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Rising Force - Genesis -  作者: J@
Side Story

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Side Story 打ち明ける ~夏はやっぱりホラーですよね~

 先日の能力(ちから)検証映像が出来上がったと晶から連絡があったので、またオレの家で鑑賞会というか、訓練のやり方などを含めて話し合い? 会議? の為にみんな集まる事になった。


 前回集まった時にオレの料理がやたら好評だったので、今回もまた作ってやろうと思い、デザートも含め買い物は既に終えている。


 ――ピンポーン!


 玄関ドアを開けると天南さんが(肩と腕、鎖骨まで大胆に露出した胸がやたらと強調される)モスグリーンのトップスに白のハイウエストワイドパンツで日傘を差して立っていた。


「えへっ! 来ちゃった!」


 人差し指をほっぺに当てて頭をちょっと傾けたポーズでそう言う天南さん。

 はいカワイイ~! と胸に視線が吸い寄せられそうになるのを我慢する。


「いや、それ前回も言ってたからね? ってかすごく涼しそうだな!」

「だってー、めちゃくちゃ熱いんだもん! これくらいじゃないと無理ぃー」


 その後ろから晶がひょこっと顔を出す。


「リン先輩、今日は暑いのでアイス買ってきましたー!」


 こちらは健康的に白Tシャツと白から青にグラデーションしているフレアの入ったワンピースで、年相応で非常に可愛いくてホッコリする。


「うん、いらっしゃい! 暑かったろ?」

「リン先輩の家に行くのが楽しみ過ぎて、暑さなんて忘れてましたー!」

「これはまたお昼頑張って作らないとだな!」

「やった!!」


 あ、後ろにショウゴもちゃんといた。黒のプリントTシャツに赤のハーフパンツ。それと「RR」とロゴが入った赤のキャップ。


「ショウゴはいつも通りで見てて安心するよ、ほんと」

「よく分からんが、昼飯めちゃくちゃ期待してるからな!」

「フッ、任せとけ!」


 ということでクーラーの効いたリビングで、例の動画を見ることにした。


「あっ、折角なのでアイス食べながら見ましょう!」


 アイスを食べながら晶が編集した映像DVDを再生する。

 タイトルにBGMまで付いた、なんというかプロい仕上がりになっている。天南さんはそのタイトルだけでアイス吹きそうになってるし、オレはスプーンからアイスが零れた。ショウゴは無表情なので、きっと既に何回か確認作業か何かで見せられたのだろう。


 高速移動と高速機動、かなり早かったと思うけど殆どブレずにちゃんと被写体を捉えている。壁の蹴り返しとかも通常再生と拡大スローで見やすく編集されてて、オレですら見入ってしまった。


「こういうのは、アレだな、才能ってやつだ!」

「リン先輩に関する事なら、こんなのお茶の子さいさいです!」

「くっ……」


 なんか今の「お茶の子さいさいです!」で天南さんが萌え死にしそうになっている。


 3回程映像を見直してみて出て来た意見とアイディアは

  ・やはり訓練は人目に付かない山とかがいい

  ・今できる事を伸ばして威力を上げる

  ・蹴りの威力と同じくらいパンチも威力が出るのでは?

  ・威力が上がりすぎると身体の方が持たないのでは?

   防御力を強化する事が必要では?


「うーん、オレらの想像力って結構乏しくないか?」

「え! そそ、そんな事もないと思うけど~ぉ?」


 天南さんが誤魔化しながら視線をずらす。


「これはアレだな、いったん山とかに行ってみて、実際色々とやれることをやるしかないだろうな。」

「んじゃ、また来週の土曜朝からでも付き合ってもらって大丈夫か?」

「あたしはいつでもOKよ!」

「私もです!」

「俺も基本暇だからな、いつでもいい」

「ありがとうな、よろしくお願いします」

「あ、リン先輩! そういえばこの間のホラーなお話が聞きたいです!」

「あたしも聞きたい! ちょっと怖いけど……」

「ならその前に昼飯にする? 今日は暑いから少し涼しめのものを」

「「是非!!」」


 皆に作った料理を美味しく食べてもらえるのは非常に嬉しいから作り甲斐がある。


「はい! ということで今日も料理の時間がやってきました! 今日作るのは簡単に言えばお茶漬けもどきです! ちなみにめちゃくちゃ簡単です」

「「はい!」」

「ネギと生姜、大葉をみじん切りにしてボウルに入れ、そこに白ごま多めと油をしっかり取ったシーチキンを投入し、だし入り味噌多めとごま油を少々入れ、混ぜます」

「え、既にいい香りしてる! ああっ、あたし腹減ってきちゃった!」

「私もです、お腹減りました!」

「美味しそうなのはそうなんだが、俺には少しボリュームが足りんかもしれん」

「大丈夫! 既に用意してあるのが他にある」

「流石リン先輩です!」

「皆、鮭と鱈だったらどっち好き?」

「あたしは鱈!」

「私は鮭ですね!」

「俺も鮭派だ」

「ちなみにリンはどっち好きなの?」

「オレは鱈派だけど、もちろん鮭も好きだよ」

「やった! 一緒だね!」

「くっ、どうして私は鮭を選んでしまったのか!」

「んじゃ、魚はゴマ油でコンガリと焼きます。 焼いているうちに作り置きしていたこいつを……じゃーん! 餃子です!」

「「おおーっ!」」

「ちなみに具は、キャベツ、生姜、大葉、ひき肉、椎茸、黒コショウ、上湯スープで作ってあります、ニンニクは使ってないから平日でも日中でも食べられるぞ! んで、コイツをゴマ油を引いた熱したフライパンに円状に並べてフタをします」

「「はい!」」

「軽く焼き色がつく頃に水を入れて一気に全体に熱を通します。んでコイツをやってるうちに器にご飯をよそって、さっき作った味噌玉を小さじスプーンに山盛り一杯くらいとって乗せて」

「「ほぉーっ!」」

「そこにお茶! 今回はこの冷えた十六茶と氷をひとつ入れ、最後に焼きあがった魚を乗せて、お茶漬けもどきの完成です!」


 相当お腹が減ってきたのか拍手が鳴る。


「そして、焼きあがっただろう餃子を大皿にひっくり返して……出来上がりです!」

「すごいキレイな餃子!」

「では!」

「「いただきます!」」


「んでは俺は早速餃子を……! 大葉が凄く効いててコレは旨い! 生姜が辛みも出してくれるから夏にこの餃子はハマるなっ!」

「んんーっ!! すっごく生姜と大葉の風味が合いますね! とっても美味しいー!」

「リンはホントに料理上手ね! このお茶漬けも初めて食べたけど、今まで食べたどのお茶漬けよりもお茶漬けって感じ! おいしー!」

「欲を言えば、これに更にしば漬けとか入れるとアクセントになっていいぞ」

「あたし、これ家に帰ったら家族に作ってあげよっと!! 簡単だし!」

「そう言ってもらえるとオレも嬉しいな、何より夏バテの時でも食べやすいしな」


 ショウゴと晶も無言でお茶漬けを掻っ込んでて面白い。


「で、怖い話ってどんなの? 興味あるんだけどあたしソッチ系怖がりだからなー」

「じゃ、帰り家まで送りますよさちこ先輩!」

「マジで!? わー! 晶ちゃんありがと~!!」

「よっし、オレが昔体験した怖いか怖くないかわからないけど、な話しようか」



    ◇◇◇



「昔、家族でちょっとドライブ行こうかって事になって、確かお盆近い頃だったとは思うんだけど、結構落差のある有名な滝があってさ、そこが夜にライトアップするっていうから、夕方前位に家を出た」


「んで、ナビにその滝の場所を目的地登録して出発したんだけど、中間位の距離まで来たら、一旦戻る方向にナビが切り替わってさ、父親が近道でもあるのかな?って、とりあえずナビの言うままに進んだんだよ」


「そしたら、その戻る途中でここを曲がれって表示が出るんだけど、そこは普通に真っすぐな一本道で、曲がる道なんてなくてさ、みんなでナニコレ? ってなったから、仕方なくもう一回目的地登録してさ、そしたらやっぱり最初のナビ通りの道を示すから更にみんなでナニコレ? になって」


「んでもナビ通り進んだら、また同じとこで一旦戻る方向にナビが切り替わってさ、故障かなとか言いながらナビ無視してそのまま進んだんだけど、そしたらどうなったと思う?」


「え、前の方で事故が起きたとか?」

「事故……ですかね?」

「うーん、わからん、やっぱり事故か?」

「いや、ナビの電源が落ちて復旧しなくなった」

「「ええー!?」」


「これも父親が、やっぱり故障かーって言ったからそういう事になって、大体こっちの方行けば着くだろう、分からなくなったらどっかで聞こうってそのまま進んだんだ」


「結局、滝のある場所に着いたのは、もう暗くなってライトアップも始まってる時間で、車停めて外に出たんだけど、なんだかものすごく湿気というか空気が重いというか、重圧があるというかそんな感じでさ、鳥居を何本かくぐって滝まで行ったんだけど」


「居てる人は思ったよりまばらなのに、明らかに大勢で混雑してる感じの空気。めっちゃ息苦しいし暑いし重いわでさ。滝って言えば普通は涼じゃん、涼しいはずなのにさ、母親も流石にコレは無理って言って、即戻る事にしたんだけど、車に到着するまで誰ともすれ違わず後ろにも誰も居ないのに、めっちゃ人の気配が前にも後ろにもあって」


「山登りでもしたようなぐらい疲れて車に戻ったわけ。んで、エンジンかけたら何でかナビが直ってて起動したんだよ」


「ラッキーって事で自宅へ帰るボタン押したら『目的地まで200mです』ってなって、みんな『?』ってなってさ、んでも父親が『やっぱり故障か? それともホントに近道でもあるのか?』ってとりあえずナビ通り進んでみたんだ」


「そ、そしたら?」


「そしたら車が重くて重くて進まないの。またみんなでナニコレ? になって、んでも駐車場出てすぐのとこで山の上に向かう道にナビで誘導されてさ、行ってみたら少し上ったところで『目的地に到着しました』ってナビが言うから、車のライト消して回り見たけど真っ暗で何にも見えない」


「結局、帰ろうかってなってその場でUターンしようとして車を横に向けたら、目の前に沢山のお墓があった。背筋ゾックとしたから早くここを離れようって車動かしたら車が軽いのなんの」


「「えっ!?」」


「山下ってから再度自宅に帰るボタン押したらちゃんとナビしてくれたんだけど、思わず『タクシー代わりに使うなよぉぉ!』って叫んだよね、って話でした」


「が、ガチ話じゃん! あたし、夜に滝とか絶対行かないようにする!」

「私はちょっとその場面に居て体験してみたかったですねー」

「俺も似たような体験あるな」

「マジで? ショウゴの体験聞きたいな!」


「そ、そうか? なら話すが……、高校入って最初の夏に友達7人と肝試しやろうぜって事になってな、しかも1週間連チャンで同じ場所、同じ時間に墓地の中に入って一周するって内容で」


「初日から六日目までは何にもなかったんだ、月が明るくて墓地内も見やすくて。だが七日目の最終日、また7人で墓地の入り口まで行ったんだけど、今まで通り月は明るいのに墓地内は真っ暗で。昨日までと雰囲気が違う、気味が悪い、と言う奴もいて、結局最終日のチャレンジは中止にして帰る事になった」


「気が緩んだのか、皆なにかしら話しながら墓地の出口に向かって歩いてた、前に4人、後ろに3人。 俺は後ろの左端を歩いていた。何か会話してこの怖い気を紛らわそうとして、ふと俺の左後ろに人の気配を感じたから、誰か俺の後ろに移動したのかと思って『なあ』って振り返って声を掛けた」


「……誰も居なかったんだよ」

「「はっ!?」」


「でも気配だけは強烈にそこにあって『あ、コレ駄目なやつだ』って瞬間的に逆の右側に振り返ったら、一番右端を歩いていた奴が、既に俺の斜め後ろをプルプル指差して顔が強張ってて。思わず逃げろ!って叫んでダッシュして帰ってきた。って事があったな」


「わかるっ! 見えないけどそこに居るって感じるのはマジでヤバイよな!」

「夜にお墓なんて絶対に行かない!」

「私はちょっと体験してみたいかなーって思いました」

「「やめておきなさい!」」


 皆から突っ込まれる怖いもの知らずの晶であった。

ご覧いただき、ありがとうございます。


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よろしくお願いします。



……ちなみに、ちょっと弄ってありますが、私の実体験です。

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