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Rising Force - Genesis -  作者: J@
激闘編

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Starkste Truppen

 日本に強い奴がいる。そう噂を聞いた俺達は、楽しめるオモチャがいると沸いた。

 別件の任務に出なくてはいけなかった俺とパラ。それと単独任務に出る寸前だったレッドアイは、そのオモチャに会いに行きたい気持に逸った。

 だが、Fuhrer(総統)が「任務が終わったら好きにしていい」と言ったので、先行は仕方なくツェツェとシーに譲った。


「空飛べるからってズルイよなぁー! 俺らだってオモチャと遊びてーじゃねーか、なぁパラ?」

「アタシわぁ~、ディノ様を独り占めできる時間が増えるので嬉しいですぅ~!」

「そう? ならその時間はパラに譲るわ。だけどその代わり、それまではアタクシがディノ様にたっぷりと愛していただきますわよ」


 いつもはトロンと蕩けた感じのパラポネラの目がキツイものに変わる。


「くっ! この年増がぁ!」


 ツェツェも負けじと豊満な胸に手を置きパラを煽る。


「フッ、アタクシの美貌と完璧なボディに嫉妬してるのですわね、アナタのは……フッ」


 取り柄は若さだけでしょう? と続く言葉が聞こえそうなくらいの嘲笑を吐く。


「まあまあ二人ともぉー、ここは仲良くねぇー。ツェツェは自分で拡げて下に、パラも自分で拡げて顔の上に来なぁー」

「「はい~っ!」」



    § ツェツェ §


 ドイツはシュヴァルツヴァルトにあるWORMS本部。

 最強部隊と呼ばれる能力者メンバーの日常は、任務や興味のある事以外は怠惰で自堕落。

 それこそ欲に塗れた生活を送っている。


 ――パンッパンッパンッパンッ!


 リズミカルな肌と肌が打ち合う音。


「アッアッアッアンッ! アンッ!」


 そこにツェツェの甘い声がのる。

 普段は低めで知性を感じる声を持つツェツェ。

 ヨーロッパ方面では名の売れた歌手というのが表の顔だ。

 類まれなる美貌とスタイルを持つ彼女に言い寄る男も多く、これを手に入れた男は相当恨みを買うことになるだろう。


 しかしツェツェの本性は表とは真逆の所にある。

 強さを求め、弱きものを甚振(いたぶ)り、より強きものに凌辱される事に悦を感じ、それを欲とした。

 物心ついた頃には歌う事が好きだった彼女は、いつしか上手く綺麗に歌い上げる事に飽き、無様に悲鳴を上げ絶叫し泣き叫ぶという歌を知った事をきっかけに壊れ、本能、欲に没頭するようになった。

 その後、自分の両親を自ら手にかけた日に能力に目覚め、今こうしてWORMSに居る。

 殺戮と凌辱に塗れた日々は、ツェツェにとっては甘い蜜に浸る程に素晴らしい日々となる。

 高みにある強さを持つディノ様に、アタクシは今日も凌辱され愛され、そして恍惚とした表情を浮かべるのだ。



    § パラポネラ §


 ディノの顔に十分に滑ったモノを押し付けるパラ。

 幼い頃はストリートチルドレンだった。

 物心ついた時には両親はおらず、似たような境遇の血のつながらない兄弟が沢山いた。

 家はマンホールから地下に降り、少し進んだところに器用に段ボールや木材を組んでカプセルホテルのようにした場所に大勢で住んでいた。

 日々やる事と言えば残飯漁り、盗み、強盗、殺し。

 それを生業としてその日を暮らす毎日だった。

 身なりは汚く痩せていたが顔はそれなりに整っていた為、ある時大人に掴まり殴る蹴るの暴行を受けたうえ動けなくなったところで、何人もの男に体をいいようにされた。

 あまりの痛さに気を失い、気が付いた時には大人は全員血を流して死んでいた。

 一人の男がそんな自分に声を掛けて来て、住むところ、食べるもの、ふかふかのベッドを与えてくれた。


「ひどい目にあったなぁー、これからは心配いらねーからなぁ?」


 そう言って一緒にお風呂に入り体を綺麗に洗ってくれた、可愛い服も買ってくれた、アタシは幸せを知った。この人にずっとついて行く、恩返しがしたい、喜ぶことをしたい。

 だが何をしたらいいのか分からない、自分に出来る事は少ない。


「アタシに出来る事はありませんか、なんでもします」


 そう言うと、その男は想定外の答えを返した。


「ならずっとオレの側に居てぇー、オレの望むことを叶えろぉ?」


 アタシはその男にのめり込み、愛し、執着し、アタシの全てはこの男の為に生きた。


「ディノ様ぁ~」


 汗も、唾液も、排泄物も、分泌物も、声も、視線も、思い出も!

 全部全部アタシのものだ! 誰にも渡さない、この男はアタシのもの。

 そして今日も、これからも、アタシはディノ様の逞しいモノを咥え続ける。



    § シーボルディ §


 ツェツェと共に日本に飛んだシーボルディ。


「ニホンにいる ツよい オモチャ たのしミダナ ツェツェ」

「え、ええ、そうですわね」

「このタタカイ オわったら ニホンの おいしいモノでも タべにイカナいか」

「そ、そうね、日本の食べ物は美味しいと聞くわ」


 それを聞いてオレは、こんな戦いは早く終わらせて憧れのツェツェと食事に行こうと張り切った。

 遠くに強い力を感じる、オレはそっちに行こう。

 ツェツェには近い所にいる少しだけ強い奴の方に行ってもらおう。

 美しい顔、完璧なボディには1ミリの傷もつけさせない為だ。

 ここはさっさと片づけて、ツェツェの所に早く戻ってこよう。

 少しでもオレが素敵だという所を見て欲しい。


「キイィィーッ!」


 戦った敵は強かった。しかし、この技を受ければ黄色い猿など一瞬でミンチだろう。

 だが、オレのイメージしたものとリアルは違ったものになる。


「ツェツェーッ!」


 あり得ない程の、いや、許されない程の業火に焼かれ、塵も残さずオレは死んだ。

 これではこの後の食事にツェツェをエスコート出来ないではないか。

 せめて……心だけは……ツェツェの元へ。



    § レッドアイデビル §


 どいつもこいつも私をイラつかせる。

 珍しく眉間に皺をよせるレッドアイデビル。

 四六時中見境なく盛る女共。語彙力も会話も拙いシーボルディ。脳みそというものを持っているのかすら怪しいディノ。

 百歩譲ってディノの強さは認めよう、だがシーボルディとパラはどうだ?

 大人しく私の糧となり喰われた方がよほど有益ではないか?

 ツェツェには言いようのない怖さを感じる。出来ればあまり親密にはなりたくない。

 そもそも私はWORMSなどという狂った集団に属するつもりなど無かった。

 ただ一点、合法的に人が殺せてその後どう処理しようがなんのお咎めもないという。

 私の愛する読書の時間と同じ程に、殺人と食事は非常に大事なウェイトを占める。だから今ここにいる。それだけだ。

 今日も有意義な時間を求め、こんな島国までやって来たのだ。

 さぁ、私を楽しませてくれ、決して失望などさせてくれるなよ?



    § ディノポネラ §


 いつからだろう。

 俺には、痛い、悲しい、苦しい、怖い、嬉しい、気持ちいい、と言った感情がない。

 ただ、俺が何かを言うとパラとツェツェは嬉しそうにする。俺に甘える、喜ぶ。

 俺にはそういうものが分からないから、そういうのを見るのが好きなんだ。

 ただ、先行して日本に行ったツェツェがボロボロになって帰って来た時は、俺の知らない感情を覚えた。

 手も足もおそらく二度と使い物にならないだろう。

 組織の高度な医療で何とかするとは聞いたが、何なんだこの感情は?

 レッドアイに聞いたら、それが怒りというものだと教えてくれた。


 そうか、俺は(いか)っているのか。

 あんなに美人で俺に尽くしてくれたツェツェ。

 見るも無残な姿に変わってしまったツェツェ。

 また俺の上で、綺麗な甘い声で歌って欲しい。

 両の拳を握るのは、(いか)っているからなのか。

 そうか、(いか)ると目から水が流れるのか。

 そうか、俺は(いか)っているのか。

 そうか……。


 待っていろ、日本のオモチャは全て俺が壊してやる。

 俺がお前たちの嬉しいを取り戻してやる。

ご覧いただき、ありがとうございます。


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