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第4話


「気に入ったか?」

「うん!ありがとう!」

「どういたしまして。これで家の問題は解決したな」


安心したからか、急に空腹を意識してしまいお腹が鳴ってしまった。

恥ずかしくて顔が熱くなるのを感じる。


「ははっ、飯にするか」

「ご飯あるの?」

「俺はさっき食べたからいいけれど、人間って何食べるんだ?」

「パンとかだけれど、そんな高価なもの食べられないから最近は貴族の捨てたもの食べてたよ」


それを聞いてルタは呆れたような顔をした。

それから何かに気づいたように頷いた。


「だからさっきの人間も不味かったのか」

「じゃあ私も不味いの?」

「お前はまず肉をつけてからだな。そんな体では可食部が少なすぎる」


頭を撫でられそう言われてしまった。

食べてほしいわけではないが、遠まわしに不味いと言われると複雑だ。


「じゃあ近くの森に行って動物狩ってくるからそれ食べるか」

「食べれる分だけにしてね」

「分かったよ。じゃあその間に風呂入っておけ。水ならここを改築する時に入れておいたから」


ルタが開けた扉の先には今まで見たことない部屋があった。

床には見たことない石が綺麗に嵌められており、人が入れそうなほど大きな桶が置かれていた。


「ここ何?」

「何って風呂場だが…まさか見たことないのか!?」

「だってお風呂なら桶に溜めた水に布を浸してそれで拭いてすませていたし…」

「うわぁ……」


信じられないという目で見られる。

私だって好きでお湯に浸かって体を拭かない生活をしていたわけじゃない。

水は飲む分を確保するだけでも苦労していたのだ。


「じゃあ説明するから覚えろよ。まずこの部分が脱衣場で服を全部脱ぐ。で、この仕切りの奥に浴槽があるからそこに湯を張って体を浸からせるんだ。本来は蛇口からお湯を入れるんだが、ここは水道が通ってなかったから俺がお湯を入れた」

「おぉ……なんかすごい」

「その反応を見る限り、本当に使ってなかったみたいだな。まぁ、説明はこれくらいにして入っていてくれ。俺は動物狩ってくるからさ」


仕切りの奥にある浴槽に入ったお湯から上がる湯気を眺めているとルタはそう言って出て行こうとする。


「え、一緒に入らないの!?」

「入らないけど」

「なんで!?」

「なんでも何も普通別々だろ」

「でも入り方聞いただけじゃ分かんない」

「お前さぁ…」

「ルタは私と一緒に入るの嫌?」

「お前いくつだよ」

「9歳か10歳。日付が分かるものを持っていないから正確なことは分からないけれど」

「…じゃあ頭と体洗ってやるから一旦風呂入るの待ってろ。先に狩りに行ってくる」

「はーい」


リビングに戻り、椅子に座って待とうとしていれば目の前に来たルタが跪いた。

そして何も言わずにこちらを見つめるが、何を言いたいのか上手く汲み取ることができない。


「どうしたの?」

「首輪外してくれ。俺頑張っただろ」

「嫌」

「……だよな。じゃあ離れてもいい許可をくれ。狩りにいけないから」

「どうやればいいの?」

「知らないけれど、さっき『待って』って言われてから離れたら首が絞まったからその逆をすればいいんじゃないか?」


そういうものなのか。

よく分からないが、とりあえずそれっぽいことをしてみる。

ルタの顔を両手で包んで額同士をくっつける。


「私の所に生きて帰ってくる気があるなら遠くに行っていいよ」

「あぁ、約束する」


私が手を離すと、彼はすぐに立ち上がって外に出て行った。


その後ろ姿を見ながら私はこれからの生活についてぼんやりと考えた。

これからどうなるんだろう。

クーデターを起こすとしても何をどうすればいいのか分からない。

ルタに協力してもらい、力を使ってもらおうにも生物を食べないといけないらしいし…。


そんなことをぼんやり考えていると、今日だけでも色々あったからか眠くなってきてしまいそのまま寝てしまった。


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