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Rising Force - Genesis -  作者: J@
激闘編

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アルテミス

「ちょっと(かおる)! もっとしっかり足持ってくれないと落っことすの!」

桜煌(おうか)も右腕しっかりお願いしますわ!」

恋焦(ここあ)は左腕バッチリ、しっかり持ってるんだぞ!?」

「それじゃ行くにゃーっ! 明輝(あき)、ほら前に進むんだっちゃーっ!」

葵育(あおい)だけズルいっすー!」


 四人でアルの身体を支え、葵育(あおい)が先導するというフォーメーション。


「ふっふっふっー! ジャンケンの神様に文句を言ってくれにゃーっ!」


 トンネルから出たものの、何処に寝かせて置くか考えていなかった。


葵育(あおい)、ところで何処に向かってるっす?」

「えっ!? あー、えーっと、とりあえずアッチのほう? だっちゃ?」

「いや、何で疑問系だしっ!」

葵育(あおい)は何にも考えてないの」

「あ、駅のソファとかよろしいんではなくて?」

「それは流石にマスター激おこするにゃっ!」


 赤倉(あかくら)駅まで来た所でパトカーが何台も走って来るのが見えた。


葵育(あおい)、アレがいいと思うんだぞ!」


 恋焦(ここあ)がこっちに向かってくるパトカーを指差す。


「多分、ヘリの爆発に気が付いた近隣住民が通報したの」

「よしっ! アレに向かってGOだっちゃーっ!!」


 赤倉スキー場の駐車場までパトカーが到着し、そこから田代峠の道に入ろうかという所。

 先頭を走るパトカーを低空飛行で追い越し、危なくないようにゆっくりと道路に降りる。

 車のライトに照らされた白狐面の巫女5人と、それに運ばれる男性1人。

 6台ものパトカーから20名程も警官が降りてきてアルテミスを取り囲む。


「きっ、君たちっ! こんな深夜に、こんな所で一体何を! それにその恰好は!?」


 懐中電灯を向け質問をしてくる若い警官。


「いやいや、熊さん、ソコじゃないっすよ。今、空飛んでたの見たでしょ?」


 熊さんと呼ばれた若い警官の肩に手を置き、別の警官が前に出てきてそう言う。


「あー、えーっと、俺は新庄警察署の鈴木っていう者なんだけどー。もしかして、さっき起こったっていう爆発と何か関係あり? だったりするかな?」


 明輝(あき)葵育(あおい)が頷く。


「なっ!! ちょっと署まで!」

「だから待てって熊っ! そうじゃないって言ってんすよ! 恐らく先日の動画の事も関係してるんじゃないかって思うんす。多分、先輩も……いや、まぁ俺に任せて!」


 先日の動画と聞いて熊谷にも思い当たる節があり、ここは鈴木に譲る。


「分かりました、鈴木先輩」


 他の警官もそれを見守りながら鈴木が前に出て話をする。


「違ってたらすいませんね。もしかして……先日の動画の黒いヤツですか?」

「ええ、その通りよ」


 明輝(あき)が頷いてそれに答え、続いて葵育(あおい)が情報を補完する。


「先日攻めて来た二体は先行偵察に過ぎない。動画を見ているなら知っての通り、我々は世界に蔓延(はびこ)る地下組織「WORMS(ワームズ)」を潰すために動いている。そして日本支部「BUGS(バグズ)」の拠点を田代峠一帯に突き止め、一刻前、制圧を完了した。だが、最強部隊と称する先日と同種の敵が三体、先程この地に降り、我々の仲間と交戦状態に入った。そしてこの男性は、そのBUGSに攫われた我々のリーダー「アマツ」の大切な友人だ。BUGS拠点制圧と共に救出してきたので保護を頼みたい。もう六か月以上意識不明の状態が続いたままだ。できれば丁重にお願いしたい」


 先日の黒いヤツ、凄まじい戦闘能力を持った敵が三体も現れたと聞いて、その場にいる警官らに動揺が走る。

 アルテミスの皆においては(葵育(あおい)スゲーっ! めっちゃ流暢! めっちゃ解り易い! そしてスゲー喋る!)となっていた。


「なにっ! ま、マズいんじゃないのかっ!」

「おいっ、本部に応援要請をっ!」


 周囲が慌て騒ぎ始める中、鈴木が周りに聞こえない様にコソっと話す。


「あの、えーっと、もしかして今、ロック先輩もその敵と戦ってるっすか?」

「なんだ、お前ロックの知り合いかにゃ!?」

「道理で話が早いの!」

「この本栖(もとす)さんを車の後ろのシートでいいので一時的に寝かせて置いてもらえないっすか!」

(わたくし)共も皆を助けに戻らないといけませんので」

「ロックは今ガチンコで殺り合ってる最中なんだぞ」


 鈴木の一言で一気に素に戻るアルテミス。


「BUGSの拠点内に生存者、死亡者含め多数の犯罪者が倒れていますので、確保の対応をお願いしたいっす!」

「んなっ! 死亡っすか! かなり大事になるっすね! 分かりました! この鈴木、頑張ってる先輩の為にも精一杯やらせて頂きます!」


 ビシっと敬礼をし、気合いを見せる。

 アルは数人の警官に運ばれパトカーのリアシートに寝かせられた。


「本部に応援要請しました! 県境という事もあり加美警察署からも出動するとの事です!」

「よしっ! 全員、聞いてくれ! ヒーロー達が制圧した地下組織の拠点内に、生存者・死亡者含め多数の犯罪者が倒れている! 我々警察はヒーローからの要請に応え、犯罪者の確保に対応したいと思う!」


 鈴木が声を上げる。


「平和を守るのがヒーローの仕事なら、市民を守るのが警察の仕事だ! 任せろっ!」

「ちくしょう!! 悪者にいいようにやられてたまるかってんだっ!」

「やってやろうぜっ!!」


 大きな声が上がる中、やはり白狐面に巫女の恰好をしたどう見てもうら若い女性が気になり声を掛ける熊。


「所で、あなた方は一体……」


 明輝(あき)が一歩前に出て両手を横に広げると、5人はいつの間にか横並びになっている。

 スーっと一浮かび上がり、夜の闇に紛れる。

「おおっ! と、飛んだーっ!」

「動画と同じだっ!」

「ああっ! 俺スマホ持ってきてないあぁぁぁーっ!」


 少し上空で闇に紛れた少女の声が聞こえる。


「私達の事、教えてあげる」


 その場に居た警官全員が空を見上げると、何処から現れたのか全く分からないが照明が左端の一人を照らす。

 短いアクションに「華は香り」のセリフが入ると、ライトエフェクトを伴って衣装が煌びやかなアイドル然としたものに変化する。

 さながら魔法少女の変身シーン、見えそうで見えないアレである。


「えぇぇぇぇーっ!?」

「うぉぉぉおおーっ!」

「はぁぁぁーっ!?」


 警察官の制服を着た男共が驚愕と興奮の雄叫びを上げる中、セリフは進む。


「森は育み」

「人は(こが)れ」

「星は(きらめ)き」


照明が全て消え、場が暗転する。


「そして、月は輝く!」


 暗闇の中、センター上部に煌々と大きく輝く銀月が、オーディエンスに向かって更に輝きを増すように見えた。


「我ら、Goddess(純潔) of() Purity(女神)Undulation(波動) Resonance(共鳴)! Artemis(アルテミス) !」


 5人の声が、共鳴する力強いハーモナイズを奏でた。

 地上では警察官が諸手を突き上げながら、力強くアルテミスコールを叫ぶ。


「「アルテーミスっ! アルテーミスっ! アルテーミスっ!」」


 センターの明輝(あき)がメンバーの皆に合図をし、コクンと頷く。


「「ライブ! 始まるよーっ!」」


 掛け声を合図に、ステージ、音響、照明、何とバックバンドまで出現した。

 深夜の山の梺、ネオン調に彩られた光が、幽玄的で幻想的、空想的な空間を演出する。

 インストが始まり、ホログラムは『 Hello ! New World 』を表示する。


「「うおぉぉぉーっ!」」


 職務を忘れたかのようにテンション爆上げの男共。

 恋焦(ここあ)がそんな観客に向けMCする。


「これから私達は、今まさに、悪の手先と戦っている仲間を助ける為、戦いに戻ります」


 葵育(あおい)がそれに続く。


「これは、我らが天から与えられた使命! 正義の執行者、月の代行者として鉄槌を下す!」


 (かおる)もそれに乗っかる。


「多大な被害も出るでしょう、多数の死者も出るでしょう、ですが怯えることはありません! 悪は私達が滅ぼします!」


 明輝(あき)も乗らない訳にいかず。


「これは、天の意思! (あま)つ意思! 恐れるな! 正義は我々と共にあるっ!」


 最後に桜煌(おうか)が締めくくる。


「男共ーっ!! 気合い入れて仕事しろなのーっ!」

「「うおぉぉぉーっ!」」

「「アルテーミスっ! アルテーミスっ! アルテーミスっ!」」


 最後で色々台無しになった感じしかないが、場の雰囲気で乗り越えた。

 鳴りやまないアルテミスコールの中、ネオンライトと共に戦場に飛び去るアルテミス。


「お前らぁーっ! 気合入れて行くぞぉーっ!」

「「うおおぉぉーっ!」」


 もはや何の集団なのか分からない感じだが、気合いは十分である。


「ちょっと葵育(あおい)! さっきの設定は一体何なんっすか!」


 明輝(あき)がビックリした顔で聞く。


「だってほらー、地下の拠点内でいっぱい敵殺したっちゃ? 普通に考えたら非常にまずいっちゃ?」

「そうですわ! なのでそこは設定で天の使命、月の代行者って事で、私達に法律は通用しませんよっていう免罪符を刷り込んでおくのが正解ですわ! 明輝(あき)だって『(あま)つ意思』って言ってましたわよ?」

「い、言ったっすね!」

「大丈夫、ここあ達は女神だし!」

「そういう事なの!」

「それよりも皆を助けに行くっすよーっ!」

「「おーっ!」」

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