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Rising Force - Genesis -  作者: J@
激闘編

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混乱

    § 作戦本部チーム キラ視点 §


≪こちらベータチーム。これから20階に降りる≫

≪こちらアルファ。階段は30階で終わりの様だ、フロア内に入る≫

≪了解よ、みんな気を付けて!≫


「ジュンタくん、甘楽(かんら)さんの所に繋げるカメラ作ってくれる?」

「了解です! 一応固定スタンドも、はい!」

「ありがとう、ちょっと現状報告をするわね」


 モニター全体が映るようにカメラを向け、スタートボタンを押す。

 東京、甘楽(かんら)のコントロールルームではPC上に突然ウインドウが開く。


甘楽(かんら)さん、見えてる? 聞こえたら返事してもらえますか』


「うわっ! え!? 急に動画が!」


 オペレーターは突然流れる動画と音声に驚く。


『あ、大丈夫そうね。リンくんのボディカメラで見えているとは思うけど……』


 アルファチームとベータチーム。それと作戦本部チームの現状を共有した。


『アルファチームは33階まで直行する予定です。それとこの拠点、思いのほか深いのよ。何階まであるかわからないけれど、各階の制圧はベータチームが現在遂行中よ。こちらでアルファ及びベータチームを追尾しているドローンがあるから、そちらにも映像回しますね』


 そう言うと待機中の別の端末2台が勝手に起動し、それぞれの映像が映る。


「いや……、これは何とも、ホントに凄いな。あ、いや映像感謝する! こっちからは何も出来なくて申し訳ない」


『そんな事ないわよ。ではまた後で』


 あまりの離れ技と展開に、置いて行かれる本職の甘楽(かんら)


「な、なぁ、ウチのネットワークセキュリティってザルなのか?」

「いえ、ガッチガチのはずなんですが……。もう意味がわかりませんよ」

「だよなぁ……。にしても色々とヤバい映像てんこ盛り過ぎるだろ……。マジかよ」



    § ベータチーム さちこ視点 §


 20階に歩を進めたあたしたち。

 中に入った途端鼻をつくような臭いがして吐き気がする。


「んなっ! 学校の部室みたいな臭いがするんだぞ! 汗くっさーっ!」


 恋焦(ここあ)が突入一番、きっとみんながそう感じただろう事を叫んだ。


「来たぞ! 侵入者だっ!」

「女だっ! 若い女だっ! 捕まえて引ん剥けーっ!」

「俺が最初だーっ! 女は捕まえろっ! 男は殺せっ!」


 また200人近くの蟲共が襲い掛かってきた。

 さっきは2階分の吹き抜けフロアだったので余裕があったが、今回は視界も悪いし障害物も多い。ここはトレーニングフロアなのだろうか、運動器具が沢山置いてある。

 一瞬どうしようか考えたが、考えるよりも動いた方が間違いなく早い。


「「各個撃破ーっ!」」


 叫んだ号令がロックさんと被った。考えるのが苦手なのはあたしと同じか。

 何故かあたしと(かおる)に群がって来る敵が多い。ロックさんなんて完全にスルーだ。

 あたしは群がってくる敵を片っ端からブチのめしていく。

 手加減なんて出来るほど器用じゃないから、全力で拳を放って、全力で蹴り抜くだけ。

 結果、頭が破裂したり、身体が上下に分かれてしまう事になっても、それはあたしのせいじゃない。全部あなたたちが悪いの。死にたくなければ端っこで蹲ってなさいよ! そしたら両手両足骨折くらいで済ませてあげる。命までは取らないであげるから、いい加減群がって来るのヤメテくれないかなぁ! こんなサービス、滅多にしないんだからね!


「いい加減しつこいっ! 死にたい奴だけ掛かってこいっ!」


 胸ばかり狙ってくる敵に、(かおる)はあたし以上にキレている。


「汚ねぇ手で触ろうとしてくんじゃねぇよ豚共! 死ねゴルァーっ!」


 キャラ崩壊の勢いは、床に転がった人間でジュータンが出来上るほどだ。

 桜煌(おうか)葵育(あおい)恋焦(ここあ)は小柄を生かし、天井も使って立体的に動き回っている。ただ、敵の首がポンポン刎ね飛ぶ中を、巫女服を着た白狐が飛び跳ねているという異様な光景。まさに地獄絵図。

 明輝(あき)に至っては、この空間というか臭いが相当苦手なのだろう。ブツブツと何か唱えながら全て一撃で敵の命を絶っている。その目は完全に据っており、口の両端が上がっていて絵面がヤバイ。

 フロア制圧が完了した時には上も下もドス黒い赤一色だった。

 薄暗い照明と回転する赤色灯の灯りがそれを更に助長する。

 ベールのおかげで返り血一つない白衣の白狐面巫女が6人、黒装束の黒狐面の男が1人。

 サイレンと共に天井から滴り落ちる凝固しかけの血が、やけにリズミカルに床を打った。



    § BUGS視点 §


 40階の格納庫に向かう為、秘書と共に廊下のエレベータに向かった。

 だが、既に壊されたのかボタンを押しても反応がない。

 仕方がない、一旦、支部長室に戻って35階までの専用エレベータで下に降りよう。

 そこから先は階段を使うしかなさそうだ。

 しかし、なぜこの拠点がアマツにバレた? しかも侵入してきただと?


「おい、すぐ蟻の顎砕(がくさい)と連絡を取り、何が起こっているのか情報を聞け」

「分かりました!」


 アマツの力はそれほどなのか! いや、あり得ない。しかし、もしあり得るとしたら?

 目的は……攫ってきた本栖(もとす)か! あれを奪い返しに来たというのか!

 ならどうすればいい。アマツを手に入れるにはどうしたらいい?

 交換条件で納得させるか本栖を盾にして脅すのが一番効果的なんじゃないのか?

 こういう時は得てして古典的でシンプルなのが一番効く。ああそうだ、それでいこう。


顎砕(がくさい)、通信に応答なし。というよりかは、装備を全て捨て、姿をくらましたようです」

「なっ、なんだとぉっ! あの陰気な根性なしがあぁぁ!」


 逃げやがったというのか! 我が身可愛さか死の恐怖に負けたか。

 どっちにしろ奴は必ず探し出し、私自らの手で制裁を加えてやる。


「チッ! 分かった、その事は後で対処する、今はこの状態をなんとかせねば」


 エレベータに乗った秘書は35階のボタンを押すが、廊下のエレベーター同様、セキュリティが故障しているのか、一切反応しない。


「支部長! このエレベータも動きません!」

「この危機を打開するいい考えが浮かんだ! 33階へ行くぞ!」


 非常事態だというのに何故か顔がニヤケる。

 分かる、分かるぞ! きっとこの危機はアマツを手に入れるためのチャンスだ!

 私の心が震えるのは恐怖にではない! 期待に震えているのだ!


「さあ、来いよアマツ! 私はお前を手に入れるぞっ!」


 笑みを浮かべながら高らかに宣言し、階段に向かって走り出す。


 地下40階の格納庫から持ち出した銃器を装備し、階段を上がる幹部統括。

 27階まで上らなければいけない事を考えると、明日の疲れが倍増しそうだ。


「フゥッ、フゥッ、フゥッ! かなり……キツイな」


 34階まで上がった所で、上から人の声と階段を走る音が聞こえてきた。

 今見つかるのは少し具合が悪いと思い、見つからない様静かに階段を上がる。

 すると、その更に上から数十人の足音が降りて来た。

 上を走っていた誰かもその足音に気が付き声を上げる。


「誰だっ! 一体上はどうなっている! 何が起きた!」


 支部長の声だ。


「あ、ボスっ! ここに居たんですかい! オレです、蜈蚣(むかで)部隊長の百足(ももたり)ですよ」

「蜘蛛の八眼(やがん)もおります。私共の配下を連れボスの警護に馳せ参じました」

「侵入者ですぜ! 多分そいつがエレベータぶっ壊しやがったんで、階段で来やした!」

「一応、我々の部下200名を上に向かわせ、ネズミを排除する様命令しております」

「ふむ、いい判断だ。ならばお前達は私に付いてこい」

「了解だぜ!」

「承りました!」


 そう言って支部長と部隊長たちは33階に入っていった。

 33階は攫ってきた本栖(もとす)を捕えている階だ。

 アマツを手に入れ、BUGSも手に入れるには……。

 どうすれば自分が一番得をするのか、立ち回りを考える。

 そうだ、支部長もろともこの階にいる奴を全員殺して、アマツに本栖(もとす)を取り返したと言う。

 まあそもそも、本栖(もとす)を攫ってアマツをこちらに引き込む策を提案したのは私だがな。

 そしてこの組織を変える為に力を貸して欲しいと持ち掛ける。多額の報酬でな。

 交渉に失敗した時は洗脳を施すまでの事だ。なに、私ならやれるはずだ。

 内部への説明は、土壇場で幹部達が権力争いを起こし、互いに殺し合ったとして、見かねた私が双方に粛清の手を下したと説明しよう。そしてBUGSの主権を私に集中させる。

 これだ! これでいこう! これしかない!

 そう思うと40階から担いできた銃器の重さも、足取りも軽くなったような気がした。

 この先起こる事に期待しながら33階に入るのだった。



    § アルファチーム リン視点 §


 30階に入ったオレたちだが、今までのフロアと違い過ぎる様相に戸惑った。

 コンクリート打ちっぱなしの壁に白ペンキを塗布した今までのフロアと違い、廊下はワインレッドの絨毯調タイルカーペット。壁は木材が使われダークブラウンでまとめられ、天井はブラックで小さめの電球色ダウンライトが多めに埋め込まれている。壁には間接照明。床と天井の(きわ)にも間接照明が続いており、昼光色の光が天井と床を照らしている。


「んなっ! 何だこのフロア!」

「やけにお金掛かってますね。しかも趣味が悪いというか、変に居心地がいいというか」

「俺は、いっそ映画館でもあるのかと思うんだが」

「映画館なら別の……あ、にゃははは! いやー、流石に無いと思うしー」


 今、絶対別の階にあるって言うとこだったな!? 気を引き締めていこうな!


「しかしこの空間にサイレンってのはミスマッチ過ぎだろ。非日常感が半端ない」

「このフロアにはこのドア一つ、正面のエレベータは動いてないです! それと奥に下に降りる階段が見えます!」


 晶がいち早くチェックし教えてくれた。


「多分ここは重要な部屋か何かだ! 中を調べるぞ!」


 そう、この部屋はBUGS支部長の執務室って聞いてる。

 だが、ドアはセキュリティカード仕様でロックされているようで取っ手が無い。


「よし、俺に任せろ!」


 ショウゴはドアの隙間に指をねじ込み、力づくで開いていく。

 歯車とかローラーみたいな部品が、中で破損していく音が鳴る。


「よし、通れるぞ!」


 中に入ると廊下と同じ様な仕様の部屋だが、薔薇や植物がふんだんに置いてある。

 豪華なテーブルやイス、でかいデスク、奥には給湯室、トイレ、浴室、寝室、エレベーターまである。

 エレベータのドア上には30から35までの階表示。


「このエレベータで33階まで行けそうだぞ!」


 だがボタンを押すも反応が無かった。


「チクショウ! 駄目だ、動かなかった!」


 このエレベータは諦めて、とりあえず室内を探る。


「立場が上の人の部屋って感じがしますね、だとしたらもしかして……」


 晶は立派過ぎるデスク周りを見てそう言いながら、何やら探している。


「あっ! もしかしたらコレかも?」


 何かのスイッチを押したのか、天井からデカイモニターが降りてきて、デスクの中からキーボードとマイク、カメラが生えてきた。


「わっ! アーちゃん天才! リン! ヤバイの見つけた!」

「当たりですかね」


 晶はその出てきた機器にFRISKサイズの中継器を付けていく。


≪キラ姉! 多分ですけど今くっ付けた中継器からWORMSに侵入行けるかもですっ!≫


 何か今サラっと凄い事言ったような気がしなくもない。


≪晶ちゃんっ! すごいっ! 多分大当たり大金星よっ! 後はこっちに任せて!≫

≪了解です! じゃ、こっちは33階に降りてアルさんの救出に入ります!≫


「「マジか晶っ!?」」

 「はいっ! えっとこの部屋は多分BUGSトップの部屋と思われます。ということは本部のWORMSと何かしらの連絡手段があるはずじゃないですか。それがコレです!」


 アゲハもこの存在は知らなかったようだが、予想はつけていたみたいだ。


「ですので、これに中継器をくっ付けてキラ姉に侵入してもらえばWORMSの本部……それどころか世界中にあるだろう支部の拠点が分るかなーと、思いました」

「アーちゃん……まだ14歳なのに、なんて恐ろしい子っ! 天才すぎて妹にしたい!」

「妹はこんなに出来がいいのに、俺の方は……」

「え、、あ、うん。ドンマイ、ショウゴ」


≪こちらベータチーム! 25階でサーバールーム発見っ! 中継器を付けたわ!≫

≪了解したわ! 皆、大・大・大金星よっ! さて、ここからは私の腕の見せ所ねっ!≫

≪≪キラお姉様ファイトですっ!≫≫


「みんな凄ぇよ! オレたちも負けてらんねぇ! 先に進むぞ!」

「「おーっ!」」


≪アルファチーム! これより33階に降り、アル救出を行う!≫

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