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第11話

中心部に近づくにつれて貴族や富豪らしき人が増えてくる。


「この辺りから市場だな」

「すごい、人が多い」

「この辺は特に賑わっているみたいだな」


露店が立ち並び、活気のある声が飛び交う。

初めて見る光景に胸が高鳴った。


「じゃあ早速売るか」

「どこで?」

「たしかこの辺りに~…あ、あった」


連れて来られたのは古びたお店だった。

どうしてこんなところを知っているのか聞く前にルタは店に入ってしまった。


「すみませーん」

「はいはい」


店の奥から出てきたのは腰が曲がったおじいさんだ。

私たちを見ると珍しそうに笑う。


「おや、随分と若いお客さんだなぁ」

「これ買い取ってもらえるか?」

「どれ見せてごらん」


店主に言われるまま、袋ごとカウンターに乗せる。

私の背丈では背伸びをしても机の上を見ることができないが、袋から出して鑑定してもらっているのだろう。


「どこも質の高いものだね」

「そりゃよかった。今まで丁寧保管していたんだ」

「そうかいそうかい。なら、買取額はこれでどうだい?」


提示された金額で満足したのか、ルタは頷いた。

何かやり取りをしてお金を受け取ったらしく、再び手を差し出された。

大人しく手を繋げば、ルタはおじいさんに片手をあげて挨拶をしていた。


「じゃあまたよろしく頼むな」

「はいよ、またおいで」


私も頭を下げて店を後にした。


「高く売れた?」

「あぁ、予想以上に良い値で買い取りしてくれたぞ。だから食材以外にも欲しいものもあったら言ってくれ」


嬉しそうなルタを見て、私も嬉しくなった。


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