ、ほら! 結構イケメン!」

「え、マジ!?」

「おおーっ!」


 そんな会話が聞こえて来て、ちょっとだけこの場所に居づらくなるアル。

 いや「(アール)」じゃなくて「アル」って言ったつもりだったんだけどなぁ俺、しかも二つ名まで付いちゃってるし!?

 持ち帰りにすればよかったかなーと思うが、丁度呼ばれてしまい仕方なく受け取り、テーブルに戻って香ばしい香りを発している辛みそにんにくチキンにかぶり付く。


「あ、ウマっ!」


 女子高生の会話は、いつの間にかリンちゃんの話題に変わっていた。

 リンちゃん、今どこで何してんのかな。


「ま、リンちゃんなら大抵の事は大丈夫でしょ」


 ボソっと声に出てしまった独り言が、女子高生の耳に届いてしまったらしく、訝し気な視線を向けられた。

 ヤベっ! と思って思わず外を見ながらチキンを食べる。

 そういえば明日、社屋の中見れるんだったな、社宅かぁー、どんなんだろ?

 大変な事も多いけど、これからの毎日が楽しそうだ!

 と、コーラに口を付けたとこでさっきの女子高生らが席を立った。


「あのー、お兄さん。ちょっとこの(アール)って人に似てません?」


 突然話しかけられ、思わず口に含んだコーラを吹き出しそうになった。

 アルは思った、これからの毎日が大変そうだ……。

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