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Rising Force - Genesis -  作者: J@
喪失編

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蠢動

 地下に世界を裏から支配し暗躍する組織「WORMS(ワームズ)」があった。


 世界各地から武器、兵器、そして超常なる力を持った人間たち、所謂「超能力者」を集め、世界統治と言う名の支配を行う集団。

 その組織は多方面に渡り力を持ち、各国政府、行政、政治家、民間企業。そして情報源や有事の際の末端として使っている反社集団など、多くの下部組織を従えている。

 WORMSはその重要度に応じて下部組織へ人材を派遣し、統制および情報収集を行っている。

 我々はそのWORMS日本支部となる「BUGS(バグズ)」だ。


 先日、下部組織のひとつである暴力団が壊滅した。

 少し前にも、組織資金となるはずだった誘拐の身代金入手に、末端の蟲達が失敗した。

 危険が伴って当然の活動を行っているのだから、失敗することも当然あり得る。

 この失敗もありふれた結果の一つであるはずだった。


 だが、BUGS支部長である私は、この失敗に少し頭を抱える事になる。

 監視を行っていた部隊「蝶」の長「黒蝶(こくちょう)」が今回の報告後、失態を理由に半ば強引に組織を抜けたのだ。その能力の高さを認め、私が直々に登用したというのに、なんという痛手。

 抜けた後の組織に関する秘密遵守違反は、すなわち死だが、まあそこは大丈夫だろう。


 しかし、確かに失敗の連続はもちろん、一団体が丸ごと潰されるという事は初めての経験であり、WORMS本部への報告をどう行ったものか、それを考えると頭が痛い。胃までキリキリと痛くなる始末だ。胃薬を飲んだところでドアがノックされる。


「入れ!」

「失礼します! 支部長、少し前の拉致誘拐および下部組織壊滅の失敗に関して部隊『蟻』の諜報員から情報が入りました」


 当支部で情報収集を担当する蟻。その部隊員から報告が入ったと伝令役が入室した。


「何? 3か月も前の事だぞ? 今頃情報が出るとは一体どういう事だ!」

「はっ! 申し訳ございません! 情報を入手するのに何やら……」

「言い訳はいらん! 報告をしろ」

「はっ!」


 報告の内容を要約するとこうだ。

 拉致に関し「超能力」使用により現場が吹き飛ばされた可能性があり、対象は未だ意識不明の「本栖(もとす) (ゆう)」と、退院済みの「天狗(あまつ) (りん)」このどちらかが能力者であると思われる事。

 アマツ退院後から程なくして付近の半グレ、不良共が淘汰。および、下部組織の壊滅。

 急速に勢力を拡大した新興チーム、Rの台頭。Rは「(りん)」の頭文字と一致。


「……なるほど、そうか。……フフッ、フフフフッ!」


 これは失敗どころかツキが回って来たんじゃないか? 黒蝶(こくちょう)が抜けた穴も埋められそうだ。


「よし、緊急で幹部会を開く! 今すぐ各部隊長を招集しろ!」

「はっ! それと、もう一つご報告があります」

「……それはあまりいい感じがしないな。まあいい。何だ、報告しろ」

「はっ、申し上げます! ここ最近ですが、何者かの仕業により、BUGS構成員が襲撃され被害が出ている模様! 把握出来ているだけでも蟻、蜘蛛、蜈蚣の部隊でおよそ50数名、全て死亡が確認されております。なお、下部組織においては全国に被害が及んでおり、重要中継拠点十数か所が壊滅。被害は3百名を超えており、こちらも全て死亡が確認されています。現在、襲撃者に関する情報は皆無。各部隊警戒レベルを引き上げ、この脅威の排除に当たっていると報告が上がってきております。以上!」

「なん……だと……。それだけの被害が出ているというのに、対象が特定出来ていないなど、私がそれでいいなどと言う訳がないだろうが! 今すぐ部隊長らを集めろ!」

「了解しました! 失礼します!」


 伝令役が支部長室から退出し、私一人になると溜息が零れた。

 襲撃だと? 表で生きている真っ当な人間が、我々裏の世界を知る事などあり得ない。

 万に一つ、我々に辿り着いたのだとしても、手を出し、ましてや襲撃を行おうなどという考えに至るだろうか? 答えは否だ。そもそも手を出すメリットが一つもない。よっぽどの知りたがりか、死にたがりでなければ……。

 いや、怨恨の線ならばいくらでもあり得る話か。


 特に、今回の身代金目的の誘拐は資金確保の為とは言え、頭が悪すぎた。下部組織、特に地元に根を張る暴力団関連には、頭に脳みそが入っていない連中を使わない様にと、あれほど釘をさしているというのにこの失態だ。

 常に注意しアンテナを張っておかねば、そういう綻びから我々に辿り着きかねん。


「寧ろ、あの下部組織を潰してくれたアマツには感謝せねばならない……か。ハァ……」


 いや、そもそも何故アマツは我々に辿り着いたのだ? 我々の存在にも既に気が付いているぞという警告なのか? 幼馴染を殺された復讐か? 何にせよ、おそらく能力者であるアマツであれば、襲撃者と仮定しても納得がいくというものだ。なら、まずはアマツについてもっと情報を集める必要があるな。


「……という考えから、お前たちには今後『アマツ リン』に関し、動いてもらう事になる」


 急遽、幹部会として会議室に集められた五部隊。

 部隊名「(あり)」。諜報を主とし、それに基づき作戦の立案等も行う。

 部隊名「蝙蝠(かまきり)」。メディアから巷に流れる噂まで、情報操作を行う。洗脳も得意。

 部隊名「(ちょう)」。主に、様々な対象への接触、懐柔、篭絡を行う。

 部隊名「蜘蛛(くも)」。様々な手法を使い罠を張り、援護を行う。洗脳も得意。

 部隊名「蜈蚣(むかで)」。強行、強襲等の戦闘を行う実行部隊。

 私は、このWORMS日本支部、BUGSにおける最高戦力の五部隊に命令を下した。

 全てアマツに関するもので、情報収集を基に篭絡を行い、我々に引き込む事が今回の大きな要点になる。

 私はこのアマツに非常に興味がある。何としてでも取り込みたい人材であり能力だ。


「アマツ リン、私は必ずお前を我々に引き込み、このWORMSで更に上の地位を手に入れ、高みからこの世界を操ってみせる! フハハハハハハッ! さぁ、夜明けがやって来るぞ!」


 地下深くから、蟲達が動き始める。

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