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Rising Force - Genesis -  作者: J@
激闘編

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58/124

ドンピシャ!

「はい、岩上です」

「……おいロック、随分と余裕じゃねぇか、一体何やらかしたんだ? もしくは何かに巻き込まれでもしたか?」


 間違いなく動画の件で聞いてきてるよなコレ。

 嫌な汗が流れる感じはするが、ここはまず知らぬ存ぜぬを通すしかないか。


「えっと、言っている事がよく分かりませんが、エボさん、先日はありがとうございました。 本栖(もとす)君の実家の件は何か進展ありましたか?」

「ほぉー、シラを切るつもりか? ロックがそう来るなら無理やりにでも表に引きずり出してやろうか?」

「え、エボさん、言ってる事がよく……」

「アマツ レンじゃろう?」

「わからな……」


 ああ、これは逃げようとしても無駄か。そもそもエボ爺は、あの誘拐事件で起きた犯人全員が異常な殺され方をしていた事。暴力団事務所壊滅と街中の半端者が大人しくなった事。それら全てがリンと繋がっている事。そしてそれらは超能力で行使されたものであることを指摘していた。


「エボさん……『アマツ リン』です」

「……レンでもリンでも大した変わらんわっ! んで? 話す気になったんか?」


 今この流れで話してしまうのは容易いが、俺一人で話すよりは……。


「エボさん、明日お時間頂けますか」


 俺は、皆が同席の上でエボさんに事情を説明した方がいいと判断し、場所と時間を指定した。

 エボ爺は一言だけ「逃げん方がええぞ」とだけ忠告して電話は切れた。


≪――というやり取りがあの後あってだなー。スマン! 力を貸してくれ!≫

≪いや、いつかはこういう日も来るだろうと思ってたしな。オレはOKだ≫

≪勿論、私も同席させてもらうわよ≫

(わたくし)もご一緒させて下さい。お役に立てることがあるかもしれませんので≫

≪あたしたちも一緒したいけど、明日は学校行かなきゃだからごめんねー!≫

≪あーしもとりあえず学校行かなきゃだしー。日数ヤバいしー≫

≪俺も一応危うい感じだが、学校に行ってくる。何か言われたら違うと言ってくる≫

≪私とリンくん、ロックさんとセオドラちゃんで上手くやるから大丈夫よ。みんなも色んな意味で気を付けてね≫


 その後四人で、どう話を切り出して、どこが落とし所なのかを相談した。


 翌朝、昨日の事が気になって珍しくテレビをつけたら「真相追及! ドンピシャ!」という番組で既に特番が組まれていた。

 以前、あの事件で世間が賑わった際に「超能力説」を唱えていた犯罪捜査の専門家って人が昨日の戦闘動画について熱弁をふるっている。

 これは見ておいた方がいいかもしれないと思い、テレパシーでみんなに連絡する。

 学校組は既に登校時間になっているので見れない、との返事だったが、キラさん、岩上(いわがみ)さん、セオドラさんはテレビを付け、見始めたらしい。


『映像を解析した結果、CGや特撮ではない可能性が非常に高いことが分かりました。だとするとですよ? このようなマンガや映画に出てくるような空想世界の力は本当に存在し、このレベルで凄まじい戦闘が実際に行われているという事は、我々の知らないどこかで、以前から存在したものであることの裏付けと言えるんじゃないでしょうか!』


 興奮気味に話す専門家は、映像が映されているモニターに手を付けてしまい、手跡が残ってしまったまま番組は続く。


『えーっと、先生。だとしたら。こちらの三人とこの真っ黒のー、いわゆる仮面ライ〇ーと思しき人物。何故こんなに激しい戦いを繰り広げているのでしょうか? この映像から何かお分かりになる事はありますか?』

『はい。この動画に映っている三人と一人、いや一人と言って良いのかもわかりませんが、こっちの黒い方ですね。この二組が対立している理由はこの映像から読み取る事は出来ません。ですが、現場に居合わせた沢山の目撃者がXYZに動画を上げておりましてね、それらを検証していくとですよ、彼らの会話が聞き取れるんですよ。雑音が混じっているので非常に聞き取り辛いんですが、字幕付きで編集したものを用意してあります』


 テレビ画面いっぱいに字幕の付いた映像が表示される。


『えー、まずですね。何故こんなに激しい戦いを繰り広げているのか、という部分が考察出来る会話がありました。こちらです』


【俺は ワームズ 最強部隊 4 強顎 シーボルディ……】

【我々 ワ……ムズは 世界を 手中…… 収める…… バグズは 日本の 下部組織 世界中 ある】

【それ…… 地下組織…… 事か?】

【イ……が ……ナイ 基地は 地下にある ……いう意味 は 地下組織だ】


『ご覧になりましたように、要約しますと、世界を手に入れようとするワームズいう地下組織があり、この動画に映っている黒いのが、えー、最強部隊の四番目って事ですね。で、名前がシーボルディ。映像を見てお分かりのように、トンボを連想させる仮面をしておりますが、シーボルディというのはオニヤンマという意味が当てはまります。しかも、日本にバグズという名の地下組織がある事が、この会話から聞き取れたと思います』

『なるほど。我々一般市民が知らない闇と申しますか、世界の裏があると、先生はおっしゃっているわけですね』

『まぁ、簡単に言ってしまうとそうなります』

『では、この、それは地下組織か? と聞いているこちらの男性は、この地下組織と対立している、もしくは戦っている別の組織と見るのが正しいのでしょうか』

『そこはですね、次の映像と会話を見て頂きたいんですが。えー、その前に、我々日本人だとどうしても仮〇ライダーと言えば正義の味方でありヒーローのイメージが定着しています。ですが、これは逆です。この黒いシーボルディと名乗る者が属するワームズ。それと、日本支部のバグズが世界を手にしようとしている悪であり、こちらの三人は我々を守ってくれている存在と考えられます。そう、彼らこそがヒーローなのです!』


 かなり熱のこもった力説を、世界に向けて語り掛けている。

 しかも、その考察はほぼ正解である。


『先生、かなり興奮してらっしゃいますが、大丈夫でしょうか』

『ええ大丈夫です。いいですか! この映像に映っているのは事実であり、リアルです! そして彼らが使っているのは私たちが知らない未知の力! 所謂『超能力』ですっ! そして彼らはそれを悪用することなく、我々を守る為に使っている! 善良な一般市民の味方でありヒーローなのですっ! ……それを踏まえたうえで次の映像をご覧ください』


 熱弁に思わず見入ってしまったが、全国に向けてここまで断言した上に、ほぼ真実を説いてしまうと、この先生って人は狙われてしまうんじゃないのか?

 こういう突拍子もない現実が世に出てきた時、それについて言及すると、どちらかに偏った危険思想と捉えられがちである。

 必ず反対の考えを持つ者たちも現れ、論争や何かしらの衝突が起こったりするものだ。

 まして政界や財界、芸能界や文化界、どこまで地下組織の人間が潜っているのか分からない状況だ。

 テレビ画面いっぱいに字幕の付いた映像が表示される。


【お前…… アマツか】

【オレを探してた……か ヒ……ナ……だな ……で ……何の用があって……来た】

【お前たち…… 強さ…… 量りに来た】

【一つ聞く あ…… モトスユウ ……くは キヌジレイ ……聞き覚えないか】


『ちょ、ちょっと待ってください先生! あのっ! 映像を止めてしまってすみません! 今出てきた名前! 私聞き覚えがあるんですが、もしかして数か月前に起きた事件、女子高生誘拐事件に関係しているのではないでしょうか!』

『はい、皆さんまだ記憶に新しい事件なので覚えている事と思いますが、その事件はキヌジレイさんと言う女子高生が誘拐され、それを救出するべくアマツリンさんとモトスユウさんの二人が救出を試みた結果、キヌジさんは殺害され、モトスさんは未だ意識不明の重体。唯一生き残ったのがアマツさん。犯人グループは全員死亡が確認されたものでした』

『ええ、もちろん覚えております。非常に不可解な事件でした』

『先ほど流れた映像とあの事件。合わせて考えますとね、今回と同じだったんじゃないのかと思うんですよ』

『と、言いますと?』

『キヌジさんの実家は地元でも有名なお金持ちでしてね。そのお金目当てで誘拐されたというのが今までの見解でした。噂ではその身代金は五十億を超える要求だったそうです。もしね、それがこの地下組織の資金に流れるとしたら。その後ろにこの黒い奴らが居たかもしれない。 犯人全員が原形も留めない程のミンチになり死亡していたという異常な現場。その中心にキヌジさんとアマツさんが倒れていたという事を考えるとですよ、この時から既に彼らは誰かを救うべく、戦っていたと考えられませんか?』

『ですが、先生。あまりにも突飛すぎて、理解が追いつかないのですが』

『もちろんです! なにせ、私たちは知らなかったのですから! その存在とその力を!』

『えーまだまだ聞きたい事、深堀したい事は山ほどあるのですが、そろそろ番組終了の時間が迫っております。最後にこちらの映像を流して終わりたいと思います』

『最後に一言だけ! アマツ君! もし可能なら私に連絡をくれないだ……』


 言葉の途中で画面が切り替わり、映像が流れる。


【殺す! お前ら殺す! ツェツェ…… お前ら 皆殺す!】

【悪く思うな……! 今までのツケ……回って来た……思って観念しろっ!】

【一回…… 出直してこい…… くら…… スーパーノヴァ!】


 画面に一筋の光が走ったと思った瞬間、光で真っ白になり、次にカメラの焦点が合った時にはシーボルディは消滅していた。そこで番組終了のテロップが流れ始め、オレ達3人が空に消えるところで番組は終了。

……これ、全部バレてねぇか?


≪これ、どうしたらいいと思う?≫

≪そうね、どう整理したもんかしらね≫

≪あの、(わたくし)の考えですけども、今日、烏帽子さんとお会いするのはボスと岩上さんと(わたくし)の三人で問題ないと思われますので、リン様は、先ほどの番組で解説していた方に会いに行くべきかと考えます≫

≪瀬尾さん、エボ爺に俺ら三人で行くのはいいとして、リンをさっきの人に会いに行かせて、そっから先は何をしたらいいんだ?≫

≪あそこまで正確に内容を把握しているなら、要求に応えて会いに行った方がいいかもしれないわね。地下組織を潰す為と今後の私たちの活動における協力を求めた方が得ね≫

≪はい。番組を見た感じでの判断になりますけど、こちらの状況を理解頂ける方と判断しました。それと警察、または防衛関連とは今後何かしら関係を作って行かなければいけない時が来ると思われますので、その間に入っていただけるよう信頼関係を作られた方がいいのでは、と考えます≫

≪よしっ! りんくん、行ってらっしゃい! こっちは私達に任せて!≫

≪えっ! キラさん!? オレあんまり気が進まないんだけど≫

≪そもそもそんな悠長な事言ってられるのかしら? さっきあなたテレビで、しかも全国放送で個人の特定されたのよ? 言ってしまえば今のままその家に住んでられると思う? メディアから警察から野次馬から、すぐ押し寄せるわよ?≫

≪はぁ!? いやまさかそんな事……≫


 気が付くと家の外が騒がしいような気がして、リビングから外を覗く。

 家の前の道路にテレビカメラや野次馬がめっちゃいてビビったっ!


≪えええーっ! 家の前にめっちゃくちゃ人いるんだけど!≫

≪ほらみなさい! さっさと支度してさっきのテレビの人に会いに行きなさい≫

≪え、でも、どこの誰かも、どこに行けば会えるのかも知らないんだけど!≫

≪さっきの番組は『真相追及! ドンピシャ!』だからニッテレね。なら、汐留にあるニッテレタワーに行けばいいわ≫

≪え、でもどうやって会う連絡したら≫

≪ちょっと待ってね……はい、今SMSで10時に会えるようメッセージ入れたわ。あそこは広すぎて間違いなく迷うだろうから、屋上で会えるようにしておいたから、しっかり頑張ってきてね≫

≪流石ボスです、判断もお仕事も早い!≫

≪セオドラさん!? そこ褒めるとこ違うー!≫

≪リン、諦めて頑張ってこい。こっちは俺達に任せておけ≫

≪そういう事ね。あっそれと、外にいる野次馬とか報道は気にしなくてもいいわよ。家から出るときは玄関から。一番前にいる記者に、ちょっと用事が出来たので失礼しますって言って、目の前で堂々と飛んで東京まで行きなさいね≫

≪えっ! 大丈夫なのかそれ?≫

≪何言ってるの。もう盛大にバレたようなもんなんだから! 隠すと余計に面倒な事になるわよ? じゃ、後でどうなったか報告待ってるわね≫


 これってアレですかね、取締役とは言えど就職して初の出張って事?

 昨晩の事もあるし、考える事が山積みで忙しい。

 あー、だから「今後の私たちの活動における協力を求めた方が得」って事なのか?

 確かにその方が各段に組織を潰しやすくなる。

 キラさんやセオドラさんの頭は一体どうなってるんだ?

 そんな事を考えながら出る準備をし、オレは玄関のドアを開けた。

ご覧いただき、ありがとうございます。


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