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第一話『オタ友からの手紙と思ったら……。』

妄想から生まれたシリーズ

なんか書かなきゃ勿体無いと思いスタート。


 朝、会社に行く前にポストの中身を確認したら、エアメールが入っていた。

 宛先のみで送り主が誰かがわからない。俺に海外の友人は居ないが思い当たる友人が1人いるので帰ってからゆっくりと内容をあらためてみようと一度家の中にもどり封筒を玄関先に置いておく。


 21時過ぎ。

 家に着いた、今日も残業して疲れた。

ひと段落を終えたらアニメを見ながら寝落ちをしよう。

 そう思いながら玄関を開けると忘れていたエアメールが目に入る。

予定変更、ひと段落を終えたらエアメールを開けよう。そう思い家に入る。

 玄関を入るとしばらく使われていないキッチン、左手に風呂、トイレの扉が2枚、右手に居間の引戸がある。

 居間の引戸の前にナイロンの肩掛けバックとコンビニで買った袋を置き、服を脱いで風呂に入る。

風呂の入り口の戸棚に置いてあるタオルで体を拭きつつパンツ姿のまま居間にはいる。

 居間はゴミを溜めたコンビニ袋と脱いだ服が散乱し奥にテレビ、部屋の中央には上がごちゃごちゃとしたちゃぶ台が鎮座している。


 帰り際に買ってきたコンビニの袋から弁当を取り出し食べる。

食べ終えたら袋の中にいるレモンサワーとツマミで買った裂けチーを弁当のゴミと入れ替えて袋の口を縛る。

 コップにレモンサワーを注ぎながら、エアメールに目を落とす。

 自分にはハーフのオタ友がいる。

初めてコミケに一般参加として入場した際、迷子になってしまったところを助けてくれたヤツで、その縁で仲良くなった。

エアメールで手紙を送ってくると言ったらソイツ、アニー尾足(おたる)しかいない。

 レモンサワーを飲みつつエアメールを開ける。

中には手紙と何か白い四角いものがあった。白い四角いものは暑さ2〜3mm、縦に4cm、横に3cmほどの大きさで、表面はプラスチック製のようにツルツル。

何かが書いてあったりするわけでもなく、押したりずらしたりするような箇所はなかった。

とりあえずはいいやとちゃぶ台に置き、手紙を開く。


『拝啓 木淵 了助(きぶち りょうすけ)殿

 私は貴方の弟の木淵啓介(けいすけ)です。

この手紙は約60年後から送らせていただきました。

貴方の将来をより良くするために今からもうひとつの贈り物を送らせていただきます。

どうか貴方の未来がより明るいものになれば弟として嬉しいです。 

 いつでもどこでも貴方の弟の啓介』


「なんだこの手紙、啓介って…俺の弟は3年前に事故で死んだってのにふざけやがって…。」


 了助はせっかくの晩酌に水をさされて気が立ち、ちゃぶ台に置いた白いプラ板のようなものと手紙を一緒にし、ちゃぶ台を挟んで反対側に無造作に投げる。


 オタ友の近況報告などが書かれた手紙が出てくるものだと思ったのに、開けてみたら宗教だかセールスだかの広告と変わらない内容の上に、ご丁寧に死別した弟の名前が書かれているとは悪趣味だと溜息をついた。


 了助は裂けチーをあけ、スッと1本割き、口に放り込み、レモンサワーが入った缶を開けると大きくあおった。

 

アニメでも見ながら寝落ちするかとテレビをつけ有料放送チャンネルにあわせる。

 ボーッとアニメを見ていると突然何かが白く光っている。

見てみると投げ捨てた白い板が突然眩しく点滅を繰り返している。

点滅の間隔が次第に短くなっていき点滅が点灯になる。

了助は気味が悪く、一度テレビを消して点滅物から距離を取る。

 すると白い板はまるで魔法陣のような複数の円の複合図形を空中5cmほど上に浮かび上がらせ、円は回転を始め、加速していく。

また白い板から何かが聞こえる、雑音と共に女性の案内ボイスのような声が発せられていた。雑音が酷すぎて内容は聞こえない。


「なんだなんだ!?」


 意味がわからない現実離れしたことが眼前に起き、酒も飲んでいるため脳の処理が追いつかない。

 光の図形が動く回転速度が最高速度を迎えた際、カメラのフラッシュの何倍もの光が了助に襲いかかる。


「無事 時間移動を完了しました。対象、木淵了助様。将来の死因は過労。」


 何か物騒なこと言われたため、光にやられた目を慣らしつつ自分の正面をみる。

 そこには1人の女性がゴミの山の上に立っていた。

見ると顔立ちは高校生くらい、髪と肌は白く、服は水色に近い青色のワンピースに白いレースがあしらったもの、首にはチョーカーのような黒いものがあり、赤い光がゆっくりと点滅していた。


「初めまして、ご主人様(マスター)私は未来からやってきた貴方のニーズに合わせてサポートするアンドロイドです、これからよろしくお願いします。」


 驚愕しすぎて言葉も出ない了助は呆然と目の前に現れ、自分にお辞儀をする美少女を見るほかなかった。


「すみません、突然現れて申し訳ないのですが私の現在のエネルギー残量が残りわずかとなっているので、なにかカロリーが取れるものはありませんか?」


 そう言いつつアンドロイドを自称する女は自分の首元の光を指差した。

よくみると首元のチョーカーに見えた黒いのものは機械の部品のように体に固定されていてそこから赤い光が点滅していた。

 なにも喋れず了助は裂けチーを少女に渡した。


「ありがとうございます。」


少女はお辞儀をしつつ裂けチーを2つに割き、1本また1本と口の中に入れ、咀嚼を始め程なく飲み込んだ。

 すると赤くゆっくり点滅していた光が黄色くなり、黒い機械部品が首の中に収納され、白い肌が上下から近づくようにくっつき、パッと見白いが普通の少女になった。


「裂けチーでしたか?今の発酵乳製品。私がいたところではもう販売停止になってしまい食べたことがなかったので、美味しかったです。」


 少女は無機質な話し方をしつつも名残惜しいような雰囲気を出していた。


「な、なんだお前は……。」


やっと落ち着いてきた了助はやっとの思いで一言質問をした。


「未来から来たアンドロイドです。これからよろしくお願いします。」


了助はレモンサワーを一気飲みをして床に寝転び目を閉じて、これは夢だと自分を言い聞かせて眠りについた。

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