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第六話『そこまで金額はいかないと思っていたら……。』

※あとがきにおまけあり

 ブース(ランジェリーショップ)に入ると店員さんからいらっしゃいませーと声がかかる。了助の腕から離れ結実が店員と話し始める。

 目のやり場に困りたまらず他の店員さんにすみませんと声をかけて、こういうお店は男がいたらマズイっすよねと質問をした。


「当店としては問題ありませんが、お客様の中にはやはり気にする方も多いので、今のようにお客様がいらっしゃらないタイミングで来店いただけるとトラブルなどは起きにくいです。」


と言われた。ほら見たことかと思いつつ、戻ってきたらやっぱりよそで待っていると言おう、そう考える了助。


「お待たせしました、やはりお店の外で待っててもらってよろしいでしょうか?」


言おうとしたことを先に言われて少し驚きつつ、それじゃ待っているから。と店を後にする了助。ブースに入る前に目をつけた近くのベンチに座りつつスマホを取り出してソシャゲーをやり始める。


 十数分後に結実が紙袋を下げて戻ってきた。いいのが買えたかと聞くとハイと返された。お釣りを渡されたのでサイフにしまいつつ、近くにあるフロア表へ行く。次はどこいくかと話をふる。


「衣類店へ行きましょう。」


そういいつつフロア表に指をさす。近くにある女性衣類店ではなく大衆ブランドの店を指差した。了助は少しホッとしつつ行くかと声をかけて歩き出す。

 たどり着いた店で結実は白と黒のTシャツ、黒のズボンを2枚ずつと靴下、肌着などを購入した。

 次に向かったのは先ほどのランジェリーショップの近くの女性衣服店。結局行くんかい!と思うがまあしょうがない。

そこでは季節にあったカジュアルファッションを上下で何セットか選んでいた、迷いなく。

 なんかヒラヒラした上着を何枚か、軽そうなロングスカートを何種類、デニムパンツ?とやらのズボンを数枚。

 長く連なる商品名を書かれたレシートを見ながら最近きた給料日とブラックじみた職場環境で稼いだ給与を無駄遣いしなかった自分を褒める了助。

 

次は靴屋につき、サンダルを購入。


 荷物が多くなってきた。最初に買った物(女性下着)以外の購入品を持っていた。荷物が重たいなどはできるだけ顔に出さないようにしていたが、結実は気づいたようで荷物を自分に渡すように言われる。大丈夫と渋っていたが買ったもの全部を取られる。すると結実はトイレへ向かう。

 どこ行くんだー昨日今日でトイレなんかいってなかったろーと思いつつ、しかたないので待っている。しばらくすると何も持っていない姿で結実がトイレから出てくる。買ったものはどうしたんだ?と質問をすると


「四次元空間を使用して家に購入物を輸送しました。」


とサラッととんでもないことを言った。とんでもないことは今に始まったことじゃないと思い直す。


 了助はスマホを見て時間的に少し早いが昼飯にしようとフードコートに向かう。

 フードコートには色々な店舗がある。ハンバーガー、うどん、ラーメン、丼物と定食類、たこ焼き、肉の鉄板焼き、デザートにはドーナツやアイスなどなど。


「俺は定食屋にするけど、結実はどうする?」


「私も定食でお願いします。」


まだ混んでなかったので並んでいたらすぐに順番が来た。了助は唐揚げ丼、結実はチャーハン定食を頼んでいた。

 空いている席に座り、2人は黙々とたべはじめる。チャーハンを食べている結実をみてみると相変わらず無表情だった。了助は甘い物でも結実に食べさせたらどんな反応をするかと思った。

 食べ終わった後に食器を片した。

 結実に席に座っているように言った後にアイス店へいき、了助は自分用にチョコミントとチョコのアイスのカップ、結実用にバニラと……なんとなく抹茶のアイスのカップを選んだ。席に戻り、食べな。といいつつ結実にアイスを渡す。

 オーバーリアクション時以外は出会ってから無表情だった表情が心なしか不思議そうな表情をした気がした。スプーンで抹茶をプラスチックのスプーンで1口分を掬い、口に入れる。結実は体を一瞬ビクッとさせた。


「……うまいか?」


「はい、食べたことはなかったのですが、美味しいです。」


そうかそうか、と了助は今日は来て良かったと思った。

 さてどうするかと了助は考え込んでいた。すると結実から一言いった。


「了助さんの衣服も見ていきませんか?」


それに対しては俺はいいよ、また今度で。と返す。


「んじゃあ食い終わったら、最後に1箇所寄ってからデパートをでて家の近くのスーパーで飯買ってかえるか。」


と了助は言う。

最後に雑貨店に着く。入り口で結実に待っているように伝えて中へ入っていく。

 了助はぱっと見で合皮の少し安めの長財布とポリウレタンでできたレディースの白と水色の肩掛けバックを買う。

 店に出て帰るかと結実に声を掛けて駅へ歩き出す。時刻は午後1時過ぎ。だんだんと暑くなってくる時間で茹だりそうだった。冬場の前にはもう一度こうなるのかとふと思ったが忘れとこうと思った。

 駅に着く。結実の切符を買い、改札を通り、ホームの待機所に入る。備え付けの椅子に2人して座る。了助は悶々と今日使った金額を巡らせていた。下手したらもう何回かあるんだよなぁと思った所で思考を止める。

 

過ぎたことは仕方ない。実際会ってから初めて見れた素のリアクションでチャラだ。


と素直に思った。

 やってきた帰りの電車に乗り、降りた所で普段の街並みになった。


「しばらくの飯は安めの材料で飯を頼む。」


と歩きながら結実に頼む了助だった。

おまけ


ランジェリーショップにての結実と店員の会話


店員「いらっしゃいませー、どのようなものをお探しでしょうか?」


結実「20代男性が見た際に女性がつけていたら喜ぶような下着を探しています。」


店「……えー、それはあちらの彼氏さんが喜ぶような、と言うものでよろしいでしょうか?」


結「……はい、日本人男性は相手がどのような下着を付けているか気になるとの情報を聞いたので、どのようなものが一般的にウケがいいかを聞かれば幸いです。」


店「(彼氏っていったら一瞬ピクッとしたなこの人。)それでしたら彼氏さんには一度退店いただけだ方がご希望に添えるかもしれません。」


結「なぜですか?」


店「失礼でしたらすみませんが、まだ彼氏さんとは夜でのアレコレはなされてないのですよね?(小声)」


結「はい。」


店「でしたら、あえて見せずに相手方にどんなものをつけているかを想像させて、日の出のように初夜でゆっくりと見せる方がより雰囲気が良い方向にいくと思います。(結実の耳元で)」


結「なるほど、わかりました。(後ろを振り返り了助の元へいく)」


(了助がランジェリーショップから退店する直前へ続く。)

おまけ終了


店の中で目のやり場に困って落ち着きのない様子で童貞と見破られる木淵了助でした。


ここまで読んでいただきありがとうございました


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