第七話『籠絡しようと思いましたが……。』
スーパーにて食材を買い、家に帰宅する2人。家に入るとデパートで購入した物が玄関で鎮座していた。本当に家に送ってたんだなぁ。と呟く了助。
時刻は15時。
居間に入り、あー疲れたーと座布団の勢いよく座る了助。了助が座った近くで結実も座り、自分の姿を元の白い肌と髪に戻す。指を変形させてハサミにして購入品のタグをパチンパチンと切りだす。あっそうだ。といい、了助は最後に買ったバッグと財布を取り出し、結実に渡す。
「これを使って。買い物の時はお金渡すから財布に入れてバッグに入れて買い物をしてくれ。」
バッグと財布を受け取り、わずかな時間固まる結実。
「ありがとうございます。」
抱き抱えるようにバッグを持つその姿を見た了助は、とりあえず俺は寝るから夕飯できたら起こしてくれ。そういうと座布団を折りたたみ、枕にして横になる。
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Women's plan for my husband's needs.
Method 1: Have the woman watch herself change her clothes by a statement made by a female clerk.
Perform a speed calculation of raising arms.
Select clothing.
Search the Internet for the subject's preferences.
Searching for the execution time.
Decided that the best time would be when she finished her after-dinner tea.
execution (reservation program)
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結実に起こされると時刻18時になっていた。
起き上がると目の前にはベーコンエッグじゃない夕食が広がっていた。
ふと結実を見ると着替えたようで服装が変わり、黒いTシャツと白いズボン、洋服を購入した際にまぎれていたベルトもしていてシンプルな格好をしていた。
「買った服を着たんだ、似合ってるな。」
そう言いつつ座り直す。ふと結実をみるといままでワンピースをきていたのでスカート部分?であまり主張されてなかった脚のラインが見える。
結実は了助の反対側に座る。自分の食事はチャーハンを用意したようだ。そんなにチャーハンが気に入ったのかな?と思ったが好きに食えばいいと思った。
いただきますといい、夕飯にありつく。他の料理も美味いなとゆっくりと味わう。
夕飯を食べ終わると食後のお茶です。とアイスコーヒーと少しのチョコ菓子を出してくれた。
「なぁ、アンドロイドって言ってたけど、お前って完全に機械なの?おまえと接してるとわりと人間みたいな感じにおもうんだけど。」
コーヒーを啜りつつ質問をする。
「はい、私が来た世界は啓介氏が発見した4次元理論により演算機器が発達した結果、技術的特異点がおき、以前の時代と比べてとてつもない速度で技術発展が進んでいます。」
シンギュラリティ、人間に近いもしくは同等のAIがつくられて爆発的に技術発展していくことの概念と思うんだが、本当に起こるもんなんだなぁとおもった。
「啓介氏が発見して運用可能になった4次元空間は、あらゆるものの物理的な距離がなくなりました。そのためタイムラグ、タイムロスという言葉が死語になり、データ通信、処理などがほぼタイムロスなく行われるようになりました。」
それらの応用でできた超高性能演算機器の発達により5次元空間の発見、運用もあまり期間を置かずにできるようになったのだという。
「はえーすげぇのな。つまり、結実が超高性能AIでできているから人間に近い行動ができるのか。」
というとその通りです。と返ってくる.
飲み食いしていた食後のお茶セットが空になった。
ふぅと一息つく。ふと結実をみるとなぜか上着の裾を握っていた。
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program start
After making reference to the clerk's statement, "日の出のように初夜でゆっくりと見せる方がより雰囲気が良い方向にいくと思います。" it is determined that the optimal solution is to remove the clothing at the same speed as the speed at which the sunrise is visible on the earth's surface.
Execution.
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夕飯も食ったし、汗で体がベタついているので風呂にはいる。
了助がシャワーを浴びて浴室からでて居間に入ると結実がいまだに裾を掴んで固まっていた。どうしたんだろ?と思うがなんか計算でもしていたら申し訳ないなと思う。
昨日は布団をだしてもらったが今日は自分で出して敷く。
有料配信でアニメをみる。明日は仕事で早いので9時半を過ぎたところでテレビを消す。
「寝るから電気消すぞ。」
という。結実をみると裾が少し上がっていておへそが見えていた。仕事があるので消灯して布団に入る。
仕事はだるいと思いつつ、了助は意識を手放した。
補足として、罫線の中の英文は結実の脳内です。